Abstract
日本臨床試験学会企画研修委員会(以下,JSCTR 企画研修)で主催する教育セミナ-「倫理審査委員会を考える!」(以下,IRB セミナ-企画)では,これまでシリ-ズとして9 回にわたり,倫理審査委員会関係者をタ-ゲットに教育セミナ-を開催してきた(表1).そのなかでも「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(以下,生命・医学系指針)」(令和5 年3 月27 日一部改正)1)の改正に係るセミナ-では,令和2 年および3 年の個人情報保護法(以下,個情法)の改正の影響を大きく受け,臨床現場では,個情法と生命・医学系指針との関係性がわかりにくいとの声や混乱が続いていた.これらの悩みを解決すべく,第9 回IRB セミナ-企画では「医学系研究と個情法の関係性を考えよう!」2)をテ-マに掲げて開催した. 第9 回IRB セミナ-企画では,参加希望者によるグル-プディスカッション(以下,GD)も行われた.ファシリテ-タ-は,JSCTR 認定GCP エキスパ-ト保持者および倫理審査専門職CReP 認定保持者(以下,CReP 認定者)3)から公募を行い,6 名より協力が得られた.このセミナ-企画では,GD を含め個情法や生命・医学系指針の運用や解釈についての活発な議論がなされ,その結果,多くの意見や質問を集約することができた(表2). IRB セミナ-企画の活動として,CReP とのコラボレ-ションのほかに,日本臨床試験学会特別委員会 生命科学・医学系倫理指針タスクフォ-ス(以下,倫理指針TF)とも連携を行ってきた.倫理指針TF では,個情法や生命・医学系指針における現状の課題検討や臨床研究関係者(研究者・研究支援者,倫理審査委員会委員・事務局など)の理解促進に繋げるツ-ルとしての成果物(個人情報保護法と医学研究に関する手引書)の作成に取り組んでいる.第9 回IRB セミナ-企画の結果(表2)については,倫理指針TF へも共有し成果物製作時の参考として活用されている. これらの活動を通じて抽出された課題や解決策の意見交換を目的に,第15 回学術集会内でも,倫理指針TF との協同およびCReP コラボセッションとして,CReP 共催チャッティングセッション(以下,本セッション)を開催した.本稿ではその取り組みの概要と,その後に続く展望を報告する.