Abstract
6~ 17 歳の注意欠如・多動症(ADHD)に対するguanfacine塩酸塩徐放錠(GXR) の有効性及び安全性を本邦にて確認する目的で,プラセボを対照とした無作為化二重盲検 比較試験を実施した。GXR投与群として,体重換算用量別に3群を設定し(0.04mg⊘kg 群,0.08mg⊘kg群,0.12mg⊘kg群),それぞれをプラセボ投与群と比較した。その結果, 投与7週後のADHD-RS- Ⅳ合計スコアの変化量(調整平均値 ± 標準誤差)において, 0.04mg⊘kg群 (- 10.73 ± 1.24), 0.08mg⊘kg群 (- 14.60 ± 1.25)及び0.12mg⊘kg群 (- 16.89 ± 1.29)は,プラセボ群(- 6.70 ± 1.24)に対する優越性を示した(それぞれp = 0.0148, p < 0.0001,p < 0.0001)。また,ADHD-RS- Ⅳスコア変化量等の有効性指標は,GXRの体 重換算用量に依存して大きくなる傾向が示された。有害事象の発現率は,プラセボ群 61.2%,0.04mg⊘kg群75.8%,0.08mg⊘kg群81.5%,0.12mg⊘kg群92.4%であり,GXR群 での最頻度の有害事象は傾眠であった。有害事象の大部分は軽度又は中等度で,多くは試 験期間中に軽快又は回復した。GXRは本邦において,ADHD治療の有用な選択肢となる と考えられた。 臨床精神薬理 21:1093-1117, 2018 Key words :: guanfacine, ADHD, double-blind study, placebo, alpha-2 agonist