Volume 210,
Issue 4,
2004
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あゆみ 新しいホルモン
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医学のあゆみ 210巻4号, 231-231 (2004);
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医学のあゆみ 210巻4号, 233-237 (2004);
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グレリンはGHS(成長ホルモン分泌促進因子)受容体の内因性リガンドとして同定され,強力な成長ホルモン分泌促進活性に加え,摂食亢進や脂肪蓄積,消化管機能調節などエネルギー代謝調節に多彩な作用をもつ.この新規ペプチドはアミノ酸28個からなり,3位のセリン残基が脂肪酸で修飾されている.グレリンはおもに胃で産生・分泌され,迷走神経求心路を介してそのシグナルを中枢神経系へ伝達し,生理機能を発揮する.これまで発見された脳—腸ペプチドのなかで,グレリンのみが末梢性摂食促進ホルモンとして作用する.グレリンの発見により,胃
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医学のあゆみ 210巻4号, 238-242 (2004);
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アルドステロンは50年前に細胞外液量—ナトリウム調節因子として見出された.しかし,近年になって心血管疾患発症と密接に関与していることがわかってきた.すなわち,原発性アルドステロン症は心血管合併症を伴いやすく,レニン—アンジオテンシン系抑制薬の長期使用においては,アルドステロンブレイクスルー(アルドステロンの抑制が取れてくる現象)を伴う場合には心血管保護作用が十分には働かなかったのである.さらに,RALES(Randomized Aldosterone Evaluation Study)やEPHESUS(E
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医学のあゆみ 210巻4号, 243-249 (2004);
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従来,脂肪組織は余剰エネルギーを貯蔵するだけの生物学的には非活性な組織と考えられてきた.しかし,分子生物学の進歩によりつぎつぎに脂肪組織由来のホルモンやサイトカインが同定され,現在,脂肪組織は生体の恒常性維持に不可欠な内分泌臓器として認知されている.これら脂肪組織由来ホルモンのなかでもレプチンは,中枢神経系に作用して強力な摂食抑制やエネルギー消費亢進をもたらし,代謝調節に重要な役割を有している.さらに,レプチンは交感神経系の活性化を介した血圧上昇作用や糖脂質代謝改善作用,神経内分泌調節作用など,生理機能の
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医学のあゆみ 210巻4号, 250-255 (2004);
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C末端にRFアミド構造を有するペプチドはRFアミドペプチドと総称され,無脊椎動物から脊椎動物に至るまで広く分布し,さまざまな生理作用を担っていることが知られている.著者らは種々の新規RFアミドペプチドの単離およびそれらのレセプターの同定を行ってきたが,一連の研究はprolactin—releasing peptide(PrRP)の同定に端を発している.PrRPの同定は,生理活性ペプチドおよびそのレセプターをターゲットとした創薬研究において見出されたオーファンGPCRのリガンド探索の最初の成果であった.Pr
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医学のあゆみ 210巻4号, 256-260 (2004);
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生体のストレスの神経内分泌反応の中心をなすCRHの受容体には2つのサブタイプがあり,おもにtype 1CRH受容体(CRHR—1)に作用するCRHに対し,type 2 CRH受容体(CRHR—2)に作用する関連ペプチドとして,ウロコルチン(Ucn)—1,2,3が発見された.CRHR—1やCRHR—2のノックアウトマウスでの検討や脳内および全身への投与実験の結果,Ucn—1,2,3のCRHR—2を介した作用は食欲低下などCRHR—1と同様のものもあるが,抗不安,下垂体—副腎系の収束作用など,CRHR—1に拮
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医学のあゆみ 210巻4号, 261-265 (2004);
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アクチビンとインヒビンは脳下垂体における卵胞刺激ホルモン(FSH)を調節する因子として発見された.その後の研究により,インヒビンは性周期や妊娠による血中濃度の変化が明らかにされ,生殖医療における補助診断への応用が期待されている.アクチビンはFSHの調節以外の機能をもち,中胚葉誘導作用をはじめとして細胞の増殖抑制,分化誘導作用などをもち,さまざまな組織で形態形成,組織修復などを制御していることが判明した.また,フォリスタチンはアクチビンの作用をブロックし,局所におけるアクチビンの働きを複雑に調節している.本
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医学のあゆみ 210巻4号, 267-270 (2004);
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バイオインフォマティクス解析を用いて新規ホルモンを同定する試みは,まだ始まったばかりといえる.著者らは,既存の完全長ヒトcDNAデータベースより推定上の内因性ペプチドをin silicoで探索する手法により,あらたな生理活性ペプチド,サリューシン—αおよびβを発見し,これらがラットにおいて強力な降圧作用を有すると同時に,心拍数の減少を示すことを示した.さらに,血管平滑筋細胞や線維芽細胞などの培養細胞では増殖促進作用を有するほか,ラット灌流下垂体ではarginine vasopressin放出促進作用を示す
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医学のあゆみ 210巻4号, 272-278 (2004);
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オレキシンは当初,摂食行動を制御する神経ペプチドとして注目を集めたが,現在は覚醒・睡眠の制御における役割に注目が集まっている.睡眠障害のひとつであるナルコレプシーとオレキシンの深い関係が明らかになってきたためである.ナルコレプシーは正常な睡眠・覚醒のパターンを維持できず,睡眠・覚醒の各ステージが分断化することを特徴とする神経疾患である.そのため,オレキシンは正常な睡眠・覚醒パターンの維持・制御にも重要な役割をもっていると推定されている.一方,当初示されたように,オレキシンは摂食行動やエネルギー代謝の制御に
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フォーラム
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総合診療の現場におけるこころとからだのケア──SAGAなんでも相談クリニックの現場から
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医学のあゆみ 210巻4号, 280-281 (2004);
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切手・医学史をちこち
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医学のあゆみ 210巻4号, 282-282 (2004);
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書評
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医学のあゆみ 210巻4号, 284-285 (2004);
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雑誌特集
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医学のあゆみ 210巻4号, 286-287 (2004);
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新刊紹介
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医学のあゆみ 210巻4号, 288-291 (2004);
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TOPICS
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解剖学・細胞生物学
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医学のあゆみ 210巻4号, 295-295 (2004);
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 210巻4号, 296-297 (2004);
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薬理学・毒性学
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医学のあゆみ 210巻4号, 297-298 (2004);
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細菌学・ウイルス学
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医学のあゆみ 210巻4号, 298-299 (2004);
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呼吸器内科学
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医学のあゆみ 210巻4号, 300-300 (2004);
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血液内科学
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医学のあゆみ 210巻4号, 301-302 (2004);
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連載
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現代寄生虫病事情
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医学のあゆみ 210巻4号, 303-307 (2004);
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ジェンダーと医学・医療
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医学のあゆみ 210巻4号, 308-310 (2004);
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進化は遺伝子重複を前提として,1一定の確率で生起するDNAレベルでの突然変異と,2これを選択する自然淘汰の圧力(フィルター)によって構成され,優性の変異は子孫を残すことによって固定される.進化上の成功は個体の数nが増えることを意味する.進化からみれば,自らの種族の子孫を残すことのみが重要であるから抗生物質のなかった時代には感染を排除できて生殖年齢にまで生き延びることのできるような強い生体防御機構を備えた個体が選抜(自然淘汰)され,人類は世代を経るごとに感染症に強くなっていったと考えられる.現代に生きる