Volume 217,
Issue 11,
2006
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あゆみ スポーツ医学の新展開
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医学のあゆみ 217巻11号, 1015-1015 (2006);
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医学のあゆみ 217巻11号, 1017-1020 (2006);
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メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)とは,内臓脂肪蓄積を基盤として耐糖能異常,低HDLコレステロール血症/高中性脂肪血症,高血圧症を複数合併し,心血管系イベント易発症状態を概念化したものである.メタボリックシンドロームに対する運動療法の目的は,根幹をなす内臓脂肪の減少やインスリン抵抗性の改善をはかることである.最近の研究により,運動療法そのものが抗動脈硬化作用を有している可能性も明らかになった.運動療法指導前にはメディカルチェックを行い,潜在する疾患の存在を把握する.1回10〜30分,1日15〜30分,週3日以上の歩行で代表される軽度の有酸素運動の継続が中心である.力みを伴わないレジスタンス運動の併用も効果的である.運動療法は生活習慣改善の一環であり,食事療法の併用も忘れてはならない.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1021-1024 (2006);
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予防医学としてのスポーツ医学のターゲットである肥満・動脈硬化性疾患のコントロールについて,食事,とくに脂肪と糖質の比率配分に関する最近の知見を紹介する.内容は以下のとおり:1アトキンス・ダイエットに代表される極端な糖質制限食の是非,2オリーブ油などの単価不飽和脂肪酸の多い食事の血清脂質改善効果とその限界,3食品のエネルギー密度のエネルギー摂取量に及ぼす効果,4インスリン感受性による低脂肪食,低糖質食の減量効果の差.体重コントロールのための食事は,単に摂取エネルギーの制限だけでなく,三大栄養素の配分に配慮することの重要性を示唆するエビデンスが集積しつつある.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1025-1028 (2006);
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身体活動量と癌(または癌死亡)のリスクの関連については,ここ30年ほどの間に多くの疫学研究(おもに観察研究:症例対照研究およびコホート研究)がなされてきた.この関連の程度は癌の部位により異なり,一部の癌に関しては,疫学研究の関連の一貫性,関連の強さ,容量・反応関係および考えられる機序をもとにエビデンスが確立されてきている.結腸癌および乳癌(女性)では身体活動量との関連は確実で,活動量がもっとも多い群はもっとも少ない群と比較し,前者で30〜40%,後者で20〜30%のリスク減を認めている.前立腺癌では確定的ではないが,10%程度のリスク減を認めている.肺癌,子宮内膜癌については検討数が少ないが,リスク減の可能性がある.その他の癌については研究報告が少ない.癌の一次予防を目的とする身体活動量の目安として大人では中等度の身体活動を30分以上,週に5日以上行うことが推奨されている.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1029-1031 (2006);
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アスリートにしばしば観察される心肥大や徐脈などの現象は,長期間の運動トレーニングに対する循環器臓器の生理的適応現象とみなされ,スポーツ心臓などとよばれることが多い.しかし,スポーツ心臓の概念はいぜん確固たるものではなく,しばしば除外・類推・状況に頼ったうえの暫定的な診断となることもある.スポーツ心臓という概念を臨床にいかすためには,その背景にある生理学的メカニズムを正しく理解することが重要である.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1033-1036 (2006);
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スポーツにおける突然死は若年者と中高年では基礎疾患が異なり,若年者では肥大型心筋症,心臓震盪,心筋炎などがあり,中高年では虚血性心疾患が大半を占める.スポーツにおける突然死の防止には,スポーツ行事参加前のメディカルチェック,およびスポーツ現場におけるAEDの設置と早期の対処が必要である.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1037-1040 (2006);
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腰痛や膝関節痛を訴えるスポーツ選手や愛好家はきわめて多い.一過性のものが多いが,なかにはスポーツ活動に重大な影響を及ぼすものもある.その原因は,もともと存在する疾患がスポーツによって悪化したもの,明らかな外傷によってあらたに発生したもの,繰り返しの負荷によって生じるものなどさまざまであり,とくに成長期には成長軟骨に関連した多くの病態が存在する.膝関節痛では靱帯損傷,半月板損傷,関節軟骨損傷などの明らかな外傷に起因するスポーツ外傷と,靱帯や腱などに対する過負荷が原因で生じるoveruse syndromeが中心となる.腰痛では過負荷による一過性のものが多くを占めるが,腰椎分離症,椎間板障害など基質的変化を伴うものも少なくない.したがって,その原因を正確に把握して対処すること,スポーツ復帰をつねに念頭において治療することがもっとも大切である.
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医学のあゆみ 217巻11号, 1041-1046 (2006);
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骨粗鬆症は明らかな生活習慣病であるので,運動による効果があるはずである.この効果にも骨量減少抑制効果,骨量増加効果,骨折防止効果とあるので,まずなにをendpointとした介入研究かを見極める必要がある.さらに,ライフスタイルのもうひとつの重要事項であるカルシウム,ビタミンDなどの栄養摂取の充足の有無によっても運動効果の影響は異なる.また,運動効果の判定には対象者の骨代謝動態がkey pointとなるが,女性のライフステージのなかでも若年女性における運動の効果はとくに大である.また更年期以降,閉経の周辺期は年間3%近い腰椎骨量の低下があるので,この時期において運動による骨量の低下抑制は可能であるが,増加を望むことは難しいものと思われる.運動の骨量増加効果は1%前後であるので,厳密な研究法でないと有意な変化として捕捉することは難しい.一方,骨折防止については骨性因子と骨外因子とに分けて考える必要がある.運動の励行は,骨折防止に有効であると考えるのが妥当であろう.
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フォーラム
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医学のあゆみ 217巻11号, 1048-1050 (2006);
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TOPICS
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病理学
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医学のあゆみ 217巻11号, 1055-1056 (2006);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 217巻11号, 1056-1057 (2006);
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産科学・婦人科学
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医学のあゆみ 217巻11号, 1057-1058 (2006);
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皮膚科学
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医学のあゆみ 217巻11号, 1058-1059 (2006);
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連載 現代医療におけるコメディカルの役割13
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医学のあゆみ 217巻11号, 1061-1065 (2006);
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NEW携帯電話と医療
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医学のあゆみ 217巻11号, 1069-1073 (2006);
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携帯電話は場所を問わず通信が可能な機器であり,さらにJavaなどのプログラムが動作する環境を搭載し,まさに“もち歩けるコンピュータ”としての機能を備えるに至り,広く普及を遂げている.この機器を医療分野,とりわけ遠隔医療において活用しようという動きがみられるようになった.韓国ではすでに血糖値を測定できる携帯電話が登場し,遠隔で患者の健康管理を行えるようになっている.一方,日本では医療機関において,医療従事者が情報を閲覧するために利用するような活用事例が多数発表されている.著者らは携帯電話上で動作するアプリケーションを利用し,医療従事者が院外から院内の患者情報を閲覧できるシステムを試作している.この事例を紹介するとともに,医療の現場での携帯電話活用の方向性なども合わせて概説したい.