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ステージG4およびG5の保存期慢性腎臓病患者に対する炭酸ランタンの使用経験
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JPY
Abstract
背景:慢性腎臓病(CKD)患者の早期では,血清リン(P)値は正常範囲内に保たれているが,骨・ミネラル代謝の異常がステージの進行に伴い出現することはよく知られている。そのため食事制限やP吸着薬によりCKDステージにかかわらず血清P値を各施設の基準値内に保つことが推奨されているが,従来使用されてきたカルシウム(Ca)含有P吸着薬は,Ca非含有P吸着薬よりも血管石灰化への影響が大きいことが問題視されている。2013 年からCa非含有P吸着薬である炭酸ランタン(LC)が保存期CKD患者にも使用可能となったことから,その有用性について検討を行った。方法:2013 年10 月から2014 年9 月までにLCの投与が開始されたCKDステージG4およびG5の保存期CKD患者24 例について,LC投与後の腎機能の変動と血清P値の推移を後ろ向きに検討した。結果:対象患者のCKDステージは,22 例(92%)がG5,他の2例(8%)もG4の高度腎機能低下例であった。LC の開始時投与量は,18 例(75%)が500mg/日で最も多く,750 mg/ 日が3 例(13%),250 mg/日が2例(8%),1000 mg/日が1例(4%)であった。LC投与開始時の血清P値(平均値± 標準偏差)は5.4 ±1.0 mg/dLで,6 ヵ月後の値は5.0 ±1.3 mg/dLと有意な変化は認められなかった。血清P値が当院の基準値内(2.5 ~ 4.5 mg/dL)であった症例数は,炭酸Caによる前治療ありの症例では,LC投与によっても増加は認められなかったが,LC新規投与症例では,LC投与開始時の2/18 例(11%)から6 ヵ月後には7/16 例(44%)に増加した。LC投与開始時の血清クレアチニン(Cr)値は,4.82 ±1.26 mg/dL であったが,6 ヵ月後には5.66 ±1.85 mg/dLへ有意に増加した(p=0.003)。観察期間中,2 例に嘔気が認められた以外には有害事象は認められなかった。結論:ステージG4およびG5の保存期CKD患者へのLC投与は,腎機能低下進行に伴い合併する高P血症を抑える可能性が示唆された。
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