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味認識装置と官能評価によるエドキサバン口腔内崩壊錠(OD)の味評価
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JPY
Abstract
直接経口抗凝固薬(DOAC)の中では唯一,エドキサバン口腔内崩壊錠(OD 錠)がOD 錠として臨床で使用されている。OD 錠は口腔内で崩壊するため,苦みは時として患者の服薬アドヒアランスを低下させることもあり,味の評価は重要な情報となる。そこで,われわれはエドキサバンOD 錠を対象薬剤として,味認識装置(TS‒5000Z)を使用した定量的な苦味評価を行った。さらに,病院および保険薬局において管理される服薬指導記録から,患者のエドキサバンOD 錠服用時の官能評価を後方視的に調査した。味センサーによる味評価は先味(総合的な味覚情報)と後味[持続性のある味:Changeof membrane Potential caused by Adsorption(CPA)値]で解析した。エドキサバンOD 錠の味評価には, 先味測定には旨味センサー(AAE),塩味センサー(CT0),苦味センサー(C00),渋味センサー(AE1)および酸味センサー(CA0)を用い,後味測定には苦味センサー(C00),渋味センサー(AE1),旨味センサー(AAE),塩酸塩苦味センサー(BT0)および塩基性苦味センサー(AN0)を用いた。 先味測定では,CT0,C00,AE1 およびCA0 センサーにおいて濃度依存的に応答が強くなる傾向がみられた。後味測定では,C00 およびAE1 センサーの応答が濃度依存的に強くなる傾向がみられたが,先味測定のセンサー出力応答と比較して約1/10 であった。BT0,AAE およびAN0 センサーにおいてはほとんど応答がみられなかった。医薬品の苦みを評価するBT0 センサーに反応しなかったことから,エドキサバンOD 錠を服用した後の苦味はほとんど感じられないと推測された。 エドキサバンOD 錠含有量別・センサー別の応答強度結果をもとに,酸味,苦味雑味,渋味刺激,旨味,塩味,苦味,渋味および旨味コクの味覚8 項目について,味認識装置SA402B 解析アプリケーションを用いて,味レーダーチャートを作成した。 患者の官能評価では研究対象患者206 名中185 名(89.8%)が「服用しやすい」と回答し,193 名(93.7%)が「味は気にならない」と回答した。苦みを訴える患者はいなかった。医薬品の服用時の苦みは味認識装置の結果および官能評価から,服薬アドヒアランスに影響を与える程度ではないと考えられた。本研究の結果より,味認識装置を用いた味の定量的評価は,官能評価では伝えにくい複雑な味の表現を視覚的に伝える有用な情報であることが示唆された。
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/content/article/0289-8020/41060/499