Volume 134,
Issue 5,
2024
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目次
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内科 134巻5号, 984-985 (2024);
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特集【炎症性腸疾患update】
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内科 134巻5号, 987-987 (2024);
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[Chapter 1]IBDの病態・診断・病勢評価のupdate
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内科 134巻5号, 988-991 (2024);
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食事や喫煙などの生活スタイルの変化により増え続ける炎症性腸疾患(IBD).IBD の発症において腸内細菌は疾患感受性遺伝子と環境要因をつなぐキ-プレイヤ-である.潰瘍性大腸炎(UC)発症の数年前から特異的自己抗体は出現している.
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内科 134巻5号, 992-997 (2024);
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潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn 病(CD)は近年患者数が増加しており,診療機会の増加が予想される.UC は20 歳代など若年層に発症ピ-クがあるが,小児・高齢発症も増加していることに留意する.持続性・反復性の粘血便の確認と,大腸粘膜の評価・生検による組織学的評価目的の下部内視鏡検査がUC の診断には必要である.CD は口腔~肛門に多彩な消化管症状を呈する一方で,腹痛・下痢などの腹部症状を呈さない患者が一定数いることに注意する.注腸X線検査でも縦走潰瘍や敷石像の確認はできるが,病変の好発部位である終末回腸の直接観察や生検が可能な下部内視鏡検査を考慮する.診断に苦慮する場合は専門施設や紹介を検討し,可及的速やかに診断・治療につなげることが肝要である.
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内科 134巻5号, 998-1004 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)の内視鏡診断は病変の分布が重要である.IBD は必ずしも典型的な内視鏡画像を呈するものばかりではない.潰瘍性大腸炎(UC)は感染性腸炎の鑑別が重要である.Crohn 病(CD)は比較的まれな疾患が鑑別にあがるが知らないと鑑別できない.
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内科 134巻5号, 1005-1010 (2024);
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現在の炎症性腸疾患(IBD)の治療では,treat‒to‒target(T2T)を実践することが推奨されており,臨床症状の改善が短期目標に掲げられている.IBDの臨床的疾患活動性にはさまざまな指標が存在する.代表的なものには潰瘍性大腸炎(UC)における難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班の重症度分類やMayo score,Crohn 病(CD)におけるCrohn’s Disease Activity Index(CDAI)やHarvey‒Bradshaw Index(HBI)がある.内視鏡所見などの客観的な評価と合わせて,医療者側の評価によらない患者の視点による臨床症状の評価(PRO)が重視されるようになってきている.
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内科 134巻5号, 1011-1016 (2024);
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潰瘍性大腸炎(UC),Crohn 病(CD)ともに粘膜治癒が治療目標であり,粘膜治癒に達するとその後の臨床経過は良好である.UC の粘膜評価法はMayo Endoscopic Subscore(MES)が一般的である.MES で粘膜治癒と診断されるMES 0 においてもその後の経過で一定数再燃を認めるため,MES 0 の粘膜をさらに細分化して診断するために画像強調システム(IEE)を用いた診断が臨床応用されている.CD の粘膜評価法はSimple Endoscopic Score for CD(SES‒CD)が一般的である.SES‒CD は小腸の病変に対する評価が不十分であり,カプセル内視鏡や小腸内視鏡を用いた新たな診断法が開発されている.
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内科 134巻5号, 1017-1020 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)の長期予後改善のため,画像検査による疾患活動性モニタリングが必須である.その画像評価法として腸管超音波(IUS),CTE,MRE といったcross‒sectional imaging(CSI)の重要性が増してきている.各モダリティにはメリット,デメリットがあり,相補的な側面もあるため,これらを組み合わせることで最適なIBD 診療が可能となる.IUS は,安価で非侵襲的,容易に利用できる忍容性の高い検査法であり,腸管前処置や造影剤を必要とせず,ポイント・オブ・ケアで実施できる.CTE は,Crohn 病(CD)における小腸疾患の進展や合併症の検出において高い精度を有することが証明されているが,放射線被曝の問題からその使用には限界がある.MRE は,現在CD における小腸病変と合併症の評価に推奨されている検査法であり,内視鏡に代わる可能性が示唆されている.
