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Incidence of Ophthalmic Disorders in Patients Treated with the Antineoplastic Agent S-1
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JPY
Abstract
S-1はテガフール,ギメラシル,オテラシルカリウムの3 剤を配合した内服の抗悪性腫瘍薬である。近年,流涙をはじめとする眼障害が報告されているが,その認知度は十分ではない。本研究では,2012 年1 月〜2015年8 月までに昭和大学病院においてS-1を含む治療レジメンにより治療された患者を対象として,眼障害発現について後方視的検討を行った。眼障害は261例中28 例(10.7%)に認められた。内訳として,流涙17 例,眼脂10 例,結膜炎6 例,霧視3 例,眼の異常感2 例,他に眼痛,眼掻痒感,眼乾燥,麦粒腫,視力低下がそれぞれ1 例ずつ認められた。内服開始から眼障害発現までの期間中央値は3.0(1.5〜4.5)か月,S-1の累積投与量の中央値は4.2(2.2〜9.5)g であった。眼科を受診した13 例中5 例で角膜障害が発現していた。角膜障害による視力低下を来した1 例でS-1 の休薬期間の延長を必要とした。患者背景およびS-1 投与状況を比較した単変量解析において両群間の有意差を示した項目は,性別,S-1 総投与量および総投与期間であった。眼障害発現群では非発現群に比べ男性の割合が高く,S-1 総投与量の中央値は非発現群6.3 g に対し発現群では12.4 g,総投与期間の中央値4.4か月に対し8.6か月と眼障害発現群でより長期に投与されていた。多変量解析により眼障害発現の関連因子として,性別,S-1総投与期間が抽出された。本研究では,眼障害として流涙以外にも様々な症状が観察されており,患者および医療者への眼障害の十分な周知とS-1投与患者に対する慎重なモニタリングが必要である。
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