Abstract
医薬品開発において,patient centricity/patient and public involvement の概念の浸透や近年デジタル技術の発展などにより,治験参加者の自宅や近隣のかかりつけ医などのパ-トナ-医療機関を活用した臨床試験への参加が可能になりつつある.さまざまなデジタル技術を活用することによって,医療機関への来院に依存しないdecentralized clinical trial(DCT)の実現に向けた取り組みが加速しており,これまで臨床試験に参加できなかった患者に参加機会を提供することは,日本の臨床試験や臨床研究の選択肢を増やすことにつながり,被験者背景の多様性が広がることも期待されている. 一方,DCTを助ける個々のデジタル技術は国内でも浸透しつつあるが,デ-タの流れも多様化/複雑化し,DCT を行ううえでデ-タの品質/信頼性確保も重要な点である.そこで,DCT の最新の動向と,デ-タの品質/信頼性確保に向けた規制面,技術面,運用面での課題・留意点について,ディスカッションを行い,理解を深めることを目的としたシンポジウムを企画した. 本シンポジウムでは,実際にDCT を実施している専門家より最新動向,最新事例が共有され,課題や可能性について議論した.多くの方に聴講いただき,本テ-マへの関心の高さがうかがえた.本稿では,3 名の演者による講演と2 名の座長によるパネルディスカッションの概要を報告する.