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大腸癌化学療法におけるNLR はレジメン変更の指標として有用である
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JPY
Abstract
目的: 好中球数/リンパ球数比(NLR)は免疫能の指標および消化器癌の予後因子として有用とされており,NLR 低値の症例では予後が良好とされている。切除不能大腸癌の化学療法実施中のNLR がレジメン変更の指標として有用か否かを検討した。方法: 5-FUのTDMを併用した大腸癌化学療法施行中に,NLR値を測定した切除不能大腸癌30 例を対象とした。男性22例,女性8 例,年齢は61〜82(中央値71)歳であり,結腸癌14 例,直腸癌が16 例であった。化学療法前および最良腫瘍縮小時のNLR 値を測定し,生存に影響を与える因子を検討した。「NLR値2.5 以下の期間」を化学療法実施中にNLR値が2.5以下であった期間の総計と定義した。NLR を横軸,CEAを縦軸にとった十字グラフ(原点NLR: 2.5,CEA: 5)を作成し,1 か月ごとのNLR と腫瘍マーカー(TM)をプロットしてレジメン変更のタイミングを検討した。結果:期間は3〜120(中央値17)か月であった。second-lineへの移行24 例,third-line 11 例,fourth-lineへは2 例であった。最良腫瘍縮小時のNLR が2.5以下の群(22例)ではMST 27 か月,2.5 以上の群(8 例)ではMST 11 か月であり,前者で生存期間が有意に延長した(p=0.0002)。「NLR 値2.5以下の期間」は全生存期間と有意な正の相関を示した(相関係数0.888,p<0.001)。多変量解析では化学療法前CA19-9値(p<0.0001)と「NLR値2.5 以下の期間」(p=0.001)が有意な独立予後因子であった。3 年以上生存例では全例NLR≦2.5でsecond-lineへレジメン変更していたこと,NLR>5 がNLR≦5 となった症例は3例しかないことより,長期生存を得るためには NLR/TM のベクトルを考慮して NLR>2.5 となる前にレジメン変更することが有用と考えられた。結論:化学療法中のTMとNLR値の推移はレジメン変更のタイミングの指標となる。
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/content/article/0385-0684/44110/1001