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胞巣状軟部肉腫(Alveolar Soft Part Sarcoma)―融合遺伝子が制御する血管新生機構―
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JPY
Abstract
胞巣状軟部肉腫(ASPS)は,思春期・若年成人の深部軟部組織に発生するまれな起源不明の悪性腫瘍である。ASPSは胞巣状と呼ばれる豊富な血管形成を特徴とし,血行性転移が高頻度で認められる。原因遺伝子としてX;17 転座に基づくASPSCR1TFE3がすべての症例で認められ,ASPSCR1TFE3の異常な転写機能が病因に深く関与している。ASPSCR1TFE3をマウス胎児の間葉系細胞に導入するとヒトASPS が再現され,血管周皮が豊富な構造や転移機構の解析に有用であった。ASPS 細胞において,ASPSCR1TFE3はアクティブエンハンサーやスーパーエンハンサーに親和性が強く,ASPSCR1TFE3の発現喪失状態では血管形成に関連するエンハンサーの顕著な減少が認められた。ASPSCR1TFE3が認識する血管形成関連エンハンサーをエピゲノムCRISPR スクリーニングにより決定し,標的遺伝子としてRab27a,Sytl2,Pdgfb,Vwf を同定した。Rab27a とSytl2 は,細胞内小胞輸送系の機能亢進を介してPdgfb やVwf などの血管形成因子の分泌を促進しASPS の特異な血管構造を作り上げている機序が示唆された。Rab27/Sytl の発現亢進による過剰な小胞輸送はがんの新たな分子標的として注目される。
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