医学のあゆみ
Volume 214, Issue 9, 2005
Volumes & issues:
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あゆみ Drug-Eluting Stent──最新情報
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Sirolimus-Eluting Stentの最新情報
214巻9号(2005);View Description Hide Description冠動脈インターベンションが冠動脈疾患の治療として臨床応用されて20年以上経過し,狭心症や急性心筋梗塞に対する治療として中心的役割を果たすようになってきたが,再治療を繰り返さなければならない再狭窄は冠動脈インターベンションのアキレス腱といわれてきた.そこで登場したのが,金属ステントの表面にさまざまな薬剤をコーティングして溶出するようにしたDrug−Eluting Sten(t DES)であり,シロリムス溶出性ステント(商品名CypherTM)など画期的な再狭窄低減効果を示すものが日本でも昨年(2004)から -
Paclitaxel-Eluting Stent(TAXUS【TM】)の最新情報
214巻9号(2005);View Description Hide Description冠動脈インターベンション(PCI)後の再狭窄を予防する強力なデバイスとして,薬剤溶出性ステント(DES)が登場した.現在,世界のDESのシェアの半数以上を占めるのが抗癌剤であるpaclitaxelをポリマーコーティングしたTAXUSTMステントである.このステントの臨床試験の再狭窄率はおおむね5〜10%程度にとどまり,従来PCIが苦手としていた小血管,長い病変,ステント内再狭窄病変などに対しても一定の成績を収めている.ごくまれに起こる超遠隔期の血栓性イベントなど,長期成績が明らかでない部分もあるが,しばら -
次世代Drug-Eluting Stent(DES)の最新情報
214巻9号(2005);View Description Hide DescriptionSirolimus Eluting Stentの本格的な臨床使用により,わが国における冠動脈疾患治療も新時代を迎えた.一方ではSirolimus Eluting Stent留置後,内皮化の時期,抗血小板剤の最適投与期間,急性冠症候群を含めた各種病変への適応の是非など引き続き議論すべき点もある.とくに内皮化の時期とそれに伴う抗血小板剤の最適投与期間については明快な解答がいまだ得られていない.そのような状況下,欧米ではすでに次世代のDESの研究開発および臨床応用も進められている.次世代DESでは現行のDESの -
Drug-Eluting Stent時代の血管内超音波(IVUS)の役割──IVUS-guided PCI with Cypher【TM】stents
214巻9号(2005);View Description Hide Description薬剤溶出性ステント(DES)使用に際して血管内超音波(IVUS)は,1.急性期合併症や再狭窄のメカニズムなどを検討するスタディツールとして,2. IVUSによる研究データに基づき,安全かつ有効にDES留置を行うデバイスとしての役割がある.以下にIVUSガイドによるCypherステント留置について,その根拠となるこれまでのデータを示しながら解説する. -
Drug-Eluting Stentのdark sideを考える──過敏性反応,遅発性血栓症を中心に
214巻9号(2005);View Description Hide DescriptionCypherステント,TAXUSステントにはじまるDrug−Eluting Sten(t DES)は,経皮的冠動脈治療の中心的存在となってきている.しかし,現時点ではDES留置後の長期的な臨床経過観察が十分なされているとはいえない.DESの非常に優れた再狭窄予防効果の陰で,過敏性反応や遅発性血栓症といった懸念される症例がいくつか報告されるようになってきた.DESは非常な速さで臨床現場に浸透しつつある治療法であるが,今後も十分に慎重な臨床経過観察が必要であると考えられる. -
Cypher【TM】vs.TAXUS【TM】を考える──Comparison between Cypher【TM】and TAXUS【TM】
214巻9号(2005);View Description Hide Description現在,欧米で臨床に使われているDrug−Eluting Stents(DES)にはCypherTM(Johnson and Johnson)とTAXUSTM(Boston scientific)の2種類があり,どちらのステントが優れているのか,どういう病変・患者背景にはどちらのステントが良好な結果が得られるのかといった研究が報告されてきている.それらの報告では臨床的にはCypherとTAXUSではイベント発生率には大きな差は認めなかったが,angiographicalにはCypherのほうがステント留置後 -
Drug-Eluting Stent時代のPCI vs. CABGを考える
214巻9号(2005);View Description Hide Description昨年8月に日本でもSirolimus−Eluting Stentが保険償還されPCIはDES時代に入った.ではDES時代になってPCI vs.CABGの構図はどのようになるであろうか.PCI vs.CABGのtrialの歴史を振り返ると,バルーン時代に行われたCABRI trialでは1年でのevent free rateはCABGのほうが32%PCIより勝っていた.ステント時代に行われたARTS trialではその差は14%にまで縮まっている.というのも,PCI群の再狭窄による血行再建というeventが -
日本でのCypher【TM】ステントの使用成績と問題点
214巻9号(2005);View Description Hide Description薬剤溶出性ステントであるシロリムス溶出性ステント(CypherTM)が,2004年8月に保険償還され,日常臨床において使用されるようになった.ヨーロッパやアジア諸国から3年,アメリカから1年遅れの承認であるが,最近の新しいデバイスとしては画期的に早く承認されたといえる.薬剤溶出性ステント導入によって日本のPC(I Percutaneous Coronary Intervention:経皮的冠動脈インターベンション)もあらたなステージに入り,冠動脈疾患の治療戦略も変化するものと考えられる.本稿では日本におけ
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フォーラム
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TOPICS
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- 病理学
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- 薬理学・毒性学
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- 膠原病・リウマチ学
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- 整形外科学
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連載 五感の生理,病理と臨床
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8.嗅覚障害
214巻9号(2005);View Description Hide Description嗅覚障害は障害部位により,1.匂い分子が嗅粘膜に到達しない呼吸性嗅覚障害,2.末梢神経性嗅覚障害,3.呼吸性と末梢神経性の2者が混合している混合性嗅覚障害,および4.嗅神経より中枢で生じる中枢性嗅覚障害の4種類に分類される.一方,障害の性質(量的/質的異常)により嗅覚脱失,嗅覚減退,嗅覚過敏,異嗅症,幻嗅症,および嗅覚失認などに分類される.これら嗅覚障害の診断では,欧米では匂いの存在を検知する能力をテストする“閾値検査”および匂いを識別する能力をテストする“識別検査”が,本邦では基準嗅力検査と静脈性嗅覚検
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