Therapeutic Research

Abstract

スルホニル尿素薬（SU 薬）は主にインスリン分泌の惹起経路に，DPP－4 阻害薬は増幅経路に作用するが，現時点ではともにインスリン分泌促進系に分類されている。今回，代表的薬剤であるグリメピリドとシタグリプチンを 1 年間継続投与した 2 型糖尿病患者のデータを後ろ向きに調査し，血糖改善状況とインスリン分泌との関係，体重・体組成への影響，各種代謝マーカーの変化を比較した。結果，シタグリプチンでは血糖改善におけるインスリン分泌への依存度が低く，代謝全般の改善，腎機能改善，抗炎症効果が認められた。薬剤選択の優位性に格段の差があり，DPP－4 阻害薬はインスリン分泌促進系薬と同じ範疇には入れられない薬剤であると考えた。