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がん患者の自殺予防における薬物療法の役割──薬物介入のリスク・ベネフィットに着目して
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JPY
Abstract
がん患者は告知後,治療中,再発時,治療の中止を告げられたなど多大なストレスに曝露されるためメンタルヘルスの危機にさらされる機会が数多くある。そんな中で,希死念慮を呈することも少なくない。疫学研究では,がん患者の自殺率は一般健康人とくらべて2倍程度高く,そのリスクがもっとも高いのは診断後間もない時期であり,男性,診断時の進行がん,頭頸部がんなどが危険因子とされている。がん患者の自殺者の95%には精神疾患の診断名が付いており,6割以上が介入を必要とするうつ病である。希死念慮を呈したがん患者に対して,その背景にある苦痛を理解しようとする共感的な態度が必須であることは言うまでもない。しかしそのメッセージは薬物療法を躊躇せよという意味合いではない。薬物療法が必要な重度のうつ病が少なからずいることを認識し適切な介入を行うことが必要である。すべての向精神薬には副作用の可能性があるため,面前のがん患者には,どのような副作用プロフィールを持った向精神薬が適切かを検討する必要がある。進行がん患者のうつ病に関する薬物療法のアルゴリズムではベンゾジアゼピン系抗不安薬を最初に投与することを推奨していることが多いが,そのせん妄惹起や習慣性のリスクは無視できるものではない。むしろ,副作用プロフィールを十分に吟味し適切な抗うつ薬を選択することがメリットになることも少なくない。 Key words : cancer, suicide, depression, antidepressants
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