Therapeutic Research

Abstract

腹腔鏡下胃瘻造設術の上部消化管motilityへの影響について後方視的に検討した。対象は経口摂取困難の重度障害児16例（1 ～ 17歳）であった。対象を術前の酸逆流時間率（reflux index：RI）でGroupⅠ（RI＜10.0％，n＝9）とGroupⅡ（RI≧10.0％，n＝7）に分け，24時間食道インピーダンスpH検査と13C呼気胃排出検査結果を術前後で比較検討した。術後にGroupⅠでは酸逆流回数が増加したが，GroupⅡではRIと酸クリアランス時間が低下した。胃排出能は全体ではT1/2とgastric emptying coefficien（t GEC）が改善し，GroupⅡではGECは改善し，T1/2 は改善する傾向を示した。胃食道逆流（gastroesophagealreflux：GER）が高度なGroupⅡの症例では腹腔鏡下胃瘻造設術によって酸逆流と胃排出遅延が改善される可能性が示唆された。