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内科 134巻5号, 1021-1025 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)の診療にあたりバイオマ-カ-が活動性の評価に有用である.本邦においてバイオマ-カ-は血液バイオマ-カ-のC‒reactive protein (CRP)とleucine‒richα2‒glycoprotein(LRG),便中バイオマ-カ-の便中カルプロテクチンおよび免疫学的便潜血検査(FIT),尿中バイオマ-カ-の尿中プロスタグランジン主要代謝産物(PGE‒MUM)が用いられる.それぞれのバイオマ-カ-は臨床的および内視鏡的活動性を反映するとされているが,潰瘍性大腸炎(UC)またはCrohn 病(CD)での有用性の違いや,検体の取り扱いなどの観点で差異があり,どのバイオマ-カ-を用いるか適切な選択が求められる.
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内科 134巻5号, 1026-1030 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)とnon‒IBD の鑑別に重要な所見は ① 陰窩の萎縮,② 陰窩の捻れ,③ 高度単核細胞浸潤を伴うbasal plasmacytosis,④ 肝弯曲部より肛門側でのPaneth 細胞化生である.潰瘍性大腸炎(UC)の組織学的活動性評価スコアとして使用が推奨されているのはGeboes Score,Nancy Histological Index,Robarts Histopathology Index の三つである.組織学的寛解の指標として ① 好中球の消失,② basal plasmacytosis の消失と正常範囲の形質細胞数,③ 正常範囲の好酸球数があげられているが,好酸球の評価については議論がある.浸潤する炎症細胞の種類によって治療薬の効果予測が可能となる可能性がある.
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[Chapter 2]IBD治療のupdate
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内科 134巻5号, 1031-1035 (2024);
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潰瘍性大腸炎(UC)の初期治療は,原則として病変範囲や重症度に応じて選択されるため,直腸炎型には局所製剤を,左側大腸炎型や全大腸炎型は経口薬を選択するが,最初のステップとしてはいずれの場合においても5‒アミノサリチル酸(5‒ASA)製剤が標準的である.5‒ASA 製剤は寛解導入期から寛解維持期まで使用できる薬剤であるが,5‒ASA不耐例の増加が指摘されているため,投与後間もなく症状増悪をきたす症例に対しては5‒ASA 不耐も念頭に置くべきである.5‒ASA 製剤の次のステップはステロイド製剤であるが,近年budesonide 局所/経口製剤といったバイオアベイラビリティの低いステロイド製剤や経口インテグリン阻害薬であるcarotegrast methyl が登場しており,UC 初期治療における薬剤選択の幅は広がりをみせている.
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内科 134巻5号, 1036-1040 (2024);
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ステロイドの作用にはグルココルチコイド作用とミネラルコルチコイド作用がある.初期投与量は30 mg/日以上の十分量を用い,3 ヵ月以内の離脱を目指す.潰瘍性大腸炎(UC)の治療薬選択には罹患範囲と重症度判定が必須である.中等症ではprednisolone 1 日30~40 mg の経口投与を行う.重症の成人例では水様性prednisolone を1 日40~80 mg の間で点滴静注する.難治性UC にはステロイド抵抗例とステロイド依存例がある.ステロイド使用中には,感染症だけでなく副腎不全に対しても注意が必要である.
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内科 134巻5号, 1042-1049 (2024);
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ステロイド依存例の治療としてazathioprine の使用を検討する.ステロイド後の潰瘍性大腸炎(UC)治療薬選択には明確なエビデンスはなく,治療薬の特性や患者背景のさまざまな因子を考慮に入れ,患者と医療者で情報を共有しつつ治療意思決定を共有していくプロセス(SDM)が重要である.重症の難治性UC の治療ではinfliximab(IFX),カルシニュ-リン阻害薬,upadacitinib(UPA)の使用を考慮する.安全性を重視する軽症よりの症例や高齢者においては,抗IL‒12/23 抗体製剤,抗IL‒12 抗体製剤,インテグリン阻害薬の使用を考慮する.罹病期間,病理像や,並存症などから背景にあるサイトカインプロファイルを推測することが治療選択に役立つことがある.
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内科 134巻5号, 1050-1054 (2024);
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潰瘍性大腸炎(UC)の罹病期間が長くなるほどUC 関連がんの発症リスクが上がるため,定期的なサ-ベイランスおよび注意深い内視鏡観察が必要である.内視鏡観察には白色光のみならず,色素散布や画像強調観察を併用してより早期のdysplasia の段階で発見することが求められる.内視鏡切除の適応は,病変の境界が明瞭かつ周囲の粘膜からdysplasia が検出されない一括切除可能なlow grade dysplasia である.内視鏡や生検による組織診断でdysplasia の散発性病変との鑑別や異型度診断が確定できない病変には,診断的治療目的の内視鏡切除が選択肢となる.単発で切除検体がlow grade dysplasia と診断された場合は,大腸温存のもとサ-ベイランスを継続することも許容される.
