Therapeutic Research

Abstract

頸髄損傷患者は,麻痺に加えて痺れや疼痛などの異常感覚からくるストレスがあり,うつ状態になる患者がみられる。今回,回復期リハビリテーションにおけるうつ状態を伴う頸髄損傷患者2症例に対してserotonin & norepinephrinereuptake inhibitors(SNRI) であるduloxetineを投与し,うつ状態と疼痛の変化を評価した。評価の方法は,うつ状態についてはSelf –Rating Questionnaire for Depression(SRQ–D)で行い,疼痛についてはVisual AnalogueScale(VAS)により5段階で評価を行った。その結果,2症例いずれもSRQ–D, VAS(pain)の改善を認めた。脊髄損傷患者のうつ症状と疼痛(脊髄性)に対してduloxetine の効果が期待される。