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ペースメーカー植込み時には良好であった心室閾値が,慢性期に急上昇したため2回の再手術を必要とした完全房室ブロックの1例
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JPY
Abstract
症例は58 歳,女性。2012 年12 月,完全房室ブロックおよび腎不全で入院となった。房室ブロックの原因として虚血は否定され,透析後の電解質異常の改善後も房室ブロックは持続したためDDDペースメーカー植込み術(PMI)(Medtronic:Advisa MRI)を行った。心室リードは,心尖部手前の中隔側にscrew –in を留置した。PMI時の心室閾値(RV) 0.7V/0.4ms, R波8.6mV, インピーダンス(Imp) 681Ωで良好な測定値であった。1 週間後のチェックではRV0.8V/0.4msであった。2013年1月(PMI 1 ヵ月後)のチェックでRV 1.5V/0.4ms に軽度上昇していた。3 月(PMI 3 ヵ月後)に眼前暗黒感を自覚して当科を受診。心電図上,心室のpacing failureで補充調律30/ 分であった。RV 5.5V/0.4ms に急上昇していた。それまでのPM記録では,2月下旬からRVは急上昇して2.5V/0.4ms を超える状況であったが,Impに変化を認めず,R波の記録はなかった。胸郭インピーダンスなどに大きな変化も認めなった。Gaシンチなどの各種検査を行ったが,異常所見はなかった。再留置術では,RV 0.5V/0.4ms, R波 10mV, Imp 570Ωであった。4 月(再留置1 ヵ月後)のチェックでは,RV 1.0V/0.4ms, R 波は測定できず,Imp 475Ω であった。9 月(再留置 6 ヵ月後)に再び眼前暗黒感で受診した。RV 4.75V/0.4ms, R波は測定できず,Imp 475Ωであった。原因は不明であったが,再々留置術が必要と考えてAdvisaのペースメーカーシステムはすべて抜去してST.JudeMedical (Accent MRI)を新たに留置する方針とした。再々留置術時の心室リードは,右室流出路の前壁側に留置した。RV 0.75V/0.4ms, R 波7.8mV, Imp 620Ω で問題なかった。抜去したペースメーカーをMedtronic 本社で解析したが,システムに異常なしとの返事であった。その後の経過は良好で全く異常を認めていない。本症例は,慢性期の閾値上昇の原因は不明であったが,過去に同様の報告はほとんどなく極めて稀な症例と考えられたので報告する。
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