Volume 214,
Issue 11,
2005
-
あゆみ 酸化ストレスと疾患
-
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 913-913 (2005);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 915-918 (2005);
View Description
Hide Description
生命機構を維持するためには生体内代謝のさまざまな過程で発生する活性酸素やフリーラジカルを確実に消去無毒化することが不可欠である.また,好中球の活性酸素産生にみられるように,生物はこれらの活性酸素やフリーラジカルを生理的代謝機構にも組み込み,その生存能力を強化している.酸化ストレスをエネルギー代謝の面からみるとミトコンドリアでの活性酸素産生が種々の疾患に関与することが判明してきた.また,感染防御においても活性酸素NO系は重要であり,相互に連携しあって防御システムを構築している.
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 919-925 (2005);
View Description
Hide Description
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は発生・形態変化や組織修復を担う蛋白分解酵素であるが,その不適切な発現は組織傷害や癌の転移浸潤などに関与する.MMPは不活性型前駆体(proMMP)として産生され,細胞外で活性化される.一方,炎症局所で過剰に産生された一酸化窒素(NO)は活性酸素種と反応し,活性酸化窒素種(RNS)に変換される.NO/RNSは種々の生理活性蛋白のシステイン残基を化学修飾し活性を変化(活性化・不活性化・機能変化)させる.さらに,NO/RNSは炎症応答に関与する遺伝子の発現をも調節する.
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 927-930 (2005);
View Description
Hide Description
活性酸素種(Reactive Oxygen Species:ROS)は高血圧患者において亢進しているとされる.ROSはNO生理活性の低下・炎症反応などを誘導し,血管の機能的・構造変化をもたらす.最近この機序が血管障害のみならず,腎臓におけるNa+貯留・心機能障害の病態形成にも関与していることが明らかとなり注目されている.本稿ではROSとこれら病態形成の関係のメカニズムについて概説する.
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 931-937 (2005);
View Description
Hide Description
脳や神経はもともとフリーラジカルによる酸化ストレスに曝されやすくまた脆弱であり,なかでも脳卒中やAlzheimer病,筋萎縮性側索硬化症,Parkinson病などの病態に酸化ストレスが深く関与していると考えられている.明らかにされた病態に対応したフリーラジカル消去薬の投与により脳梗塞の急性期治療は飛躍的に改善し,実際の患者治療薬として結実し患者に恩恵をもたらしはじめている(translational research).また,筋萎縮性側索硬化症についても運動ニューロンがVEGFとの関連で慢性的酸化ストレス
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 939-944 (2005);
View Description
Hide Description
炎症反応における活性酸素やガス状メディエーターの役割が注目されている.本稿ではヒト難治性特発性慢性炎症性疾患の代表である炎症性腸疾患を取り上げ,それらの関与について著者らの成績ならびに最近の進歩について解説した.炎症性腸疾患における酸化ストレスの関与が明らかとなり,最近になって抗酸化作用を有する薬剤や活性化白血球除去の臨床応用が試みられつつある.ガス状メディエーターである一酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)についての知見は十分ではないが,炎症性腸疾患の腸管局所においては誘導型NO合成酵素(iNOS)や誘
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 945-948 (2005);
View Description
Hide Description
近年,増加の著しい非アルコール性脂肪肝性肝炎(NASH)やC型肝炎の病態に酸化ストレスが深く関与することが明らかになり,肝疾患と酸化ストレスとの関係が注目されるようになった.元来,肝は体内における代謝の中心で,その諸々の代謝の過程でROS(reactive oxygen species)が多く産生されるので,体内でもっとも抗酸化機構が発達している.しかし,種々の原因でROS産生が抗酸化機能を上まわると当然酸化ストレスのため肝障害が生じてくる.前述のNASH,C型肝炎のみならず,アルコール性肝障害,薬剤性肝
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 949-952 (2005);
View Description
Hide Description
ゲノムDNAやヌクレオチドが活性酸素に曝されると,8−オキソグアニン(8−oxoG)や2−ヒドロキシアデニン(2−OH−A)などの突然変異原性の高い酸化塩基が生じる.8−oxoGと2−OH−Aは,おもにG:CからT:Aへのトランスバージョン変異を誘発する.ヒト細胞ではMTH1が酸化ヌクレオチドを分解し,OGG1がDNA中の8−oxoGを除去修復する.MUTYHは,8−oxoGに誤って対合したアデニンとグアニンに対して取り込まれた2−OH−Aを除去修復する.MTH1,OGG1,MUTYH欠損マウスでは,それ
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 953-956 (2005);
View Description
Hide Description
今日,発癌と制癌のいずれにおいても活性酸素やフリーラジカルの役割は基本的でありかつ重要である.抗癌剤には生体内局所で活性酸素やフリーラジカルを発生させるものが多い.また,古くから癌治療に用いられている放射線治療法は物理的に・OHやO2−を発生させて細胞を殺すものである.いずれも局所で酸化ストレスを発生させ,これにより癌細胞を攻撃して抗腫瘍効果を発現している.
-
フォーラム
-
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 958-959 (2005);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 962-963 (2005);
View Description
Hide Description
-
TOPICS
-
-
生理学
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 965-966 (2005);
View Description
Hide Description
-
病理学
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 966-967 (2005);
View Description
Hide Description
-
血液内科学
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 968-968 (2005);
View Description
Hide Description
-
連載 五感の生理,病理と臨床
-
-
Source:
医学のあゆみ 214巻11号, 969-971 (2005);
View Description
Hide Description
騒音難聴を同一個体について聴力低下につき長年追求した報告はあまりない.著者は広島三菱重工業が造船所であるころから,長年にわたり騒音下(約100〜120 dB)従業員2,000人の聴力検査をしてきたデータを分析した結果から以下のような結論を得た.1.騒音性難聴は4,000 Hz(C5dip)から始まる.2.騒音下の難聴は左右同程度で耳鳴りをともなう.3. 100 dB以上の騒音は難聴をおこす.4.騒音に対して10代は抵抗性が強く難聴の進行速度は遅いが,30代をすぎて強大騒音下に働いた従業員では,4,000