Volume 80,
Issue 11,
2018
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特集【術前・術中イメージングの最先端】
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Ⅰ.総論
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外科 80巻11号, 1093-1097 (2018);
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「蛍光ガイド手術」は,術中蛍光イメージングを用いて肉眼では認識しにくい生体構造・機能をリアルタイムに描出し,切除・再建操作の正確性向上をめざした手術,と定義できる.術前シミュレーションの画像情報を術野に投影するアプローチと合わせ,「手術ナビゲーション」の中核を担う技術として今後の発展が期待されている.
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Ⅱ.各論
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外科 80巻11号, 1098-1102 (2018);
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内視鏡機器による画像強調観察(equipment-based-image enhanced endoscopy:E-IEE)は,現在の内視鏡診断において欠かせないものとなっている.スクリーニングによる早期癌の拾い上げのほか,拡大観察を加えて行うことにより,より精度の高い診断が可能となる.食道においては,E-IEE を用いることにより,ヨード染色より簡便に表在癌を拾い上げ,また拡大観察を組み合わせることにより,詳細な深達度診断を行うことが可能である.胃では,白色光で鑑別のむずかしいような病変であっても,E-IEE と拡大観察を併用することにより,正確な範囲診断,さらには病変の質的診断にも寄与している.
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外科 80巻11号, 1103-1108 (2018);
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消化管手術におけるナビゲーションは,実質臓器に比べて普及していない.その理由として,術前画像を元に作成したナビゲーション画像と,容易に変形する消化管の術中イメージの乖離があげられる.われわれは臓器変形に対応可能なソフトウェアを開発し,腹腔鏡下胃切除の術野を再現することに成功し,実際の術野映像に投影する拡張現実ナビゲーションを試みている.また,CT で検出できない微細解剖も腹腔鏡の拡大視野では認識できるため,アノテーションを併用して補完する方法も開発している.
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外科 80巻11号, 1109-1114 (2018);
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大腸腫瘍の治療方針の決定には,正確な内視鏡診断が求められる.そのため,pit pattern 診断学が確立され,広く普及した.そして,超拡大内視鏡(endocytoscopy:EC)が開発され,病理組織診断に匹敵する画像が取得可能となり内視鏡診断の精度がさらに向上した.また,人工知能(AI)と併用することで病変の自動診断が可能となりつつあり,未来を担う医療として臨床応用が期待される.
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外科 80巻11号, 1115-1120 (2018);
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直腸癌手術は腫瘍の位置や大きさに影響されやすく,根治性を保ちつつ,泌尿生殖器系の機能温存とのバランスを保つために詳細な局所の術前評価が必要となる.MRIは,軟部組織コントラストの分解能に優れており,骨盤内の筋肉や泌尿生殖器系臓器に囲まれた直腸癌の検査ではCT と比較しても非常に有用である.本稿ではMRI を用いた直腸癌術前シミュレーションに関して解説する.
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外科 80巻11号, 1121-1124 (2018);
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肝切除術の三次元シミュレーションを施行することにより,術前に腫瘍の局在や血管解剖を把握し,正確な肝容積計測に基づいた切除範囲の設定を行うことができる.肝切除術の安全性を高めるために三次元シミュレーションは重要な役割を担っており,開腹肝切除術や生体肝移植のみならず,腹腔鏡下肝切除術においても,その有用性はかわらない.今後,三次元シミュレーションのさらなる普及と,新しい手術支援画像への発展が期待される.
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外科 80巻11号, 1125-1127 (2018);
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インドシアニングリーン(ICG)を用いた胃癌におけるセンチネルリンパ節(SN)の検出は,肉眼的な色素法では良好な成績が得られなかったが,赤外線カメラを使用した方法で良好な成績が期待されている.本稿では特に,ICG 蛍光法において,蛍光強度の強いリンパ節を選択する方法について概説する.現在のところ,異なる蛍光カメラでの複数の検討において,手術前日に,50 μg/ml に薄めたICG を0.5 ml ずつ4 ヵ所粘膜下注射する方法がよいことが報告されている.この投与条件において,明視野・カラー蛍光カメラを用いてsentinel basin をroom light 下に観察すると,暗く,二次リンパ節と思われる蛍光がみえにくくなり,明るいSN の検出が容易になる利点がある.ICG 蛍光法の信頼性を検証するために,さらなる症例の集積や報告の集積が必要である.
