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遂に成功してこれからの期待の大きい lurasidone の開発物語
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JPY
Abstract
Lurasidoneは1990 年代初頭に,我が国初のserotonin1A 受容体部分作動薬 tandospi rone をリード化合物として創製された。強力なserotonin-dopamine antagonist の作用に加えて,serotonin 5-HT1A 受容体および serotonin 5-HT7 受容体に強い親和性を有することから,抗精神病作用とともに抗不安作用,抗うつ作用,認知機能低下への作用が期待され,非臨床試験で確認されていた。我が国では1995年から臨床開発に入り,米国では2005 年から第Ⅲ相試験の準備を開始するスケジュールで開発が進んだ。米国での統合失調症およびⅠ型双極性うつ病を対象とした臨床試験は順調に進んで,2010年には統合失調症への,2013年には双極性うつ病への承認が FDAから降りた。一方,我が国での統合失調症を対象とする臨床試験で,pivotal study としての国際共同試験に成功せず,2 本目の国際共同試験も今一歩及ばず,三度目にようやく成功し,すでに成功裡に終えていた双極性うつ病への pivotal study をもって当局に申請するに至ったのである。そして,2020年 3 月,苦節20有余年の後,両疾患への同時承認が降りた。苦労が報われた喜びと抗精神病薬の臨床試験の難しさを如実に味わうことになったのである。Lurasidone は優れた抗精神病作用と安全性を示し,また,国内で 3 番目の双極性うつ病の治療薬としての活躍が期待されている。 臨床精神薬理 24:407-433, 2021 Key words ::lurasidone, azapirone, tandospirone, schizophrenia, bipolar depression
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