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患者への喘息症状の治療目標の説明と患者満足度の関係-吸入ステロイド含有製剤で治療中の日本人成人気管支喘息患者調査-
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JPY
Abstract
背景:近年の治療の進歩にもかかわらず喘息症状を有する患者割合は減少していないことが報告されている。患者のなかには症状を残しつつも現状に満足している例も多く,過小治療による喘息症状の悪化が懸念されている。このような患者では,医師等から喘息治療の目標を説明されると,自己の喘息管理状態の不十分さを認識し,満足度が低下するといった報告も海外では認められている。同報告では,治療目標説明後に満足度が低下する患者に適切な患者教育を行うことで喘息症状が改善する可能性を述べているが,その変化に影響を与える因子は明らかではない。また,わが国では治療目標説明前後の満足度を評価した報告はない。そこで今回,わが国の喘息患者に治療目標を説明する前後での,喘息管理状況に対する満足度の変化を評価することにした。さらに,その変化に影響を与える因子を探索することにした。方法:吸入ステロイド薬(ICS)またはICSと長時間作用性β2 刺激薬との配合剤(ICS/LABA)を使用している喘息患者637例を対象とし,多施設共同,薬剤非介入,前向き試験を実施した。喘息予防・管理ガイドライン(JGL)2012 の治療目標を説明する前後での満足度をビジュアルアナログスケール(VAS)により評価した。さらに,治療目標説明後の満足度の変化に影響を与える因子を探索するために,患者背景,喘息コントロールテスト(ACT),服薬アドヒアランスに関する質問票(ASK–20)などとの関連を調べた。結果:治療目標の説明によるVASスコアの平均変化量は0.8(95%信頼区間,0.03 ~ 1.58)であった。重回帰分析でVASスコア変化量に影響を及ぼした因子は,治療目標説明前の満足度VAS スコア(p < 0.001),喘息の罹病期間(p <0.001),ASK –20 の総障壁数(p = 0.017),ACTの総スコア(p<0.001)であった。結論:本調査の被験者集団において,治療目標の説明による満足度の変化は小さかった。一方,「治療目標説明前の満足度VASスコアが高い」,「喘息の罹病期間が長い」,「ASK –20の総障壁数が多い」,「ACT総スコアが低い」患者は治療目標説明後に満足度が低下する傾向にあることが示唆された。
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