Volume 217,
Issue 7,
2006
-
あゆみ エイジング研究の最前線
-
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 741-741 (2006);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 743-747 (2006);
View Description
Hide Description
出芽酵母は老化症状を示すもっともシンプルな生物である.酵母には2つの寿命がある.1つは分裂寿命で,これは細胞が何回分裂できるかによって決まる.分裂寿命は,ヒトの線維芽細胞や血球系細胞あるいは株化されていない初代培養細胞などの定期的に分裂を繰り返す細胞種の寿命に相当する.もうひとつの寿命は経時寿命とよばれるもので,これは細胞が分裂停止状態で時間的にどのくらい長く生きられるかによって決まる.経時寿命のメカニズムは他の生物の老化促進経路と類似している.これら2つの寿命のメカニズムはおもに遺伝学により解析され,ヒトの老化を考えるうえで多くのヒントを提供してくれる.本稿では最近の知見を中心に,酵母の老化制御機構およびヒトを含んだ他の生物との共通性について概説する.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 748-751 (2006);
View Description
Hide Description
ミトコンドリアはエネルギー産生に加えて細胞死という重要な役割を担っている.さらに,エネルギー代謝の副産物として発生する活性酸素が直接的あるいは間接的に細胞傷害や細胞死を引き起こす.これが,細胞や生物個体の老化や寿命に大きな影響を与えることから,ミトコンドリアが寿命決定に中心的な役割を果たしていると考えられるようになってきた.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 752-756 (2006);
View Description
Hide Description
老化や寿命の制御機構については加齢に伴う形質の変化や寿命に影響を与える環境因子の研究が中心であったが,長寿命変異体を突破口として生物種を越えて保存された寿命制御機構の実態が明らかになってきた.遺伝子機能が低下した場合に長寿命になるものと,逆に亢進したときに長寿命になるものがある.ショウジョウバエの抗老化遺伝子を概説する.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 757-762 (2006);
View Description
Hide Description
細胞老化は,ヒト体細胞が無限には増殖できず,やがて特有の形態をもって増殖停止する現象(有限分裂寿命)としてまず知られた.DNA複製のたびにDNA末端のテロメアが短縮し,一定まで短縮すると増殖を停止する現象であった.生殖細胞はテロメアを延長するテロメラーゼが発現していて子孫のテロメア長は維持されるが,体細胞は発生の初期にテロメラーゼの発現を失う.テロメア短縮だけでなく,代謝阻害・活性酸素・ゲノム障害・異常蛋白質の蓄積などによっても老化表現型を示して増殖停止することから,細胞老化はさまざまな細胞障害(ストレス)に対する細胞の応答のひとつと理解されるようになった.多くの生物で活性酸素が老化を促進すること,遺伝子の変異による遺伝的早老症が起こること,食事制限やカロリー制限が老化を遅延させ寿命を延長することなどからも,細胞老化を介して個体の老化が起こると考えられる.このプロセスの理解は抗老化に大きなヒントを与える.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 763-768 (2006);
View Description
Hide Description
個体老化の進行は活性酸素による蛋白質やDNA,脂質などの生体成分への酸化ストレスの蓄積が原因とするフリーラジカル理論が広く支持されている.とくに糖尿病,動脈硬化,Alzheimer病などの加齢依存的に発症する疾患と活性酸素との関連が示唆されている.活性酸素の大部分はミトコンドリアでのATP産生過程の副産物として生成する.Mnスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)はミトコンドリアマトリックスに局在し,活性酸素種のスーパーオキシド(O2・−)を過酸化水素(H2O2)と酸素(O2)に変換する酵素である.著者らは生体組織におけるO2・−の影響を長期的に解析するためにCre−loxPシステムを用いて,組織特異的にMnSODを欠損するマウスを作製することに成功した.本稿では肝,または心臓で臓器選択的にMnSOD遺伝子を欠損させたモデルマウスについて紹介し,MnSODの役割とO2・−の病理的意義を考察する.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 769-773 (2006);
View Description
Hide Description
哺乳類の老化を制御する方法が数多く試みられてきたが,そのなかでもっとも確実な方法は摂取カロリーを制限することであった.カロリー制限(caloric restriction:CR)による寿命延長,老化病態発症の遅延は,マウスやラット以外にも酵母や線虫,ショウジョウバエなどのモデル生物,そしてイヌや現在研究が進められているサルに至るまで,その効果が認められている.このことはCRによる寿命制御機構が進化の過程で保存されてきていることを示唆している.最近の研究からCRによる老化制御シグナルは,インスリン/インスリン様成長因子(insulin/IGF−㈵)を介した標的遺伝子の活性制御と,食物資源不足に対する神経内分泌系による生体の適応反応が重要な働きをもつことが明らかにされつつある.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 774-778 (2006);
View Description
Hide Description
Klothoマウス(kl/klマウス)は1分子欠損により引き起こされる独特の表現型のため,発見以来,老化モデル動物として個体における老化研究の場を提供してきた.また,Klotho蛋白質は限局された臓器にしか発現していないにもかかわらず,kl/klマウスではさまざまな臓器で異常が認められる.このkl/klマウスで認められる独特な現象を解釈するためにもKlotho蛋白質自身が調節する分子メカニズムを明らかにすることは,発見以来の重要な課題であった.本稿では,2つのノックアウトマウスの表現型の一致より明らかになった膜蛋白質としてのKlotho蛋白質の機能とその意味合いについて簡単に紹介したい.
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 779-783 (2006);
View Description
Hide Description
近年,骨の老化における分子機序が明らかになりつつある.骨の老化の分子機序を解明することは高齢者骨粗鬆症の治療への応用へと結びつくことが期待される.本稿ではとくに老化に伴う骨形成能の低下,すなわち骨芽細胞機能低下に注目し,近年注目明らかにされてきたIGF−㈵シグナル,PPARγシグナルならびにKlotho蛋白の骨での働きを中心に概説した.
-
フォーラム
-
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 786-787 (2006);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 789-789 (2006);
View Description
Hide Description
-
TOPICS
-
-
生化学・分子生物学
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 793-794 (2006);
View Description
Hide Description
-
膠原病・リウマチ学
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 794-795 (2006);
View Description
Hide Description
-
形成外科学
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 795-796 (2006);
View Description
Hide Description
-
皮膚科学
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 796-797 (2006);
View Description
Hide Description
-
連載 現代医療におけるコメディカルの役割10
-
-
Source:
医学のあゆみ 217巻7号, 799-805 (2006);
View Description
Hide Description