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JPY
Abstract
目的:循環器医による糖尿病(DM)合併高血圧薬物療法の現状を明らかにする。方法:札幌医科大学第二内科およびその関連施設の循環器医を対象に,外来受診の高血圧連続20 例についてケースカード調査を行い,DMの合併の有無で対比した。結果:3186 例が解析対象となり,そのうちDM 合併例は830 例であった。DM の有無にかかわらずCa 拮抗薬(CCB)の処方率は71.9%(DM 非合併例),73.1%(DM 合併例)と最多で,アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)がおのおの62.1%,71.6%とそれに続いた。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とARB を併せたレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制薬処方率はDM 合併例では85.0%とCCB の処方率をしのいだ。利尿薬の使用率はDM非合併例の23.0%に比してDM合併例では31.4%と有意に大であった。平均薬剤使用数はDM非合併例の1.94 剤に比してDM 合併例では2.29 剤と多かったが,主治医判定による血圧コントロール良好例はDM非合併例の63.9%に比してDM合併例で53.7%と低値であった。RA 系抑制薬,CCB,利尿薬の3 剤併用はDM 合併例では24.0%に達していたが,主治医判定のコントロール良好率は42.2%に留まった。まとめ:DM 合併例では,大多数の症例が良好な降圧を得るためにRA 系抑制薬とCCBが使用されていた。利尿薬は,糖代謝に対する影響を考慮しても良好な降圧の観点からはむしろ積極的に使用され,これら3 剤の併用も約20%であったが,コントロール良好例は半数に届かず,DM 合併高血圧の治療の困難性が再確認された。
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/content/article/0289-8020/35020/171