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頻回インスリン注射療法実施中の2 型糖尿病患者における食後高血糖改善薬中心のBasal Supported Oral Therapy(BOT)の導入―2 年間の経過から―
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JPY
Abstract
目的:頻回インスリン注射療法にて良好な血糖コントロールを得ている2 型糖尿病患者に,食後高血糖改善薬を中心としたbasal supportedoral therapy(BOT)を導入し,インスリンの減量や離脱を図る。方法:外来にて頻回インスリン注射療法を実施中の2 型糖尿病患者29 例を対象とし,食後高血糖改善薬などを中心としたBOTを導入した。食後高血糖は主にα‒グルコシダーゼ阻害薬(α‒GI)にて是正し,必要に応じてグリニド薬を併用することで,各患者でより生理的な血糖変動を得ることを目的としたBOT を実施した。基礎インスリン投与量は,毎朝空腹時に血糖自己測定(SMBG)を行い,一定のアルゴリズムに基づいて毎日の基礎インスリンの単位数を患者主導で調節するよう指示した(セルフタイトレーション)。食前および食後2 時間のSMBG結果,HbA1c,1,5‒AG などを評価し,追加インスリンおよび食後高血糖改善薬など経口糖尿病薬の用量変更,投与開始・中止の管理を外来受診時に行った。BOT 導入開始時,その3,6,9,12 および24 ヵ月後の外来受診時のHbA1c,1,5‒AG ならびに体重を評価した。頻回インスリン注射療法からBOT への切り替えの程度を表す指標として,基礎および追加インスリンならびに経口糖尿病薬の投与量,投与患者数を評価した。また,問診票により低血糖発現状況を評価した。結果:対象患者は男性13 例(44.8%),女性16 例(55.2%)であった。平均年齢は67.6 歳,平均罹病期間は13.2 年であり,頻回インスリン注射療法によって平均HbA1c は6.8±0.9%にコントロールされていた。平均HbA1c は,BOT導入後に有意な変動を認めず,2 年後に6.7±0.8%となった。体重は,BOT導入開始時の65.2±12.8 kg から2 年後に62.2±13.7 kg と有意に減少した(p<0.001)。インスリン治療患者数は,BOT 導入開始時の29 例から2 年後には15例にまで減少し,14 例がインスリンを離脱した。総インスリン投与量は,BOT 導入開始時で平均34.5±19.3 単位であったが,BOT 導入3 ヵ月後に16.2±19.5 単位に,2 年後には3.9±7.8単位にまで減量できた。発現した低血糖症状の項目数はBOT 導入開始時で2.6±2.1 であったが,2 年後には0.7±1.5 にまで減少した。BOTの経口糖尿病薬としてα‒GI を全例に投与したが,なかでもミグリトールが22例と多くの患者に投与されていた。インスリン離脱群14例と継続群15 例の背景因子を統計学的に比較した結果,離脱群では継続群よりもBOT 導入開始時のCPR index が有意に高値であった(p=0.0010)。結論:頻回インスリン注射療法を実施中の2型糖尿病患者において食後高血糖改善薬を中心としたBOT を導入することで,良好な血糖コントロールの継続およびインスリンの減量,さらには離脱が達成できる可能性が示された。
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