Volume 261,
Issue 3,
2017
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特集 喘息・COPD 吸入治療の新しい展開
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医学のあゆみ 261巻3号, 211-211 (2017);
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医学のあゆみ 261巻3号, 213-218 (2017);
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,2004 年のアメリカ胸部疾患学会とヨーロッパ呼吸器学会の共同ステートメントにおいて,「予防可能で治療可能な疾患」との認識がなされ,国際ガイドライン(Global Initiative forChronic Obstructive Lung Disease:GOLD)や,わが国のガイドライン(COPD 診断と治療のためのガイドライン第4 版)においても,同様に定義されている.この背景には,「禁煙がCOPD の進行を抑制する」という知見以外にも,近年のCOPD に対する新しい治療薬(とくに吸入薬)の開発とその有効性が寄与している.これらの吸入薬の開発はめざましく,その効果は,大規模臨床試験による検証によってCOPD の治療の根幹をなすに至っている.本稿では,COPD の吸入治療の実際と各薬剤の特性について,わが国のガイドラインや大規模試験の結果を中心に概説する1,2).
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医学のあゆみ 261巻3号, 219-223 (2017);
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吸入療法は,小児喘息の長期管理と急性発作治療において中心となる治療法である.吸入療法を効果的に実施するために,小児においては適切な吸入方法の選択が重要となり,年齢に応じた吸入機器と吸入補助器具の組合せを理解しておく必要がある.種々の吸入機器には特徴および長所・短所があり,使用する薬剤,患児の年齢,発達段階,重症度,経済的因子,アドヒアランスなどを考慮して選択する.さらに,適正な吸入手技の習得も必要であり,患者教育と吸入指導が不可欠である.
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医学のあゆみ 261巻3号, 224-228 (2017);
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成人喘息の治療において,吸入治療は極めて重要な位置を占める.長期管理において吸入ステロイド薬(ICS)は第一選択薬であり,単剤として,あるいは長期間作用性β2刺激薬(LABA)との配合薬(ICS/LABA)として用いられる.ICS の普及は喘息患者のコントロール改善,および喘息死の減少に大きく貢献してきた.また,発作治療においても吸入薬は重要であり,短時間作用性β2刺激薬(SABA)がまず使われる.正しい吸入手技で使用することが重要であり,間違った手技では本来の薬効が得られない.本稿では,成人喘息における吸入治療の原則と注意すべき点に関して概説する.
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医学のあゆみ 261巻3号, 229-233 (2017);
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安定期COPD の薬物治療においては,Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD2017)1)や日本呼吸器学会の「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4 版」2)に示されるように,吸入気管支拡張薬が中心的な役割を担う.現在,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)と長時間作用性β2刺激薬(LABA),およびその配合薬が使用可能である.これらの治療薬は優れた気管支拡張効果を有し,症状やquality of life(QOL)を改善し,増悪抑制効果を有することが示されている.実臨床ではそれぞれの薬剤の特徴を理解し,個々の患者に合った薬剤を選択していくことが重要となる.
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医学のあゆみ 261巻3号, 234-238 (2017);
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ステロイド薬は作用点が幅広く,多彩な気道炎症を有する炎症性呼吸器疾患にとって有用な薬剤であり,とくに吸入ステロイド薬(ICS)は気道局所に散布されるため,全身性のステロイド薬と比較して治療効率が高まる製剤と考えられる.現在わが国では,ICS は粒子径,デバイス,薬効の違いによって多種類の製剤の利用が可能である.喘息領域では,即効性を兼ね備えた気管支拡張剤との配合剤の特性を活かしたあらたな治療戦略も提唱されている.また慢性閉塞性肺疾患(COPD)において,ICS は増悪を繰り返す症例に有効である可能性があるものの,増悪の原因となる感染の危険因子となる場合もあるため,バイオマーカーを用いたICS の適切な使用が求められる.
