Volume 78,
Issue 13,
2016
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特集【直腸癌局所再発に対する治療】
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外科 78巻13号, 1449-1452 (2016);
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直腸癌局所再発の診断においては早期診断と進展範囲の特定が困難であったが,診断の進歩により骨盤内浸潤形式(再発形式)の診断が可能になりつつある.治療方針に関しては,根治が期待できるのは現状では根治的切除のみであり,その変遷として仙骨〜下部骨盤合併切除を伴う拡大手術から始まり,現在では仙骨合併骨盤内臓全摘術などが安全に行われている.また,集学的外科治療,重粒子線治療ならびに緩和医療も有効な治療としての変遷がみられる.
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外科 78巻13号, 1453-1458 (2016);
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直腸癌局所再発の診断は,主に大腸内視鏡,CT,MRI,FDG─PETなどの画像診断で行われる.再発に対してもっとも治療効果が期待できるのはR0外科的切除であり,治療方針決定のために画像診断に求められることは,R0切除が可能か否かの評価である.直腸癌局所再発に対する手術は侵襲が大きく,非根治切除例の予後は不良であることから,術前画像診断にて再発形式および進展範囲を正確に評価し手術適応を決定することが重要である.
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外科 78巻13号, 1459-1466 (2016);
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直腸癌局所再発に対して,唯一根治が期待できる治療は外科的な完全切除(R0)であるが,多くが骨盤全摘や仙骨合併切除などの過大な侵襲を伴う手術が必要となり,生活の質(QOL)の観点からも術前にR0切除が期待できるような症例でなければ手術を行うべきではない.集学的治療の恩恵もR0切除を得てこそ期待されるが,そのためには治癒切除率を上げ,術後の遠隔転移を抑制するという二つの目的をかなえる必要がある.術前画像を利用した統一的な診断基準の確立によって,術前からの集学的治療戦略立案が可能となり,R0切除率を高め,術後骨盤死腔炎などの術後合併症の発生を減じることで,さらなる治療成績の向上が期待される.
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外科 78巻13号, 1467-1473 (2016);
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直腸癌は結腸癌に比して局所再発率が高く,また再発病巣は生活の質(QOL)の低下を招く随伴症状をきたすことが多い.現時点では根治療法となりうるのは外科的R0切除だけであるが,骨性骨盤の合併切除を要する症例も少なくない.当科では直腸癌局所再発に対する外科的切除に積極的に取り組んできた.本稿では局所再発直腸癌に対する骨性骨盤合併切除の基本術式である仙骨合併骨盤内臓全摘術について,手術手技を中心に述べる.
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外科 78巻13号, 1474-1478 (2016);
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直腸癌局所再発に対する腹腔鏡下骨盤内臓全摘術は,初回手術の瘢痕により明瞭な剝離層が失われていることが多く,原発性直腸癌に対する骨盤内臓全摘術より難度が高い手術である.一方で,腹腔鏡下の鮮明な拡大視野は,精緻で出血の少ない手術を行ううえで,局所再発に対する手術でも有用な場面が多いと考えられる.本稿では,直腸癌局所再発に対する腹腔鏡下骨盤内臓全摘術の手技の実際について概説する.
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外科 78巻13号, 1479-1485 (2016);
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直腸癌局所再発に対して根治が期待できる唯一の治療手段は外科切除であるが,その治療成績は十分とはいえない.集学的治療として術前化学療法が施行されることがあるが,その治療効果は明らかではない.術前化学放射線療法はある一定の局所制御力を有する可能性がある.直腸癌局所再発に対する外科治療の成績向上のためには,質の高いデータによる科学的検討が必須である.
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外科 78巻13号, 1486-1492 (2016);
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直腸癌局所再発に対する外科的治療は考慮すべき治療法の一つであるが,侵襲の大きい拡大手術となる場合が多く,術後合併症のマネジメントなど留意すべき点が多い治療法である.手術成績に影響するもっとも大きな因子はR0切除であるが,R0切除が施行できたとしても術後成績は決して良好とはいえない.治療成績の向上には術前放射線化学療法など集学的治療が重要であると考えられる.筆者らの施設で,これまでに施行してきた治療戦略の変遷と術前放射線化学療法について概説する.
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外科 78巻13号, 1493-1496 (2016);
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直腸癌の局所再発時の症状として,主に疼痛,腫瘍出血,腫瘍の圧迫による通過障害,神経症状などがあげられる.これらの症状は患者の生活の質(quality of life:QOL)を著しく損なうため,症状緩和が得られる放射線治療の意義は大きい.直腸癌の局所再発に対するX線による放射線治療は,適応可能な症例の範囲が広く,多くの局面で集学的治療の一翼を担っている.
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外科 78巻13号, 1497-1501 (2016);
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重粒子線は陽子線のシャープな線量分布に加えて,強力な殺細胞効果を有する放射線である.この特性により腫瘍周囲にある放射線感受性の高い臓器を避け,従来X 線に抵抗性であった腫瘍にも高い抗腫瘍効果を示す「より強く,より優しい」放射線治療である.放射線医学総合研究所(放医研)では,2001 年4 月から直腸癌術後再発に対する重粒子線治療を開始した.現行の線量での治療例197例の解析では,5年局所制御率は89 %,5年生存率は52 %と切除成績に匹敵するものであった.また,X線照射後の骨盤内局所再発に対する再照射として重粒子線治療を62 例に施行した.有害事象の発生は初回重粒子線治療例よりも多い傾向にあるが,5年局所制御率87. 2 %,5 年生存率43. 9 %であり良好な成績であった.重粒子線治療はすでにX線治療後の症例に対しても有効な治療手段であることが示された.
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外科 78巻13号, 1502-1508 (2016);
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切除不能直腸癌局所再発に対する重粒子線治療は,その治療効果の高さから新たな治療戦略として注目されている.しかし,局所再発巣の周囲に腸管が接していたり,浸潤している場合,重粒子線治療を行うと腸管穿孔の危険性が高まる.そこで局所再発巣と腸管の間に一定の距離を保つため,スペーサーの挿入を行う.大網などの自己組織を用いる場合とGore─Texシート(日本ゴアテックス社)のような人工物を挿入する場合がある.術後のイレウス,感染の危険性がやや高く,適応を十分に吟味して,慎重に行うべき手術である.また,人工物を挿入した場合に,長期間時間が経った場合に腸管などに迷入する場合もあり,その抜去を含めて,十分なインフォームド・コンセントのもとに実施すべきである.
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症例
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外科 78巻13号, 1509-1512 (2016);
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外科 78巻13号, 1513-1517 (2016);
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外科 78巻13号, 1518-1521 (2016);
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外科 78巻13号, 1522-1524 (2016);
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外科 78巻13号, 1525-1529 (2016);
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外科 78巻13号, 1531-1534 (2016);
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外科 78巻13号, 1535-1539 (2016);
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外科 78巻13号, 1540-1544 (2016);
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外科 78巻13号, 1545-1549 (2016);
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外科 78巻13号, 1550-1554 (2016);
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外科 78巻13号, 1555-1560 (2016);
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書評
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外科 78巻13号, 1530-1530 (2016);
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