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JPY
Abstract
ジカウイルス感染症とは,フラビウイルス科フラビウイルス属のジカウイルスによって起こる蚊媒介性感染症である.人間社会においてジカウイルス感染症を媒介する蚊は,主にネッタイシマカ(Aedes aegypti )とヒトスジシマカ(Aedes albopictus )である.ジカウイルス感染症は近年,2013年のフランス領ポリネシア,2015年のブラジルでのアウトブレイクを経て,2016年には中南米で大流行を起こした.ジカウイルス感染症の潜伏期は2~7日であり,微熱を含む発熱,頭痛,関節痛,筋肉痛,眼球結膜充血,皮疹などの症状を呈する.診断は,血液・尿などからのウイルス分離やRT‒PCR 法によるウイルス遺伝子検出,ペア血清によるIgM 抗体あるいは中和抗体の陽転化,または抗体価の有意の上昇が用いられる.ジカウイルスに有効な抗ウイルス薬はなく,また有効なワクチンもない.ジカウイルス感染症罹患後にギラン・バレー症候群を発症する症例が多数報告されており,ジカウイルス感染症のまれな合併症と考えられている.また,妊婦がジカウイルスに感染すると胎児の小頭症発症のリスクが高くなることが関連づけられており,社会問題となっている.ジカウイルス感染症の概要と最新の知見についてまとめた.
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/content/article/0370-8241/73090/1254