No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
第二世代抗精神病薬開発の流れは,1 つは1958 年にWander 研究所が合成したclozapine とclotiapine(clothiapine), もう1 つはPaul Janssen 自身が発見したbutyrophenone系抗精神病薬のpipamperone の非定型性に目を付け,dopamine D2 受容体遮断作用より数倍以上強力なserotonin 5-HT2A 受容体拮抗作用を併せ持つserotonin dopamineantagonist(SDA)のrisperidone を合成したことに始まる。Clozapine からolanzapine が生まれ,clotiapine から生まれたquetiapine が続いた。3 番手となったquetiapine は先行するrisperidone とolanzapine の華やかな活動に1 歩遅れて,地味な存在を余儀なくされていたが,両剤の特許が切れる2005 年頃よりquetiapine の活性代謝物norquetiapine の薬理学的プロフィールが明らかにされ,抗精神病作用に加えて,抗うつ作用,抗不安作用,催眠作用を含めた幅広い向精神作用を示してトップに躍り出た。Norquetiapine という孝行息子のお陰である。海外での適応疾患も統合失調症,双極性障害の躁病・うつ病,単極性うつ病,全般性不安障害などに広がり,それに加えてほとんど全ての精神疾患に適応外使用されている。わが国でも,適応疾患は統合失調症と徐放錠の双極性うつ病に限られるが,適応外使用が増加の一途にある。しかし,2001 年に発売されてから1 年後にolanzapine に続いて,高血糖・糖尿病性ケトアシドーシスによる死亡例から緊急安全性情報が出され,糖尿病に禁忌となった。定期的な血液モニタリングが必要となっていることを忘れてはならず,適応内のみならず,適応外疾患に処方するには心して当たらなければならない。臨床精神薬理 27:211-225, 2024 Key words : quetiapine, norquetiapine, NET inhibitor, 5-HT1A agonist, clotiapine
Full text loading...
/content/article/1343-3474/27030/211