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内科 134巻5号, 1056-1064 (2024);
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Crohn 病(CD)は狭窄,瘻孔,膿瘍形成といった器質的障害から腸管切除に至り複数回の切除は腸管機能障害を引き起こす可能性がある.長期予後改善のため粘膜治癒や全層性治癒(transmural healing)といった治療目標に対してより積極的にtreat to target ストラテジ-を適応すべき疾患である.近年内科治療は飛躍的な進歩を遂げ選択肢も増加し,またさらなる新薬の開発も多数進んでおり,生物学的製剤やJAK 阻害薬などの分子標的治療薬の導入をためらう必要はなくなってきている.有効性予測マ-カ-や導入する順序に明らかなエビデンスはまだなく,病態とそれぞれの薬剤の特徴を踏まえて選択を行っているのが現状である.
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内科 134巻5号, 1065-1067 (2024);
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Crohn 病(CD)は腸管に全層性の炎症を起こし,しばしば腸管狭窄をきたす.その狭窄は浮腫性と線維性の要素があり,腸閉塞を繰り返すことがある.腸管狭窄に対する小腸,大腸内視鏡によるバル-ン拡張術(EBD)は有用とされ,ガイドラインも整備されている.EBD の適応は,狭窄長が4~5 cm 以内で瘻孔や深い潰瘍を伴わないことがあげられる.治療成績は小腸狭窄の場合,約半数で長期的な外科手術回避が可能であり,生物学的製剤治療がEBD 後の狭窄症状再発予防に効果的である.手術のタイミングはEBD が適応とならない狭窄,EBD 後半年以内の再発時に考慮される.
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内科 134巻5号, 1069-1074 (2024);
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Crohn 病(CD)では肛門病変を合併する症例が多い.内科医も肛門病変を定期的に評価したい.肛門病変には外科治療だけでなく生物学的製剤などの内科治療も重要で,内科外科で連携して治療方針を検討する.肛門病変のがん化に注意する.近年,darvadstrocel による再生医療が可能となった.
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内科 134巻5号, 1076-1080 (2024);
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Crohn 病(CD)消化管外科治療の絶対的手術適応は,(1)穿孔,大量出血,腸閉塞,膿瘍,(2)小腸がん,大腸肛門管がん(痔瘻がん)であり,相対的手術適応は,① 難治性腸管狭窄,② 内瘻,難治性外瘻,③ 小児の成長障害,④ 活動性腸管病変,⑤ 難治性肛門部病変,直腸肛門部病変による排便障害である.手術は小範囲切除術,あるいは限局性の線維性狭窄に対しては狭窄形成術を行う.小腸は可及的に温存する.難治性肛門部病変,直腸肛門狭窄,直腸腟瘻,尿道瘻には直腸切断術を中心とした人工肛門造設術を考慮する.
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[Chapter 3]IBD special situationのupdate
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内科 134巻5号, 1081-1084 (2024);
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小児の潰瘍性大腸炎(UC)は全大腸炎型が多く,中等症以上が成人より多い.小児のCrohn 病(CD)は小腸大腸型が多く,非特異的症状で発症する場合がある.小児炎症性腸疾患(IBD)の診療では成長曲線を用いて体格や成長の推移を確認する.小児は内視鏡検査のハ-ドルが高いため,バイオマ-カ-を活用して診療を進める.栄養療法は成長障害の改善に有効である.薬物療法は成人と同様であるが,小児特有の注意点がある.成人移行支援(トランジション)は早期から計画的に行い,患者のヘルスリテラシ-の獲得を目指す.超早期発症型IBD(VEO‒IBD)は6 歳未満で発症し,遺伝的背景が異なる場合がある.とくに,monogenic IBD は特異な症状を示し,遺伝学的検査や特別な治療が必要な場合がある.
