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微小リンパ節転移を標的とするテロメラーゼ特異的腫瘍融解ナノバイオウイルス製剤によるイメージングシステムおよび治療法の開発
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JPY
Abstract
制限増殖型腫瘍特異的ウイルス製剤は,悪性新生物の治療における画期的な新しいアプローチである。テロメラーゼ活性の上昇は癌化における重要なステップと考えられており,その活性はhTERT遺伝子の発現と密接に関連する。われわれは,E1遺伝子の発現をhTERTプロモーターで制御するように5型アデノウイルスを改変し,新たなウイルスを作製した(Telomelysin,OBP-301)。さらに,ウイルスの複製を可視化できるように,TelomelysinのE3領域にGFP発現遺伝子を組み込んだウイルス(TelomeScan,OBP-401)を作製した。ヒト大腸癌細胞HT29をヌードマウスの直腸粘膜下に移植して作製された直腸腫瘍モデルにおいて,TelomeScanを直腸腫瘍内に投与すると,傍大動脈領域の転移リンパ節を開腹下に3CCDカメラを用いたシステムで可視化することができる。この結果より,TelomeScanは所属リンパ節領域へ流入し,その部位の癌細胞内で特異的に増殖を行い,その結果転移リンパ節内でGFP蛍光を発現することがわかる。この技術は,微小リンパ節転移病変を検出することに応用できる。さらに,腫瘍内投与されたテロメラーゼ特異的腫瘍融解アデノウイルス製剤は,ヒト直腸癌モデルにおいて原発巣だけでなく転移リンパ節に対する抗腫瘍効果をもつ可能性が示唆され,この結果は癌のリンパ節転移病変に対する治療に応用できることが示された。本稿では,テロメラーゼ特異的腫瘍融解アデノウイルス製剤を用いた癌の治療および診断に対する新たなアプローチという,急速に発展している癌治療研究領域についての最新の知見について紹介した。
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/content/article/0914-2223/22020/87