Volume 67,
Issue 10,
2005
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特集【画像で癌の進展範囲がどこまでわかるか】
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外科 67巻10号, 1117-1123 (2005);
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甲状腺癌は組織型によって進展様式に違いがある.乳頭癌はリンパ行性に転移することが多く,濾胞癌では血行性転移が主である.髄様癌はどちらの進展も認められ,未分化癌では局所浸潤性が強い.超音波検査は必要不可欠な検査で,甲状腺結節性病変の診断には一番であるが,周囲浸潤や頸部リンパ節転移,遠隔転移にはCT,MRI を適宜組み合せる必要がある.気管浸潤には気管支鏡や気管支鏡下超音波検査による評価も行われている.全身への転移巣の検索にはPET 検査も行われるようになってきた.
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I.甲状腺,乳房
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外科 67巻10号, 1124-1128 (2005);
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乳房温存手術を行うにあたり大切なことは,いかにして局所再発を防ぐか,すなわち癌遺残を防ぐかであり,そのためには術前の詳細な広がり診断が不可欠である.各種画像診断には特性があり,それを最大限に活用して診断を行うべきである.癌の広がりに関して疑わしい病変を認めた場合は,積極的に画像ガイド下組織診や細胞診を行い,診断をつけることが肝要である.
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II.消化管
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外科 67巻10号, 1129-1132 (2005);
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胸部食道癌手術では微小転移を含めたリンパ節転移範囲をいかに正確に診断し郭清するかが重要である.本稿では,磁性体を用いたMRI lymphatic mapping による食道癌主病巣からのリンパ流の同定法について紹介する.食道腫瘍周囲に消化管内視鏡下に磁性体を注入し,spoiled gradient recalled acquisition in the steady state(SPGR)法でtorso phased array coil またはC/T/L spine phased array coil を用いMRI 画像を撮像した.Spin echo — T1 強調画像に比べSPGR 法では磁性体陽性リンパ節は低信号に描出され,主病巣からのリンパ流の同定が可能であった.多くの症例で転移リンパがlymphatic mapping 上に存在し,その臨床的価値が確認された.磁性体を用いたMRI lymphatic mapping は食道癌リンパ流を術前に詳細に同定でき,食道癌のリンパ流経路の癌進展範囲の診断に非常に有用な方法と思われた.
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外科 67巻10号, 1133-1137 (2005);
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胃癌の治療方針を決定するうえで必要となる,水平・垂直進展度(広がり)診断,肝転移診断,リンパ節転移診断,腹膜播種診断について,一般臨床の場での診療を前提として,当教室で行っている胃癌の総合的な進展範囲診断を中心に記した.
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外科 67巻10号, 1138-1144 (2005);
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他臓器の癌治療と同様に,大腸癌でも癌進展度に応じたそれぞれの治療法が選択されている.なかでも,術前にリンパ節転移,壁深達度を正確に診断することは,手術術式を決定するうえでとくに重要と思われる.最近の画像診断は驚異的に進歩しており,X 線検査および内視鏡検査に加え,超音波断層診断により精度の高い術前進展度診断が可能となっている.それに加えmultidetector-row CT(MDCT)の登場により,CT の役割はさらに重要なものとなった.今回,MDCT による多断面再構成像(multi-planar reconstruction:MPR)や3 次元画像の診断的意義についても述べた.
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外科 67巻10号, 1145-1151 (2005);
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直腸癌の治療は根治性と術後QOL の両面を確保することが重要であるため,直腸癌の深達度,他臓器への浸潤の有無,リンパ節転移の検索など,術前の正確な病期診断が必要不可欠である.本稿では,直腸癌原発巣,転移巣,再発巣に対する各種の画像診断法の特徴について概要し,最近注目されているPET(positron emission tomography)— CTをはじめとした新しい診断技術を,自験例を含めて紹介する.
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III.肝・胆・膵
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外科 67巻10号, 1152-1158 (2005);
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肝細胞癌の治療方針の決定において,進展範囲の画像診断は非常に重要である.本稿では肝細胞癌に特徴的な進展様式である肝内転移,門脈腫瘍栓,肝静脈腫瘍栓,胆管腫瘍栓を中心に,造影CT,エコー,血管造影,MRI の各画像での特徴的所見を概説した.また,各画像の読影時に所見を見逃さないための留意点や間違いに陥りやすい所見も記載した.
