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【シンポジウム1 ●統計的意思決定に基づく柔軟な臨床試験デザイン】 1 小規模臨床試験デザイン
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JPY
Abstract
これまでの臨床試験には頻度流統計学が主に用いられていたが,2010 年に米国食品医薬品局(Food and DrugAdministration: FDA)が「医療機器の臨床試験におけるベイズ流統計学の利用に関するガイダンス」1),2)を発行して以来,その風向きは変わりつつある。 2017 年に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)科学委員会希少がん対策専門部会は,「希少がんの臨床開発を促進するための課題と提言2017―アカデミア及びレギュラトリーサイエンスの視点から―」3)を公表した。本報告書は,幅広い見地から課題が整理され,重要な提言がなされているが,「第4 章 希少がんに対する臨床試験のあり方」には,試験デザインの制約を緩和できる条件や状況として,以下の3 項目が挙げられている。 ・単群試験デザインの許容 ・奏効率等の代替評価項目の採用 ・第Ⅰ種・第Ⅱ種の過誤確率の上昇 また,効率的なデザインとして以下の例示がある。 ・ 遺伝子情報に基づいた試験(アンブレラ試験/バスケット試験) ・N‒of‒1 試験などの自己対照試験 ・適応的(アダプティブ)デザイン ・ベイズ流デザイン 最近,わが国でも国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)医薬品等規制調和・評価研究事業(2019~2021)「希少疾患領域の医薬品開発を効率化するための小規模臨床試験のデザイン・統計解析法の研究開発とその適正使用のための基本的考え方の策定(研究開発代表者:平川晃弘)」において,「希少疾患領域の臨床試験におけるベイズ流アプローチの適用に関する基本指針」4)が策定された。 ベイズ流統計学は,①「確率」だけですべてを判断するため,わかりやすい,②試験計画に依存せず,いつでもデータ解析をして知りたい確率を計算できるため,適応的デザインに適している,③事前情報はときに意味をもち,事前情報を含むさまざまな情報(外部情報)を明示的に統合できるため,蓄積された情報を生かすことができる,という利点を有する。
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