外科

Volume 64, Issue 4, 2002
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特集 胃瘻・腸瘻・食道瘻 1. 胃瘻
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1. 胃瘻増設術—適応と管理—
64巻4号(2002);View Description
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胃瘻造設術のうちより低侵襲性の内視鏡的胃瘻造設術が開発され,外科医のみならず内科医にも胃瘻造設術が可能となり,適応が拡大された.内視鏡的胃瘻造設術は目的別に経管栄養のためと消化管減圧のためが2大適応となり,栄養目的では脳血管障害後遺症などが大きな割合を占める.減圧では癌性イレウスなどが適応となるが腹水流出防止策が必要となる.管理の面からは術後早期管理が合併症発生の減少のため重要である.交換時のトラブルは重要合併症に結びつくことがある. -
2. 経皮内視鏡的胃瘻増設術(PEG) —手技と合併症—
64巻4号(2002);View Description
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経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は経口摂取が不可能な患者に対する経腸栄養の投与経路として,また経鼻胃管による消化管ドレナージを必要としている患者に対するドレナージチューブ挿入経路として行われる.内視鏡が挿入可能であること,造設すべき十分な胃があることが条件となる.BARD社製Ponsky pull PEG Kit を用いたPull法による基本的な挿入手技とPEG 施行時および挿入中の主な合併症について解説する. -
3. 腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術 (LAPEG)
64巻4号(2002);View Description
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開腹手術の既往を持つ患者に対する腹腔鏡補助下経皮内視鏡的胃瘻造設術(Laparoscope assisted percutaneous endoscopic gastrostomy:LAPEG)の実際を述べた.手術は硬膜外麻酔下に腹部の手術瘢痕を避けて小開腹を置き,腹腔鏡下に癒着の有無を確認する.さらに胃内よりの内視鏡観察下に腹腔鏡による圧迫と透過光で胃壁を確認し,市販のPEG キットを使用して胃瘻を造設する.本法は開腹手術の既往を持つ患者に対する低侵襲で安全な胃瘻造設法である. -
4. 小開腹創による胃瘻造設術
64巻4号(2002);View Description
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食道閉塞のため内視鏡的胃瘻造設術ができない患者に対し,1cm の小開腹創による胃瘻造設術を考案した.小開腹創から腹腔鏡下に腹腔内の癒着の有無を確認後,胃内にトロカールを挿入して気腔し,直視下に腹壁から穿刺法で胃内にバルーンチューブを挿入する.この方法は腹腔内と胃内を確認できるため安全であり,腹腔鏡は使用するものの手技は容易で,胃瘻造設部以外には1cm の創しかない極めて低侵襲な胃瘻造設術と考えられる.
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特集 胃瘻・腸瘻・食道瘻 2. 腸瘻
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1. 経管栄養のための腸瘻造設術
64巻4号(2002);View Description
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胃切後や胃に病変を有している症例のほか,胃内停滞や胃食道逆流症がある場合には,誤嚥性肺炎予防のため胃瘻より腸瘻が好ましい.術式はWitzel法が代表的で,カテーテルの包埋を完全にすること,漿膜下トンネルは空腸内腔を狭窄させないこと,壁側腹膜への固定は全周性に密に縫着し腸管が捻れないように数cm 固定すること,がポイントである.腸瘻による経腸栄養法は,高カロリー輸液など経静脈栄養法に比べて,管理が簡単で安全かつ容易で,合併症が少ないことが特徴である. -
2. 経皮内視鏡的消化管瘻造設術
64巻4号(2002);View Description
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PEG の普及と胃術後患者の長期生存が相まって,胃手術既往を持つ患者へのPEG の需要は増大してきているが,現段階ではそのコンセンサスは得られていない.そこで,自験例を中心に胃手術の術式別に,胃手術の既住のない群と造設成功率,穿刺部位,合併症,臨床効果を比較したところ,いずれの項目でも有意義を認めなかった.したがって胃手術既往のある患者にもPEE は可能かつ有効であると考えられた. -
3. 内視鏡的腸瘻造設術
64巻4号(2002);View Description
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内視鏡を用いて空腸に栄養の投与路を確立する方法には,PEG から栄養チューブの先端を延長し空腸に留置するPEG-J と,内視鏡を用いて空腸壁に直接腹壁からチューブを留置するD-PEJ がある.長期の管理を考えるとD-PEJ がより有用である.D-PEJ の留置は一般的なPEG より技術的には難しい.留置にあたり穿刺位置の正確な同定がポイントとなる.PEG に比べて逆流誤嚥が減ることにより,それまで栄養管理の困難であった症例の栄養改善に役立つ. -
4. 左側結腸人工肛門増設の標準術式
64巻4号(2002);View Description
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理想的な形状の人工肛門(ストーマ)を確実な手技で造設すれば合併症は少ない.腹部CT で左腹直筋の幅を測定し位置を決め,腹直筋の中央を貫くストーマをつくる.理想的なストーマの形状とは,1)円形,2)直径3.5cm,3)高さ1.0〜1.5cm,4)ストーマの頂点に排出口,5)ストーマと接する皮膚に陥凹がない,ことである.直径3.5cm ストーマ孔をつくるためには物差しを用いる.経路は腹膜外より腹腔内がよい.結腸は腹直筋前筋膜に8針固定する.
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特集 胃瘻・腸瘻・食道瘻 3. 食道瘻
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1. 食道瘻増設術
64巻4号(2002);View Description
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食道瘻は食道を切開または切離し,その内腔を体外と交通させる術式で,食道内に嚥下された分泌物(唾液)や食物を排出させることを目的としている.胸部食道癌分割手術と,食道の閉塞や穿孔,あるいは瘻孔形成がその適応となる.前者は単孔式,後者は双孔式または側壁切開による外瘻が造設される.食道瘻の管理は唾液などによる皮膚の障害を防ぐため,小児用採尿パックを用いた持続吸引法が有用である. -
2. 経皮経食道胃管挿入術(PTEG)
64巻4号(2002);View Description
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経皮経食道胃管挿入術(PercutaneousTrans-Esophageal Gastro-tubing:PTEG)は,非破裂型穿刺用バルーンカテーテル(Rupture-FreeBalloon:RFB)を用い,超音波下に左側頸部を穿刺する新しい食道瘻造設術である.従来の胃管挿入留置法に比べ簡便かつ安全で低侵襲であり,術後管理も簡便である.また特に経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)施行困難例にも簡便かつ安全に施行できることを特徴としている.本稿ではその適応と手技および合併症について述べる.
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連載/外科医のためのクリニカルパス実践講座(16)
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連載/基本手術手技Q&A(16)
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術者の心構え
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臨床と研究
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人工臓器
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治療方針
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症例
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