No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
非弁膜症性心房細動患者に対するエドキサバンの費用効果分析
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
目的:エドキサバンは,血栓生成に関与するフィブリンの生成に関わる活性化血液凝固第X因子を阻害する経口抗凝固薬であり,国際共同臨床試験であるENGAGE AF‒TIMI 48 試験(ENGAGE AF)において,ワルファリンに対して脳卒中および全身性塞栓症発生で非劣性,重大な出血発生で優越性を示した。本分析では,ENGAGE AF の結果を用いて,わが国の非弁膜症性心房細動(non‒valvular atrial fibrillation:NVAF)患者を対象としたエドキサバン療法とワルファリン療法の費用対効果を比較した。 方法:NVAF 患者を対象としたエドキサバンのワルファリンに対する費用対効果を,マルコフモデルを用いた生涯シミュレーションにより評価した。マルコフモデルでは,虚血性脳卒中,出血性脳卒中,全身性塞栓症,心筋梗塞,頭蓋内出血,消化管出血,死亡の発生を評価し,そのうち虚血性脳卒中,出血性脳卒中,頭蓋内出血については発生後の障害度合(障害なし,中等度の障害,重度の障害)を考慮した。効果指標にはquality‒adjusted life year(QALY)を用い,本分析は公的医療費・介護費支払者の立場で行った。費用とQALYの割引率は2%とした。本分析で用いる臨床エビデンスはENGAGE AFとそのサブグループ解析の結果を用い,それ以外のモデルパラメータはシステマティックレビューにより情報を収集した。エドキサバンのワルファリンに対する費用対効果は,増分費用効果比(incremental cost‒effectiveness ratio:ICER)を用いて評価した。本分析では,費用対効果が良好であると判断するICER の閾値は,医療経済評価の試行的導入で検討された500 万円/QALY に設定した。 結果:エドキサバンのワルファリンに対する増分費用は333,313 円,増分効果は0.437QALYとなり,ICER は762,531 円/QALY であった。基本分析の条件で実施した一次元感度分析および確率的感度分析でもその頑健性が示された。さらに,東アジア人のサブグループ解析結果を用いたシナリオ分析ではエドキサバンが優位(dominant)となり,ENGAGE AF でエドキサバン減量基準を満たした患者(30 mg 投与)集団,および75 歳以上の高齢者集団でのサブグループ解析結果を用いたシナリオ分析においても,エドキサバン療法のワルファリン療法に対する費用対効果は良好であった。 結語:わが国のNVAF 患者の血栓塞栓症予防において,エドキサバンはワルファリンに対して費用対効果が良好であると考えられる。
Full text loading...
/content/article/0289-8020/39050/419