Abstract
緩和ケアはかつて終末期のみに行われていたが,現在では病期を問わず必要に応じて積極的に取り入れられている.リハビリテ-ションも同様に病期を問わず,緩和的な視点から継続的に行うべきとされる.身体症状の緩和には運動療法が有効であり,特に倦怠感や呼吸困難,睡眠障害への効果が認められている.疼痛に対しては,ホットパックによる温熱療法,経皮的電気神経刺激(TENS),呼吸介助やポジショニング,マッサ-ジなどが行われる.また,精神的苦痛の緩和にもリハビリテ-ションは重要な役割を果たす.セルフモニタリングを通じて自己効力感を高めることで,不安や抑うつなどの精神症状の改善が期待でき,これがスピリチュアルケアにもつながる.さらに緩和ケアは患者だけでなく家族も対象とし,在宅でのケアを支援する役割もリハビリテ-ションに求められる.家族が患者に触れ,ケアにかかわることで関係性の維持と精神的支援が可能となる.こうした包括的な緩和ケアを行うためには,リハビリテ-ション専門職と医師,看護師,薬剤師など多職種による連携が不可欠であり,チ-ム医療が求められる.