Volume 68,
Issue 11,
2006
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特集【最新 血管疾患の診断・治療】
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外科 68巻11号, 1241-1250 (2006);
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血管疾患の診断に画像診断は必須であるが,近年の非(低)侵襲的診断法の進歩には目を見張るものがある.なかでもマルチスライスCT を用いることで,短時間で広範囲の空間分解能に優れた画像情報を得ることが可能になり,さらに高分解能なCT血管造影像から病変を3次元的に評価しうるようになった.この結果,CT の役割は治療戦略決定のための手段へとパラダイムシフトしつつあり,今後さらに重要性を増すものと考えられる.
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I.診断
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外科 68巻11号, 1251-1258 (2006);
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末梢血管疾患においては生体の代償機構により単独の検査のみでは診断や重症度の把握が困難な場合がある.より正確な評価のためには,個々の疾患の病態および検査法を正確に理解し,適切な検査法を数種組み合せて施行することが要求される.本稿では血管疾患の診断,評価に必要な機能的診断法の特質について示すとともに,疾患ごとに必要な負荷法や疾患における検査の意義について述べた.
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II.治療
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外科 68巻11号, 1259-1265 (2006);
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頸動脈狭窄は脳梗塞の重要なリスクファクターである.狭窄が強い場合は内科治療単独では脳梗塞を十分に予防できないため,狭窄部に対する局所的な治療が必要とされる.現在,頸動脈狭窄に対する治療には狭窄部の肥厚した内膜を摘除する外科治療(頸動脈内膜剥離術)と,狭窄部をバルーンカテーテルで拡張した後にステントを留置する血管内治療(頸動脈ステント留置術)がある.血管内治療は低侵襲治療として出現するも,手技中の脳梗塞リスクが高かった.しかし,プロテクションデバイスが導入されて大幅に治療リスクが減少し,ここ数年で外科治療と同等の効果を同等のリスクで,より低侵襲に行いえる治療に変身した.いまだ両者の優劣を決定するエビデンスは確立されていないが,海外で複数の臨床試験が進行中である.
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外科 68巻11号, 1266-1270 (2006);
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腹部大動脈瘤手術例数は著しく増加しつつあり,血管外科手術件数の主要部分を占めている.外科的手術成績は良好で,病院死亡率は破裂例を含めても2 〜 3%以下となっている.開腹あるいは腹膜外到達法での手術侵襲は,場合により局所麻酔下で鼠径部の小切開により行われるステントグラフトによる血管内治療の低侵襲性に及ぶべくもないが,血管内治療は形態学的制約や長期にわたる観察が必要であり,通常の危険度を有する症例では外科的治療が推奨されている.
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外科 68巻11号, 1271-1277 (2006);
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下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する治療に血管内治療・血管新生療法などの新しい選択肢が従来の血行再建術に加わり,ASO に対する治療が多様化してきた.よりよい治療成果を望み,世界的規模での診断・治療の標準化が提唱され2000 年にManagement of Peripheral Arterial Disease TransAtlantic Inter-Society Consensus (TASC)が発表された.ASO の治療に携わる血管外科を中心に各科の医師がこの指針に沿って診断治療にあたることにより,一定水準以上の治療レベルが保たれ,各治療法の成績もより良好になると考えられる.近日中にTASC の改定版がTASC II として発表されることになっており,今後のASO の診断・治療に役立つものと考えられる.
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外科 68巻11号, 1278-1283 (2006);
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糖尿病の増加に伴い,重症虚血肢に対する末梢バイパスの占める割合も増えている.以前は成績不良とされた膝下膝窩動脈以下の血行再建も,病態の的確な把握,ターゲットとなる宿主動脈の確実な露出,狭窄をつくらない確実な吻合などの工夫を行えば,グラフトの長期開存および高い救肢率が期待できる.本稿では,nondissection method を中心に,末梢バイパスの実際とその留意点につき述べることとする.
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外科 68巻11号, 1284-1290 (2006);
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透析患者の重症虚血肢の生命予後は不良とされ,はじめから切断されることが多いが,その予後はQOL が低く悲惨な最期になる.自力歩行可能なように踵を温存し,心・脳血管疾患の治療を確実に行うことにより活動的生命予後が得られる.全身動脈硬化症患者に必要な術前検査,手術適応の考え方,足関節以下へのバイパス手術法,術後創管理法,組織欠損部に対する遊離筋皮弁移植法など,総合的治療方針について述べた.
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外科 68巻11号, 1291-1297 (2006);
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伏在型の下肢静脈瘤における治療は,1990 年代後半の伏在静脈閉塞治療の臨床導入により「切らずに治す」時代が訪れた.その一つである血管内レーザー治療は,エコーガイド下TLA(tumescent local anesthesia)麻酔法で行われ,日帰りが可能である.また,この麻酔法を応用した局麻下ストリッピング術も可能となり,施設の体制が十分整えば,入院を必要としない安全な日帰り治療として確立しえるものであると思われる.
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外科 68巻11号, 1298-1302 (2006);
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現在まで,循環器内科医や心臓血管外科医が中心となり,施設ごとに静脈血栓塞栓症の予防が行われてきた.しかし,近年肺梗塞の増加に伴い,深部静脈血栓塞栓症予防の重要性が高まってきた.そこで本邦でも,その関連学会を中心に,静脈血栓塞栓症に対する予防および治療のガイドラインが作成され,多くの施設で臨床応用されるようになってきた.今回,そのガイドラインの目的,有効性および現時点における問題点などを報告する.
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外科 68巻11号, 1303-1308 (2006);
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下大静脈フィルター留置は,今や肺塞栓症(PE)予防に不可欠な治療法になっている.永久留置型フィルターに加え,数年前から一時留置型フィルターの使用が可能となり,適応および治療体系も変化しつつある.一時留置型フィルターは永久型フィルターでみられたいくつかの問題点を克服するために開発されたが,いまだそのエビデンスは少なく,適応,挿入抜去方法など今後の検討が必要である.
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外科 68巻11号, 1309-1313 (2006);
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重症虚血肢に対する第一選択の治療は侵襲治療(血管内治療および血行再建術)であるが,侵襲治療が困難な症例や,適応にならない症例については将来的に下肢切断にいたる可能性が高く,新しい治療法が望まれる.血管新生を誘導することにより血流改善を促す血管新生療法(therapeutic angiogenesis)は重症虚血肢や虚血性心疾患に対する新しい治療法として臨床応用されるようになってきた.本稿では,末梢動脈閉塞症(PAD)に対する血管新生療法として現在実際に臨床応用されている細胞移植法と遺伝子治療について解説する.
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臨床と研究
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外科 68巻11号, 1314-1324 (2006);
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臨床経験
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外科 68巻11号, 1325-1329 (2006);
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症例
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外科 68巻11号, 1330-1332 (2006);
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外科 68巻11号, 1333-1337 (2006);
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外科 68巻11号, 1338-1341 (2006);
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外科 68巻11号, 1342-1345 (2006);
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外科 68巻11号, 1346-1349 (2006);
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外科 68巻11号, 1350-1354 (2006);
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外科 68巻11号, 1355-1358 (2006);
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外科 68巻11号, 1359-1362 (2006);
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