Volume 80,
Issue 10,
2018
-
特集【エビデンスからみた治療リスクの評価】
-
-
Source:
外科 80巻10号, 993-997 (2018);
View Description
Hide Description
食道癌診療においては,疫学的因子,臓器の解剖学的特性,リンパ節転移傾向,低栄養,手術の高度侵襲性などによるリスクがあり,腫瘍進行度とリスク評価をもとにした治療戦略の立案が需要である.本稿では,全身および主要臓器の評価について述べ,また,National Clinical Database(NCD)システムのフィードバック機能risk calculatorによる個々の症例のリスクの算出についても概説する.
-
Source:
外科 80巻10号, 998-1002 (2018);
View Description
Hide Description
食道癌手術は侵襲の高い手術であり,高齢者,喫煙および飲酒の影響で,術前合併症を有する症例が多い.ハイリスク症例の要因をあげたうえで,術前から推奨される一般的な予防策,呼吸,循環,栄養,糖尿病,せん妄,肝疾患合併疾患についての対策をまとめた.予防策と周術期を通してのチームでの早い対応が重要である.
-
Source:
外科 80巻10号, 1003-1007 (2018);
View Description
Hide Description
近年,増加傾向にある高齢者や重篤な併存疾患を有するハイリスク胃癌症例においては,個々の症例に応じたリスク評価のもとに最適な治療選択を行うことが肝要である.リスク評価のツールとして,本邦ではNational Clinical Database(NCD)のビッグデータを利用したrisk calculator をはじめ,E-PASS などの包括的なスコアリングシステムも開発されてきた.適切なリスク評価のもとでの治療適応の決定や治療法選択が,今後の胃癌治療の成績や患者の生活の質(QOL)の向上につながると思われる.
-
Source:
外科 80巻10号, 1008-1011 (2018);
View Description
Hide Description
胃癌手術においても,個々の症例の術前リスク評価を適切に行い,術後合併症発生を予防する必要がある.特に,最近では80 歳以上の高齢者手術症例が増加し,併存疾患の多さから,術前準備にも時間を要することもまれでない.本邦ではNational ClinicalDatabase(NCD)のデータ解析からリスクカリキュレータが開発され,大いに活用すべきと考える.また,周術期管理センターを立ち上げ,多職種により多方面から管理を行うことがチーム医療の意義を最大限に発揮でき,術後合併症発生予防に重要と考える.
-
Source:
外科 80巻10号, 1012-1017 (2018);
View Description
Hide Description
直腸癌に対する治療法は,切除可能であれば原則手術である.しかし,人工肛門を含めた排便障害や,排尿・性機能障害などの手術治療に起因する後遺症が術後の生活の質(QOL)に与える影響は大きく,癌に対する根治性と術後のQOL のバランスを十分吟味する必要がある.また,化学放射線療法などの集学的治療や,ロボット支援手術を含めた腹腔鏡手術の長所,短所を理解し,根治性およびQOL の向上への取り組みも重要である.
-
Source:
外科 80巻10号, 1018-1022 (2018);
View Description
Hide Description
直腸癌手術はいまだにやや術後合併症の多い術式であり対策が必要である.縫合不全対策の手技として,左結腸動脈温存,脾彎曲授動,自動縫合器や吻合器の選択,一時的人工肛門造設やインドシアニングリーン(ICG)血流評価などがあげられる.創感染に対する腸管の機械的前処置の効果には統一見解がなく,今後の検討がまたれる.術後イレウスには早期離床などのリハビリテーションが一般的である.いずれの合併症予防も多角的に取り組むべきものである.
-
Source:
外科 80巻10号, 1023-1026 (2018);
View Description
Hide Description
肝癌治療において外科的切除は重要な位置を占めるが,そのリスクは決して低くなく,しばしば重篤な合併症を伴い致死的となる.肝切除後の合併症発症に関するリスクファクターとしては,患者因子・腫瘍因子・手術因子・術後因子に大別され,患者因子としては肝予備能・加齢・栄養状態・サルコぺニア・術前合併症など,腫瘍因子としては腫瘍径・脈管浸潤・胆管浸潤など,手術因子としては肝切除量・術中出血量・胆道再建の有無など,術後因子としては感染・胆汁漏・腹腔内膿瘍の存在などがあげられる.これらの因子は複雑に関連して高ビリルビン血症や肝不全などのさらなる重篤な合併症を引き起こすため,それぞれの患者のリスクを的確に把握して手術適応決定・術式選択・周術期管理を慎重に行うことが肝切除術の安全性を高めるために重要である.
-
Source:
外科 80巻10号, 1027-1030 (2018);
View Description
Hide Description
肝細胞癌特有の手術リスクとしては,背景肝の因子,腫瘍の因子,手術の因子に分けられる.背景肝の因子としては肝予備能,門脈圧亢進症,腫瘍因子としては門脈侵襲,静脈侵襲,胆管侵襲といった脈管侵襲が主要脈管に及んでいる場合,手術の因子としては肝切除率の術前評価や,腫瘍の主座,大きさにより胆汁漏,大量出血の可能性がある場合などがあげられる.いずれの場合も重要なことは,リスクとなりうる因子をあらかじめ認識し,その対策を準備しておくことである.
-
Source:
外科 80巻10号, 1031-1034 (2018);
View Description
Hide Description
膵癌の治療法は画像所見に基づいた切除可能性分類に従って選択されるのが一般的であり, 膵癌診療ガイドラインやNational Comprehensive Cancer Network(NCCN)ガイドラインでは,切除可能性分類に従った治療アルゴリズムが呈示されている.患者個々によって治療リスクは異なるため,患者個々でリスク評価を行い,リスクに応じた治療法の選択も必要である.National Clinical Database(NCD)ではフィードバック機能としてrisk calculator をユーザーへ提供している.Risk calculator では,膵頭十二指腸切除の術後30 日死亡予測発生率,手術関連死亡予測発生率,Clavien-DindoGrade Ⅳ以上予測発生率,膵液瘻グレードC 予測発生率を求めることができ,日常診療の参考に利活用することができる.
-
Source:
外科 80巻10号, 1035-1038 (2018);
View Description
Hide Description
術前治療が必要な閉塞性黄疸発症を伴う膵頭部癌に対しては,術後感染性合併症予防目的に,胆道メタリックステントを挿入する.呼吸器合併症予防を目的に近年の新しい観察項目を用いた術中輸液方針や術前のプレハビリテーションを行い,さらに内臓過多症例には栄養療法・減量も行う.術後の門脈狭窄ハイリスク群に対しては静脈グラフト置換を選択するなど,膵癌外科合併症を予防することで,より安全な膵臓周術期管理を試みている.
-
臨床経験
-
-
Source:
外科 80巻10号, 1039-1043 (2018);
View Description
Hide Description
-
症例
-
-
Source:
外科 80巻10号, 1044-1047 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1048-1051 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1052-1056 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1057-1059 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1060-1064 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1065-1069 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1070-1073 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1074-1077 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1078-1081 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1082-1086 (2018);
View Description
Hide Description
-
Source:
外科 80巻10号, 1087-1090 (2018);
View Description
Hide Description