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12. 腹部交通外傷により心外膜リードのペーシング閾値上昇が認められた1 例
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JPY
Abstract
症例:心房細動,三尖弁閉鎖不全の既往のある82 歳,男性。2001 年に徐脈性心房細動,房室ブロックによる失神を生じ,VVI ペースメーカーを挿入した。2004 年,リード不全を生じたため心室リード追加挿入を行い経過観察を行っていたが,2007 年に高度の三尖弁閉鎖不全による右心不全に発展し薬剤治療困難となったため,三尖弁生体弁置換術を施行した。このとき経静脈的挿入を行った心室リード抜去も行い,新たに腹部に心外膜リードによるペースメーカー植え込みを行うことで良好に経過していた。2009 年,交通事故で腹部打撲。他院に搬送されたが打撲以外の外傷なく,事故後約2 ヵ月経過してから頻回に失神を生じるようになった。事故直後のペースメーカーチェックでは異常を認めなかったが,心室刺激閾値は従来の1.25 V/0.4 ms から徐々に上昇し3.5 V/0.4 ms で単極,双極ともに心室捕捉不可能となった。胸腹部X線撮影で明らかなリードの位置異常,損傷は認めなかった。失神の再発,出力を上げても心室捕捉不可能となったため,リード追加も考慮し加療の方針とした。幸いにも三尖弁生体弁置換術時に心外膜リードを2 本挿入してあり,未使用リードが存在したため刺激閾値を計測したところ1.75 V/0.4 ms であり,このリードに新規ペースメーカーを接続し再度腹部にペースメーカー植え込みを行うことで,以後,失神発作は消失した。デバイス自体に外傷による損傷は認めなかった。結語:腹部交通外傷の打撲により,ペーシング閾値の上昇をきたした1 例を経験した。心外膜リードは体外からのショックに脆弱な可能性も考えられ報告した。
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