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外科 67巻10号, 1159-1165 (2005);
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転移性肝癌の診断では質的診断,多発病変,脈管浸潤,局所再発,遠隔転移などの診断が必要である.質的診断では腫瘍のvascularity,粘液産生,石灰化などにより画像上の多様性を示す.多発病変の診断ではmulti-detector row CT(MDCT),CT during arterial portography(CTAP),superparamagnetic iron oxide(SPIO)造影MRI の感度が高い.肝転移巣の進展範囲の診断ではCT,MRI を駆使して,肝静脈,下大静脈(IVC),Glisson 鞘,横隔膜などへの浸潤を診断する必要がある.全身の検索には18F — fluorodeoxyglucose(FDG)— PET や全身MRIが有用である.
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外科 67巻10号, 1166-1171 (2005);
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胆管癌の水平進展範囲は術式の決定において必要不可欠な情報である.当科では直接胆管造影の他にmulti-detector row CT(MDCT)での胆管壁の造影所見を指標とした癌の水平進展範囲診断を併せて行っている.2003 年1 月〜 2005 年3 月のあいだに当科で経験した胆管癌切除症例は90 例で,そのうち経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)カテーテルのため評価不能であったものを除いた対象症例は58 例であった.対象のうち胆管壁の造影所見がみられたのは38 例(65.5%)であった.MDCT で診断した水平進展範囲と切除標本の病理組織所見とを対比した結果,その正診率は上流側の水平断端で80.8%,下流側で78.4%と良好であった.胆管壁の造影所見の得られる症例に限れば,高い精度で水平進展範囲の診断が可能である.
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外科 67巻10号, 1172-1176 (2005);
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ss 胆嚢癌は切除術式の選択がもっとも予後に影響を及ぼすとされる.その術中超音波検査による壁深達度診断能とその他の診断法による成績を比較し,診断精度を踏まえた対策について考察した.術中超音波検査は周波数7.5 MHz の探触子を用い,肉眼的にS0 で,最外層の高エコー帯に中断,ひきつれ,凹凸不整がある場合を深達度ss とする診断基準を用い,m,mp 癌の4 例,ss 癌の22 例に術中超音波検査による壁深達度診断を施行した.術中超音波診断はss 浸潤所見を陽性とした場合,感度86%,特異度100%,ss 浸潤正診率88%,偽陰性率14%であった.偽陰性3 例はmp 主体で一部ss にかかる微小浸潤例であった.一方超音波内視鏡検査(EUS)の報告例の集計では感度65%,特異度86%,ss 浸潤正診率76%,偽陰性率35%であった.術式決定にあたってはss 浸潤の偽陰性率が上記の頻度で存在することを念頭に置き,再手術も考慮に入れた初回手術と胆嚢全割標本の検索が不可欠であるといえる.
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外科 67巻10号, 1177-1183 (2005);
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膵癌の画像診断では,遠隔転移の診断と局所の進展度診断が重要である.膵癌は高頻度に血管浸潤を認めるが,浸潤の程度や部位によって手術適応や手術術式が異なってくる.膵癌の画像診断には多くの方法が存在するが,それぞれの診断法の必要性,特徴を理解する必要がある.リンパ節転移診断,小さな肝転移,腹膜播種の診断は依然として困難であるが,multi-detector row CT(MDCT)を中心とした画像診断により,効率的な膵癌の診断が可能になってきた.
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臨床経験
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外科 67巻10号, 1185-1188 (2005);
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外科 67巻10号, 1189-1192 (2005);
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症例
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外科 67巻10号, 1193-1197 (2005);
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外科 67巻10号, 1198-1202 (2005);
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外科 67巻10号, 1203-1207 (2005);
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外科 67巻10号, 1208-1212 (2005);
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外科 67巻10号, 1213-1216 (2005);
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外科 67巻10号, 1217-1220 (2005);
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外科 67巻10号, 1221-1225 (2005);
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外科 67巻10号, 1226-1229 (2005);
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外科 67巻10号, 1230-1234 (2005);
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外科 67巻10号, 1235-1238 (2005);
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書評
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外科 67巻10号, 1184-1184 (2005);
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