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マイクロファイバークロスによるウイルス除去に関する検討
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JPY
Abstract
医療機器清拭用として改良された東レ株式会社製 単糸径2μmマイクロファイバークロス「Toraysee for CE®」(以下,Toraysee)は,医療現場で使用されており,その性能はATPふき取り検査によって評価されている。Torayseeがウイルス除去性能を有するかを,わが国の病院で広く使用されている第4 級アンモニウム塩を含むクリーニングクロス(以下,Disinfectant cleaning cloth)と比較して評価した。ウイルス感染価は,ノロウイルス近縁種のネコカリシウイルス(Feline calicivirus F–9,ATCC VR–782)を用いて,CRFK細胞に感染させ,プラーク法により測定した。ウイルスの感染により生じた細胞変性効果(CPE)の数を集計し,希釈倍率,接種量より,ウイルス感染価を計算し,ウイルス誘出液1mLあたりの感染価を求め,ウイルス誘出液量(10mL)から試験担体あたりの感染価(PFU/試験担体)に換算した。なお,ウイルス除去の試験は一般財団法人北里環境科学センターウイルス部にて実施した。今回の検討では,薬剤を用いず水だけで湿らせたTorayseeのウイルス減少率は99.9%と高く,Disinfectant cleaning cloth 以上の性能を有することがわかった。このことから,薬剤を使用しなくても物理的な除去効果のみでウイルス除去が可能であった。また,Toraysee は一度捕獲したウイルスを塗り拡げないことがわかった。以上のことから,Toraysee はウイルスに対しても新しい感染制御の手段の一つとして有効である。ウイルスに対しては薬剤による感染制御が一般的であるが,Toraysee を使用することにより,新生児が使用する保育器など薬剤の残存が児に影響を及ぼすような環境においても有用であることが示唆された。
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/content/article/0289-8020/35090/827