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医学のあゆみ 261巻3号, 239-243 (2017);
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気管支喘息,慢性閉塞性肺疾患(COPD)における治療の第一選択薬はいずれも吸入薬であり,必要不可欠である.その進化にはめざましいものがあり,わが国で保険適応のある吸入デバイスは12 種類に及ぶ.その一方で薬剤選択の複雑さ,デバイスの違いによる吸入指導の煩雑さが問題となっている.多くの薬剤やデバイスのなかから,何を基準に選べばよいのか迷われる場合もあると考える.本稿では,12 種類のデバイスの特徴を述べ,気管支喘息における著者のデバイス選択手順をフローチャートに示した.さらに吸入指導時の説明のポイントと,おもなデバイスの誤操作の問題点と対策を概説する.また全国の喘息患者が,どこの医療施設を受診しても一定レベルの吸入指導が受けられるように,デバイスごとの操作手順と指導ポイントを音声と動画で収録したDVD とポスターを作成したので紹介する.
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医学のあゆみ 261巻3号, 244-247 (2017);
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薬剤エアロゾルの形状は複雑であるため,空気動力学的粒子径という概念でエアロゾル粒子径を表現する.これまで,aerodynamic particle size(r APS)スペクトロメーターで連続的にエアロゾル粒子径を測定してきた.これに基づいて吸入ステロイド薬,吸入ステロイド薬・長時間作用性β2刺激薬の配合薬,長時間作用性抗コリン薬,長時間作用性β2刺激薬,長時間作用性抗コリン薬・長時間作用性β2刺激薬の配合薬,そしてレスピマット・ソフトミスト・インヘラーの粒度分布を解説する.さらにエアロゾル粒子径と気管支・肺沈着に関して,文献的に考察する.
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医学のあゆみ 261巻3号, 248-252 (2017);
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吸入薬を有効に使用するためには,適切な吸入手技と良好なアドヒアランスの保持が重要である.喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者においては吸入手技,アドヒアランスとも不十分である割合が非常に高く,これらは救急受診や入院などの増悪リスクを増大させる.吸入手技の改善にはまず最適な吸入薬を選択し,その薬剤(デバイス)の特性に応じた指導をteach-back アプローチなどを用いて医療者が直接指導するのがもっとも効果的で,繰り返しのチェックと修正を行うことが必要である.また,アドヒアランスは,障壁となる要因を的確に判断したうえで疾患病態や薬効に関する丁寧な説明を行い,患者とともに治療方針を決定する.また,可能なかぎり単純化した薬物療法,治療に関するフィードバックを行うなど,患者と医療者の十分なパートナーシップ形成が求められる.今後,より効果的な指導・支援を担う医療者を養成するための教育システムの構築が望まれる.
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連載
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性差医学・医療の進歩と臨床展開 11
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医学のあゆみ 261巻3号, 259-264 (2017);
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内分泌疾患のなかには,発症頻度に明らかな性差を認めるもの,同一疾患であっても男性と女性で臨床像が異なるものがある.女性に多い内分泌疾患として,プロラクチノーマ,リンパ球性下垂体前葉炎,Basedow病,橋本病,Cushing 症候群などが知られている.プロラクチノーマでは女性のほうが発症頻度は高いものの,男性に比べて腫瘍サイズは小さい傾向がある.リンパ球性下垂体前葉炎は女性において妊娠後期から産褥期にかけて好発する.甲状腺機能異常を呈する原因の多くは自己免疫性甲状腺疾患であり,代表的なBasedow病と橋本病はともに女性に好発する.これらの甲状腺疾患は生殖年齢にも発症するため,妊娠時の対応も重要事項である.コルチゾールの慢性的過剰分泌をきたすCushing 症候群も女性に多い疾患であり,Cushing病(下垂体ACTH 産生腫瘍)では臨床像に性差があることが報告されている.本稿では,これらの内分泌疾患を中心に概説する.
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TOPICS
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血液内科学
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医学のあゆみ 261巻3号, 253-254 (2017);
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腎臓内科学
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医学のあゆみ 261巻3号, 254-255 (2017);
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脳神経外科学
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医学のあゆみ 261巻3号, 256-257 (2017);
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FORUM
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ゲノム医療時代の遺伝子関連検査の現状と展望 11
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医学のあゆみ 261巻3号, 265-267 (2017);
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【NEW】研究医育成の現状と課題 1
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医学のあゆみ 261巻3号, 269-272 (2017);
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医学のあゆみ 261巻3号, 273-276 (2017);
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本シリーズでは,医療者であり,建築学を経て病院建築のしくみつくりを研究する著者が,病院建築に携わる建築家へのインタビューを通じて,医療者と病院建築のかかわりについて考察していきます.