Abstract
症例は68 歳,男性.X 年4 月に上腹部痛を主訴に前医を受診し,上部消化管内視鏡検査で胃前庭部を中心に腫瘍を認め,精査加療目的に当院へ紹介受診した.精査の結果,前庭部胃癌,cType 2,tub2‒por,HER2 陰性,cT4b(liver, pancreas)N+M1(PUL),cStage ⅣB と診断し,HER2 陰性切除不能進行胃癌の一次化学療法としてSOX 療法を開始した.2 コ-ス施行後のCT で原発巣およびリンパ節は縮小傾向を認めたが,肺転移は不変であった.4 か月後のCT で原発巣,リンパ節転移はさらに縮小を認めた.SOX 7 コ-ス施行後は神経障害を考慮し,S‒1 単剤に変更した.3 年後の上部消化管内視鏡検査で原発巣の瘢痕化を認め,生検で悪性所見を認めなかった.治療開始7 年の現在もS‒1 単剤の内服を継続し,肺転移は不変だが,胃原発巣およびリンパ節転移は縮小を維持できている.