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アルツハイマー型認知症患者におけるメマンチン塩酸塩処方開始後の向精神薬使用状況の変化
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JPY
Abstract
背景:アルツハイマー型認知症(AD)患者の行動・心理症状(BPSD)の治療には向精神薬が使用されることが多い。しかし,わが国では,AD 治療薬服用時における向精神薬の使用状況については十分に明らかにされていない。目的:メマンチン塩酸塩(MEM)が向精神薬使用状況に及ぼす影響の検討を目的とした。方法:日本大学医学部の臨床データベースを用い,後ろ向き観察研究を実施した。MEM 処方開始前後52 週間における向精神薬(抗精神病薬,抗うつ薬,抗不安薬,および催眠薬)使用患者割合の推移を主要評価項目とし,セグメント回帰分析を行った。コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI;ドネペジル塩酸塩,ガランタミン臭化水素酸塩,またはリバスチグミン)に関しても,副次評価項目として同様に解析した。対象AD 患者はMEM 群198 例,ChEI 群545 例であった。結果:MEM 初回処方前後における,向精神薬使用患者割合の推移に関する回帰直線の傾きの差は,抗精神病薬で-0.74[95%信頼区間(CI):-1.01,-0.47],抗うつ薬で-0.29[95%CI:-0.47,-0.11],および催眠薬で-1.01[95%CI:-1.33,-0.69]であり,MEM 処方によりこれら薬剤の使用患者割合は経時的に減少した。抗不安薬については,MEM 処方により使用の増減はほとんど認められなかった(回帰直線の傾きの差:0.09[95%CI:-0.08,0.25])。結論:AD 患者では,MEM 処方により抗精神病薬,抗うつ薬,および催眠薬の使用患者割合は経時的に減少した。これらの傾向にはChEI処方開始後の場合と違いがみられ,MEM が向精神薬の使用状況に及ぼす影響は,ChEI とは異なると考えられた。
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