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内科 134巻5号, 1085-1087 (2024);
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本邦で1970 年代から炎症性腸疾患(IBD)発症者が増加し始め,当時若齢で発症した患者も高齢化し,高齢者IBD は増加している.潰瘍性大腸炎(UC)の場合,高齢になってから発症する患者が増加し始め,非高齢発症者よりも不良な臨床経過をたどりやすいことがわかってきた.Crohn 病(CD)はUC に比べれば高齢発症者は少ない.IBD の治療は急激に進歩したが,高齢者では治療に伴う感染症や悪性腫瘍発症のリスクが高く,内科治療の選択に慎重さが必要である.栄養状態指数の低下が高齢者の入院率や手術率と相関することが示され,暦の年齢より身体的フレイルの程度が重要であると考えられつつある.一方で年齢が高くてもフレイルがなく,併存症もない場合は非高齢者と同様の治療方針が薦められる.フレイルや併存症の多い場合は治療ゴ-ルの設定をより低く置き,より安全性の高い薬剤を選択するような柔軟な対応が必要である.
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内科 134巻5号, 1088-1092 (2024);
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IBD 自体は妊孕性に大きな影響を与えないが,活動期のCrohn 病では妊孕性が低下する可能性がある.骨盤内手術歴がある場合,卵管癒着による不妊のリスクが高まるため,手術歴を考慮した治療が必要である.IBD 合併妊娠では,早産や低出生体重児,妊娠高血圧症候群(HDP),胎児発育不全(FGR)などのリスクが増加する.妊娠時の適切な疾患管理と栄養管理が,母体と胎児の健康維持に不可欠であり,葉酸やビタミンK の補充がとくに重要である.IBD 患者の妊娠計画には,産婦人科医とIBD 専門医の連携が重要であり,プレコンセプションケアによる早期対応が求められる.
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内科 134巻5号, 1093-1096 (2024);
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5‒アミノサリチル酸(5‒ASA)製剤は,とくに潰瘍性大腸炎(UC)において,重要な薬剤である.5‒ASA 不耐例が近年,増加傾向にある.5‒ASA 不耐の症状は下痢,発熱,腹痛が多く,おおむね2 週間以内に起こることが多い.5‒ASA 不耐を疑った場合は,5‒ASA 製剤を中止する.5‒ASA 製剤投与前に,患者に対して不耐症状の説明を行っておく必要がある.薬剤リンパ球刺激試験は診断の一助となる.5‒ASA 不耐例は,不耐でない症例に比べ難治の経過をとる可能性がある.
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内科 134巻5号, 1097-1099 (2024);
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回腸囊炎の診断は,Sandborn らが提唱したPouchitis Disease Activity Index (PDAI)に基づき,臨床症状(排便回数,血便,便意切迫感または腹痛,発熱),回腸囊内視鏡所見,組織学的所見の総合評価に基づいて行われる.急性回腸囊炎の治療は,抗菌薬が中心である.慢性回腸囊炎の寛解導入療法として経口ciprofloxacin とmetronidazole の併用療法やrifaximin などの抗菌薬内服や経口budesonide などが,寛解維持療法としてVSL#3 が推奨される.術前にUCと診断された患者の10%で,Crohn 病様の回腸囊炎(CDLPI)を呈する.CDLPI は,瘻孔,回腸囊の口側小腸の炎症や狭窄を特徴とする予後不良な表現型であり,適切な治療介入を必要とする.
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内科 134巻5号, 1100-1105 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)の合併症には,狭窄・瘻孔,消化管がんなどの「腸管合併症」と,関節,皮膚,眼,血管,肝胆膵,腎尿路などに生じる「腸管外合併症(EIM)」がある.関節障害は,炎症を伴わない関節痛と炎症を伴う関節炎に大別されるだけでなく,脊椎や仙腸関節などの体軸関節を主とする関節炎と,四肢などの末梢関節を主とする関節炎が存在する.体軸性・末梢性いずれの脊椎関節炎の治療にも,抗TNF‒α抗体が有用で推奨される.JAK 阻害薬は関節リウマチに有効であるため,脊椎関節炎にも有効である可能性が高いが,十分なエビデンスは存在していない.皮膚障害には,結節性紅斑,壊疽性膿皮症,Sweet 病,抗TNF‒α抗体投与に伴うparadoxical reaction など,多彩な疾患が認められる.
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内科 134巻5号, 1106-1109 (2024);
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炎症性腸疾患(IBD)の治療薬は,5‒アミノサリチル酸(5‒ASA)製剤を除いて免疫抑制効果を有するため,さまざまな感染症の合併に留意する必要がある.免疫抑制療法を開始する前には,B 型肝炎(HBs 抗原だけでなくHBs 抗体とHBc抗体),結核(ツベルクリン反応やIFN‒γ遊離試験),予防に生ワクチンを要するウイルス感染症(麻疹,風疹,ムンプス,水痘)のスクリ-ニングを行う.免疫抑制療法中は,とくに呼吸器感染症(Pneumocystis jirovecii を含む肺炎など),腸管感染症(Clostridioides difficile やサイトメガロウイルス(CMV)など),皮膚感染症(帯状疱疹など)に留意し,必要に応じて予防投与やワクチン接種を考慮する.
