Therapeutic Research

Abstract

SGLT2 阻害薬の長期における臨床効果を正確に検討するため，2 型糖尿病症例に24 時間蓄尿を行いつつtofogliflozin 20 mg を48 週間投与した。結果，24 時間蓄尿量（mL/日）は1880±750 から2710±520，尿糖排泄量（g/日）は20±22 から138±61，体重（kg）は80.7±12.3 から75.3±11.8 と著明な変化を認めた。HbA1c（％）は7.88±0.94 から7.25±1.03，外来収縮期および拡張期血圧（mmHg）は135.1±15.2/77.3±10.2 から125.3±12.6/74.8±8.3，HDL コレステロール（mg/dL）は47.1±7.9 から52.3±10.7と有意な改善を認めた。体重減少には個人差が大きく，経過途中より，いったん減少した体重が増加に転じたリバウンド群5 例と，それ以外の体重減少維持群5 例にて検討を行った。48 週投与後の体重減少量はリバウンド群2.8 kg，減少維持群7.9 kg であったが，24 時間蓄尿における尿糖排泄量，塩分排泄量，尿量では両群間に差は認めなかった。24 時間蓄尿中尿糖排泄量と統計的に有意な相関を認めた因子は，24 時間蓄尿量，投与前HbA1c，投与前24 時間内因性クレアチニンクリアランス，投与前体表面積，24時間蓄尿中塩分排泄量であった。1 年にわたる蓄尿データはこれまでに報告はなく，体重減少の個人差含め，今後さらなる検討が望まれる。