Therapeutic Research

Abstract

背景・目的：アダリムマブは，ヒト型抗ヒトTNFα モノクローナル抗体製剤であり，潰瘍性大腸炎の臨床症状だけでなく病変粘膜の改善も期待できる。しかし，わが国においてアダリムマブの内視鏡的な検討は十分されていない。対象・方法：中等症以上の潰瘍性大腸炎患者10 例に対してアダリムマブ治療を行い，治療前後に臨床症状の評価とともに内視鏡的評価を行った。結果：アダリムマブ治療開始4 週後には，1例を除く9例においてMayoスコアが改善し，8週時の寛解率は60.0％（6/10例），粘膜治癒率は80.0％（8/10例），24週時の寛解率は80.0％（8/10例），粘膜治癒率は80.0％（8/10 例）であった。さらに，7 例中6 例が52 週時まで寛解および粘膜治癒を維持した。結論：アダリムマブは，中等症および重症の活動期潰瘍性大腸炎の臨床症状ならびに病変粘膜を早期に改善した。