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日常診療で遭遇する循環器疾患と慢性閉塞性肺疾患(COPD)のクロストーク
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JPY
Abstract
2012 年に告示された「健康日本21(第二次)」の基本方針として,生活習慣病の発症ならびに重症化予防に重点を置いた対策を取ることで,健康寿命の延伸を実現する方向性が示されている。生活習慣病のうち高血圧や心不全などの循環器疾患と慢性閉塞性肺疾患(COPD)が高い頻度で合併すること,および,これらの合併によって相互の発症・死亡リスクが上昇することが複数の疫学調査で報告されている。COPD合併がこういったリスク上昇をもたらす背景として,COPDの病態である全身性炎症,酸化ストレス,低酸素血症や動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇などの関与が考えられている。循環器疾患とCOPDの合併においては,特にCOPDの診断率が低いことが課題である。診断に必要なスパイロメトリーの利用が困難な場合は,COPD–PS質問票などの簡便なツールを活用し,「COPD診療ガイドライン2022」で示されている症例の特徴も参考にして,COPD患者を確実に把握することが必要である。COPDの診断後は患者の状態に合わせて吸入薬を基本とした治療を実施し,循環器疾患の合併患者においてはβ遮断薬の適切な使用も検討すべきである。また,早期から身体活動向上に向けた取り組みを行うことも重要である。今後の高齢化社会の進行に伴い,複数の慢性疾患を合併する患者が増加する状況を鑑み,日常診療では循環器疾患のみならずCOPDを確実に把握し治療することが重要である。
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