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外科 80巻11号, 1128-1133 (2018);
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腹膜播種は胃癌において頻度の高い転移形式であり,その診断に審査腹腔鏡検査が実施される.本稿では,審査腹腔鏡検査の診断精度向上に向けて当科で取り組んでいる5-アミノレブリン酸を用いた光線力学診断について,その有用性と臨床開発の経緯について概説する.また,新たな播種診断のモダリティとして,共焦点レーザー顕微内視鏡を用いた微小腹膜播種病変に対するoptical biopsyの可能性について,合わせて紹介する.
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外科 80巻11号, 1135-1140 (2018);
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生体内の脈管情報は,インドシアニングリーン(ICG)を静脈内に投与し,組織中に分布したICG が発する蛍光を赤外観察カメラで観察することにより再現性をもって簡便に可視化されるようになった.この特性を利用した蛍光イメージング(ICG 蛍光法)は,大腸外科領域において術中に再建腸管の血流をリアルタイムに評価する客観的手法として注目されている.このような蛍光イメージング技術は,大腸外科領域の術後合併症を減らす有望な手法として期待されている.
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外科 80巻11号, 1141-1149 (2018);
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肝癌患者において,適切な外科治療の計画を立てるうえで早期病変や微小転移を正確に同定することが不可欠である.しかしながら,超音波やCT,MRI などの画像診断法ではより高い空間分解能を必要とする小病変の同定が困難である.近年,術中の蛍光イメージングを用いた光線力学的診断法がより安全で精度の高い術中診断法として注目されている.本稿では,われわれが行っている肝切除術中インドシアニングリーン(ICG)および5-アミノレブリン酸(5-ALA)蛍光イメージング併用による肝癌同定法とその結果について概説する.
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外科 80巻11号, 1150-1155 (2018);
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インドシアニングリーン(ICG)を蛍光源として用いた蛍光イメージングの肝胆道手術・肝移植への臨床応用は,2006 年から報告がみられる.その後肝腫瘍の同定,胆道造影,血管再建後の開存度評価,門脈領域の同定と解剖学的切除への応用,肝切除後・肝移植後の肝臓への血液還流量の評価,肝静脈領域の同定と手術中のナビゲーションとしての有用性が幅広く報告されている.蛍光胆道造影としての有用性が認知されてきたのは2009 年ごろからであり,それから約10 年経過した現在では世界中から本法の有用性が報告され,数社から開腹・腹腔鏡用ともに赤外観察カメラが発売されるにいたっている.蛍光胆道造影の際にもっとも汎用されるICG の投与方法は手術室でのICG 静脈注射である(およそ観察の30~60 分前投与).ICG 静脈注射による胆道造影は簡便な反面,肝臓など背景組織の蛍光により胆管の蛍光が目立ちづらいという問題点があった.同法による問題点を改善する工夫として,ICG を手術当日ではなく前日に静脈注射する方法は有用である.またドレナージ目的にあらかじめチューブが挿入されている場合には静脈注射ではなく,ICG を胆道に注入することで背景の蛍光を抑えることが可能となり胆管の蛍光を認識しやすくなる.従来の白黒表示による赤外観察カメラのみでなく,カラー画像の背景に蛍光を重畳表示することが可能な機器のラインナップも増えてきており,今後も蛍光イメージングによるナビゲーションが手術中の問題点を解決する一つの手段として発展していくことが期待される.
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連載
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外科 80巻11号, 1157-1160 (2018);
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症例
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外科 80巻11号, 1161-1165 (2018);
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外科 80巻11号, 1166-1170 (2018);
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外科 80巻11号, 1171-1174 (2018);
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外科 80巻11号, 1175-1178 (2018);
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外科 80巻11号, 1179-1182 (2018);
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外科 80巻11号, 1183-1186 (2018);
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外科 80巻11号, 1187-1190 (2018);
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書評
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外科 80巻11号, 1134-1134 (2018);
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外科 80巻11号, 1156-1156 (2018);
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