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内科 134巻5号, 1111-1114 (2024);
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免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や生物学的製剤などの新規薬剤は,炎症性腸疾患(IBD)に類似した消化管病変を惹起する.ICI は潰瘍性大腸炎(UC)に類似した大腸病変をきたす.重症例は難治性に経過し,腸管穿孔に至ることもあるため,早期診断・早期治療が重要である.抗IL‒17 抗体投与後に小腸・大腸の慢性炎症性病変が発生し,生物学的製剤投与を要することがある.抗IL‒6 抗体により腸管Behçet 病に類似した消化管病変が発生する.
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[Chapter 4]未来のupdate
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内科 134巻5号, 1117-1121 (2024);
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近年,腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)とさまざまな疾患との関連が明らかになっており,dysbiosis の改善を目的とした腸内細菌療法である便移植療法がdysbiosisに関わる疾患に対する根本的治療方法として注目され,幅広く研究が行われている.本邦においても,潰瘍性大腸炎(UC)患者への新しい治療選択肢として期待が高まっている状況であり,2023 年1 月から先進医療B として開始となった.炎症性腸疾患(IBD),とくにUC に対する腸内細菌療法の有効性が報告されており,腸内細菌療法の実装化,マイクロバイオ-ム創薬など今後の展開に期待が高まる.
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内科 134巻5号, 1122-1127 (2024);
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ステロイドを除く炎症性腸疾患(IBD)の免疫抑制薬は,新型コロナウイルス(SARS‒CoV‒2)の易感染性や新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の重症化のリスクを増大させず,むしろ重症化に抑制的に作用する可能性もあるため,IBD 寛解維持の観点からも,COVID‒19 罹患後も治療を継続すべきである.SARS‒CoV‒2 感染によりIBD が重症化するリスクは低く,COVID‒19 罹患前にIBD の寛解をしっかり達成維持しておくことが,COVID‒19 重症化のリスクを軽減させる.高齢,ステロイド,チオプリン製剤,抗TNF‒α抗体製剤,抗TNF‒α抗体製剤とチオプリン製剤の併用療法,tofacitinib などがSARS‒CoV‒2 ワクチン接種に対する免疫応答不良のリスク因子であり,3 回目以降のブ-スタ-接種の必要性が高い.
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内科 134巻5号, 1128-1131 (2024);
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患者数の大幅な増加に伴い炎症性腸疾患(IBD)治療は新薬の承認が相次ぎ,大きく変遷している.抗TL1A 抗体,スフィンゴシン‒1‒リン酸(S1P)受容体調節薬,抗IL‒23 抗体などで開発が進んでおり,新規に承認される可能性がある.
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連載
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内科医のための睡眠外来入門
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内科 134巻5号, 1133-1137 (2024);
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ほんとに意味あるの? その感染対策・感染症治療
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内科 134巻5号, 1138-1140 (2024);
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これまでの本連載では,マスクの着用は新型コロナウイルス感染症の予防に本当に意味があるのか,また三密の回避はどれくらい必要か,経口コロナウイルス薬はどのくらい効果があるのか,また視点を変えて抜歯や歯科治療の際の経口抗菌薬や手術室のスクラブへの着替え,手術時に投与する抗菌薬の効果,うがいの効果,抗菌薬にアレルギ-歴がある人には本当に抗菌薬を再投与してはいけないのかといったテ-マを解説した. 今回のテ-マは「『お見舞いに花』は本当にNG なのか」にしてみようと思う.植物や花には癒し効果があるというのは多くの人に共感が得られるではないだろうか.病院が植物や花に囲まれていたら,抽象的ではあるが目に優しくリラックス効果が高いと,個人的には思う.
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イメ-ジで捉える呼吸器疾患
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内科 134巻5号, 1141-1146 (2024);
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その他
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内科 134巻5号, 1055-1055 (2024);
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内科 134巻5号, 1151-1151 (2024);
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内科 134巻5号, 1148-1149 (2024);
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内科 134巻5号, 1150-1150 (2024);
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内科 134巻5号, 1152-1152 (2024);
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