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化学療法施行後に発症した非閉塞性腸間膜虚血症の2例
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JPY
Abstract
非閉塞性腸間膜虚血症(non-occlusive mesenteric ischemia: NOMI)は腸間膜血管に器質的閉塞が存在しないにもかかわらず,腸管の不可逆的虚血により腸管壊死を生じる疾患であり,非常に予後不良な疾患とされている。今回,化学療法施行後に発症したと考えられるNOMI の2 症例を経験したので文献的考察を加え報告する。症例1 は79 歳,男性。前立腺癌の局所再発に対してドセタキセルを初回導入後6 日目に腹痛が出現し,腹部造影CT 検査にて腸間膜虚血および腸管気腫を認め,画像診断にてNOMI と診断し,緊急手術を施行した。開腹したところ小腸および上行結腸,横行結腸,下行結腸,直腸S 状部および胆嚢も同様にまだら状に壊死しており,同部位をすべて切除し摘出した。術後3 週間で肺炎にて死亡となった。症例2 は74 歳,男性。中咽頭癌にてドセタキセル,シスプラチン,フルオロウラシルの3 剤併用化学療法を施行した。6 日目に発熱および腹痛を認めたため,腹部造影CT 検査にて腸間虚血を認めNOMIと診断し,同日緊急手術を施行した。回腸は全体的にまだら状に変色しており壊死と判断し,同部位を切除した。術後経過は良好で,退院後外来にて経過観察中である。2 症例ともNOMI 発症前にドセタキセルを使用し骨髄抑制に対する治療中であり,NOMI発症とドセタキセルの関連性が疑われた。一般的に抗癌剤投与後の腸間膜虚血はまれとされ,貴重な症例と考えられ報告する。
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/content/article/0385-0684/44120/1396