Volume 224,
Issue 8,
2008
-
あゆみ 眼底イメージング
-
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 573-573 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 575-579 (2008);
View Description
Hide Description
眼底イメージングの歴史は,1851年のHelmholtzによる検眼鏡の発明に遡る.その後,眼底カメラ,螢光眼底造影検査,共焦点検眼鏡,さらには光干渉断層計がつぎつぎと導入されて現在に至っている.眼底カメラは情報の共有化を可能にした.螢光眼底造影検査は単に形態情報にとどまらず,一部機能情報を得ることができる画期的な検査法であり,いわゆる機能イメージングのさきがけともいえる検査である.約10年前に臨床使用がはじまった光干渉断層計は5μm程度の深さ分解能をもつ検査機器であり,その導入によって眼底疾患の理解が大きく進歩した.今後は,補償光学の応用,さらに高分解能の光干渉断層計の開発,さらに眼底の機能イメージングが可能となると考えられ,近い将来に眼底の詳細な解析によって単に眼底疾患の診断だけではなく,全身血管合併症の超早期診断が可能となることも十分に考えられる.
-
【補償光学と眼底イメージング】
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 580-584 (2008);
View Description
Hide Description
補償光学とは光波の歪みを実時間で計測し補正する技術であり,その概念は,大気のゆらぎによってぼやけた天体像を実時間で改善することを目的として提案された.この技術を眼底イメージング機器に応用すると,角膜や水晶体に存在する複雑な歪み(高次の収差)の影響が除去され,これまでにない鮮明な眼底像を実時間で取得することが可能になる.一般に補償光学システムは,波面センサー,波面補正素子,制御装置によって構成されるが,そのなかの波面補正素子がシステム全体の価格と性能を決定する重要な鍵となる.天文学の分野で広く普及している波面補正素子はきわめて大規模かつ高価であるため,これをそのまま眼底イメージング機器に応用することは適切ではない.眼底イメージング機器に適した波面補正素子として,液晶空間位相変調素子やMEMS技術を応用した可変形鏡が注目を集めている.本稿では眼底イメージング機器への応用を念頭に,補償光学技術の原理とその考え方を概説する.
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 585-588 (2008);
View Description
Hide Description
視力低下に対し眼底検査を行ったものの眼底所見には異常を認めない症例に対しては,網膜電図(ERG)などの電気生理学的検査を行い,網膜の機能的障害を検索するのがいままでの方法であった.近年,光干渉断層計(OCT)の登場によって網膜の微細構造を観察できるようになり,機能的異常に対応する網膜の器質的異常が検出できるようになってきた.OCTは高い垂直解像度により網膜の層構造解析に適しているのに対し,補償光学眼底カメラ(AOカメラ)は眼球の収差を補正することで約2μmの水平解像度を得ることが可能であり,眼底カメラを用いて錐体のモザイク構造を観察することが可能である.AOカメラをOCTや電気生理学的検査と合わせて用いることで,いままで原因不明だった疾患の病態解明や,それらに対する質の高い経過観察が期待される.
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 589-593 (2008);
View Description
Hide Description
走査レーザー検眼鏡(SLO)とは,文字どおり鋭く絞ったレーザー光を走査して眼底像を得る眼底イメージング機器である.共焦点光学系の採用により高品質な眼底像を取得できることを特徴としているが,眼底イメージング機器の宿命である眼球光学系の歪みの影響は避けられず,機器のもつ限界の性能は実現されてこなかった.この問題を解決する革新的な技術が,天文学の分野で発展してきた補償光学(AO)である.SLOに補償光学を導入したAOSLOの開発により,視細胞レベルの鮮明な眼底像を取得できるようになったと同時に,網膜色素上皮細胞など,これまでには見えなかったものが生きたままの状態で観察できるようになった.本稿ではAOSLOの特徴を概説するとともに,AOSLOが拓く新しい可能性について考える.
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 594-599 (2008);
View Description
Hide Description
光干渉断層計(OCT)は,網膜の断層像を描出する光イメージング技術である.光源の波長帯域を広くすることで深さ分解能(Z)は2μmへ向上したが,眼球の収差の影響でXY面分解能は不良であった.補償光学(AO)を眼底イメージングへ適用し収差の影響を抑えXY面分解能を向上させる研究は,最初に眼底カメラで行われ,視細胞の描出に成功した.続いて,Scanning Laser Ophthalmoscope(SLO)でもリアルタイムに視細胞を描出することに成功した.AOをOCTに適用し(AOーOCT),XY面分解能を2μm近くへ向上させ,眼底の細胞レベルの撮影をめざす研究成果は,2004年に最初に報じられた.以来改良が重ねられ,2007年には3DOCTへ適用し,視細胞の三次元描出に成功した.本稿ではAOーOCTの研究の流れを概観する.
-
【新しいイメージング機器】
-
●製品
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 600-601 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 602-603 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 604-606 (2008);
View Description
Hide Description
-
●プロトタイプ
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 607-609 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 610-611 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 612-614 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 615-617 (2008);
View Description
Hide Description
-
フォーラム
-
-
切手・医学史をちこち 74
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 621-621 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 622-624 (2008);
View Description
Hide Description
-
医師不足と地域医療の崩壊—現状と展望 1
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 626-628 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 630-631 (2008);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 632-634 (2008);
View Description
Hide Description
-
TOPICS
-
-
癌・腫瘍学
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 637-638 (2008);
View Description
Hide Description
-
形成外科学
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 638-640 (2008);
View Description
Hide Description
-
環境衛生
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 640-641 (2008);
View Description
Hide Description
-
連載
-
-
定位放射線治療—最新動向3
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 642-648 (2008);
View Description
Hide Description
定位放射線治療のうち,もっとも歴史の長いガンマナイフおよび粒子線治療と,最近著明な発展を遂げているリニアック治療の歴史を振り返りそれぞれの現況をまとめた.1951年脳外科医レクセルは定位放射線治療の定義を行い,それに従ってガンマナイフを作成し腫瘍,血管障害,機能疾患など多くの頭蓋内病変の治療に成功している.これは原則として1回照射である.一方,プロトンによる粒子線治療も同じころよりはじまり,ヘリウム,炭素線と進展し抗腫瘍効果の高い治療として注目されている.ノバリス,シナジーなどリニアック治療はマイクロ・マルチリーフ・コリメーターを用いることにより,照射方向でのターゲットの形状に一致した均一照射が可能となり,1回または分割照射ができる.サイバーナイフはX線管球をロボットアームで操作し,任意の場所,角度よりの照射ができ,危険臓器を回避できる.トモセラピーは,頭部より躯幹の体軸に沿って螺旋状,広範囲の照射ができ,大きなターゲットの分割照射に適している.
-
速報
-
-
Source:
医学のあゆみ 224巻8号, 649-650 (2008);
View Description
Hide Description
地方において小児救急をはじめとした救急医療体制の不備が社会問題化している.しかし現在,救急医療に対応する施設数と人口との関係が十分に検討されているとはいえない.そこで,全国に存在する市・区の人口と救急告示病院数との相関を検討し,地方の救急医療の問題点を明らかにした.