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3 【3章 症例別の眼鏡合わせ】①近視性乱視の眼鏡合わせ(成人)
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JPY
Abstract
眼鏡装用下での日常生活や作業環境は,それぞれの患者で異なる.そのため,眼鏡合わせでは患者の使用目的や状況,患者の望む見え方について十分な聞き取りを行い,長時間装用しても眼精疲労をひき起こさない「快適に見える眼鏡」を作製することが重要である.つまり,自覚的屈折検査の完全矯正度数が必ずしも処方度数になるとは限らないということである.成人は小児と異なり,屈折度数の変化があまりないと思われがちである.しかし,球面レンズ度数や円柱レンズ度数およびその軸の方向は,加齢によって変化することが報告されている 1 ~4).成人の眼鏡合わせは,調節力だけでなく,視力や視野に影響を及ぼす眼疾患を有することがあるため,眼疾患の有無を考慮しながら眼鏡度数の調整をする必要がある.また,成人の眼鏡合わせを行う際は,眼鏡装用習慣の有無を必ず確認する.眼鏡装用習慣があった患者では,患者が現在持っている眼鏡にどのような問題点があり,どのように解決したいのかを聞き取ることが大切である.一方で,眼鏡装用習慣がなかった患者に眼鏡を作製する場合は,患者の視環境を具体的に聞き取り,患者の見えにくさを知る必要がある.眼鏡合わせでは所持眼鏡の有無にかかわらず,患者の望む見え方の聞き取りを疎かにすると,患者の満足度に影響するため,患者に理解しやすい表現での説明が大切である5, 6).患者の希望する見え方を具現化するためには,装用テストが欠かせない.装用テストでは,トライアルレンズを装用する前に,トライアルレンズを装用して見え方に慣れるかどうかを確認する時間が必要であることや,装用時間をどのくらい設定するかを説明する.さらに,乱視の矯正眼鏡は,円柱レンズの軸の方向がずれてしまうと見え方に影響し,装用テストをやり直さなければならないことがある.そのため,乱視矯正のためのトライアルレンズは,円柱レンズの軸がずれないようにするためにテープで固定するとよい(図1).そして,装用テストでは,トライアルレンズの見え方の感想をしっかり確認し,違和感によって装用を続けることができない場合は度数の調整が必要である.本稿では,症例を紹介しながら,成人の近視性乱視の眼鏡合わせの流れについて示す.
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