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JPY
Abstract
緑内障治療は,本質的には眼圧下降治療である.薬物治療と異なり,手術やレーザーでは十分な眼圧下降効果が得られた場合,緑内障治療の点眼や内服から離脱することが可能になり,患者本人のアドヒアランスと無関係な眼圧下降が得られる.また,アレルギーや呼吸器系,心機能の抑制を含む点眼薬による副作用がなくなるというメリットもある.ただ,事はそれほど単純ではなく,緑内障手術にはさまざまな合併症がある.患者本人はまったく視機能障害の自覚がない状態の眼に手術を行い,光覚喪失に至るような合併症を来す場合も稀にはある.また,特に問題なく終わっても術前より矯正視力が下がってしまうことも多い.そういった意味で,緑内障治療目的でレーザーや手術を行う際は,緑内障手術を受けるということが,何を意味するのか理解してもらうことが重要である.特に最近はWebサイトや雑誌などでレーザー治療や低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery;MIGS)の知識を持っている患者も多い.「レーザーだから安全」「MIGSだから安全」と思っている人もいるため,注意が必要である.ポイントをついた説明と同意が,患者の術後のQOL と術者の身を守ると考えている.説明のポイントの一番重要な点として,患者が緑内障という病気がどういう病気であるか理解している必要がある.当たり前だと思うかもしれないが,やはり医療雑誌やWebサイトなどから得た知識により正常眼圧緑内障では眼圧下降のメリットがないと思っている患者もいる.そのような患者には「基本的には眼圧が高いと視神経が死んでいくのですよ.また,正常眼圧でも自分の視神経が耐えられる以上の圧が加わると緑内障は進行していきます」といったような説明をして,眼圧下降の必要性を理解してもらうことが重要である.また,筆者は基本的に患者に手渡す説明用紙や文書に詳細な説明を記載し,口頭での説明は重要な点のみとしている.録画した動画などを用いることも手術の理解に重要である.口頭での説明のみでは,術後に「そのような説明は聞いていない」などと言われたり,トラブルになったりする場合がある.緑内障のレーザー治療としては,比較的頻度が高いと思われる選択的レーザー線維柱帯形成術(selective laser trabeculoplasty;SLT),マイクロパルス波毛様体光凝固(micro-pulse cyclophotocoagulation;MPCPC),レーザー虹彩切開術などについて記載したい.
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