Volume 268,
Issue 4,
2019
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特集 カテーテルアブレーションの最近の進歩
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医学のあゆみ 268巻4号, 235-235 (2019);
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医学のあゆみ 268巻4号, 237-241 (2019);
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発作性上室頻拍(PSVT)の最も多い原因である房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)は,カテーテルアブレーション治療が最も成果を上げている領域である.AVNRT には種々のタイプが存在し,①slow/fast,②fast/slow,③slow/slow,の3 型に大別される.また,まれにslow pathway が左方または上方に偏位した例がみられ,それぞれleft-variant AVNRT,superior type AVNRT とよばれている.これらの異なるタイプのAVNRT の解剖学的基盤は明らかになっていない部分もあるが,各タイプの解剖学的・電気生理学的特徴を十分理解することは,安全かつ確かなアブレーション治療を行うために大切である.本稿では,AVNRT のアブレーション治療に必要な解剖学的背景や電気生理学的知識について,最近の知見を交えながら概説する.
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医学のあゆみ 268巻4号, 242-248 (2019);
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房室弁輪部起源のATP(アデノシン三リン酸)感受性心房頻拍(AT)は,房室結節近傍起源およびそれ以外の弁輪部を起源として認められ,いずれも必須緩徐伝導路を旋回路に含むリエントリー性頻拍である.治療のための高周波通電はリエントリー回路の出口あるいは入口部に対して施行可能であるが,房室結節近傍起源のAT においては入口部に対する通電のほうが房室伝導障害のリスクがなく安全であり,有効と思われる.
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医学のあゆみ 268巻4号, 249-256 (2019);
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心房細動(AF)は現在common disease として広く知られ,脳梗塞および心不全など患者予後に影響を及ぼす疾患であることから,その管理は重要である.1998 年にAF を根治する目的で高周波カテーテルアブレーション(肺静脈隔離術)が施行されるようになってから約20 年が経過したが,その手法はさまざまな点で改良され,発作性AF の根治率は80%近くまで改善した.バルーンテクノロジーの進歩もめざましく,わが国では2014 年にクライオバルーンが,2016 年には日本製ホットバルーンが1 ショットデバイスとして導入され,より簡便な手技で確実な肺静脈隔離が可能となり,良好な成績が示されている.さらに2018 年7 月にはレーザーバルーン(HeartLight 内視鏡アブレーションシステム)が保険償還され,発作性AF に対するカテーテル治療はバルーンテクノロジーを主体とする新時代へと向かいつつある.その一方で,(長期)持続性AF に対するカテーテルアブレーションにはいまだ確立された手法はなく,今後さらなる発展を要する.本稿ではレーザーバルーンアブレーションの実際に関して述べるとともに,持続性AF に対して現在行われているアブアレーション方法のトレンドを紹介する.
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医学のあゆみ 268巻4号, 257-262 (2019);
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流出路起源の心室性期外収縮(VPC)に対するマッピングは,まず右室または左室のどちらが起源かを同定することからはじまり,その後的確にアブレーションを行う必要性がある.近年,デバイスの進歩とともにその成功率は向上しており,本稿ではいくつかのテクニック,最新デバイスの活用法を紹介したい.とくに血管内超音波,CARTO ripple mapping,EnSite システムにおけるAdvisorTM HD grid によるマッピング法はいまだ報告が少なく,本稿が術者の参考になることを期待したい.またアブレーションに難渋するケースでは,再度戻ってVPC の12 誘導心電図波形から診断するとよいことが多々あり,著者の留学先であるペンシルベニア大学から報告された論文を紹介したい.本稿が,術者の先生方の役に立つことを切に願う.
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医学のあゆみ 268巻4号, 263-268 (2019);
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ベラパミル感受性心室頻拍(VT)は,左室起源の特発性VT のなかで最も頻度が高く,そのメカニズムはリエントリーである.VT のQRS 波形の特徴やアブレーション成功部位により,サブタイプ(左脚後枝領域型,左脚前枝領域型,上部中隔型,乳頭筋近傍型)に分類可能である.そのいずれも減衰伝導特性とベラパミル感受性を有する異常Purkinje 線維を頻拍回路に含むリエントリーであり,VT 中のQRS よりも先行するPurkinje電位を指標としたカテーテルアブレーションが有効である.左脚後枝領域型の頻度が最も高いが,すべてのサブタイプのQRS 波形の特徴を認識し,解剖学的・電気生理学的特徴を正しく理解したうえで,マッピングアブレーションをすることが重要である.
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医学のあゆみ 268巻4号, 269-274 (2019);
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基礎心疾患を有する症例では,重症心室不整脈を生じることが知られている.抗不整脈薬は心室頻拍(VT)の加療当初から広く用いられるが,低心機能患者ではその安全治療粋は狭く,催不整脈薬作用や心臓外の副作用が出現しやすい.最近のシステマティックレビューやメタアナリシスでは,アミオダロン使用による死亡率の上昇が報告されている.一方,この20 年間で心室性不整脈に対するカテーテル治療は,多くの電気生理学的な知見が集積され,テクノロジーの進化と相まって著しい進歩を遂げてきた.突然死の回避という点では植込み型除細動器(ICD)が果たした役割は大きいが,それにカテーテルアブレーションを組み合わせることで,ICD の頻回作動を防ぎ,患者のQOL(quality of life)向上,さらには生命予後の改善が期待できる.
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医学のあゆみ 268巻4号, 275-281 (2019);
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心室頻拍(VT)や心房細動(AF)などの,より複雑な不整脈のカテーテルアブレーション治療を行うようになり,三次元(3D)マッピングシステムの使用と合わせて,画像検査がより重要になっている.とくに磁気共鳴画像(MRI)は解剖学的な情報に加えて,ガドリニウム遅延造影(LGE)により不整脈器質となりうる瘢痕(scar)組織の描出が可能であることから,VT やAF アブレーションに用いられる.Scar のtransmurality(貫壁性)やheterogenous zone(正常心筋とscar の信号強度の中間を呈する領域)は,VT 回路・必須伝導路と強く関連しており,頻拍回路・至適通電部位の術前予測が可能となる.AF に対しても,アブレーション治療の成功率や至適通電部位の予測にMRI が用いられるようになってきている.また,MRI はアブレーションによる焼灼巣を急性期に描出できることから,リアルタイムMRI ガイド下カテーテルアブレーションの技術が開発され,ヨーロッパでは臨床利用がはじまっている.
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連載
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地域包括ケアシステムは機能するか 11
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医学のあゆみ 268巻4号, 287-291 (2019);
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地域包括ケアシステムは,実はきわめて都市計画的な「空間計画」としての側面がある.このシステムには「日常生活圏域」という概念が導入されており,厚生労働省はおおむね30 分以内で必要なサービスが利用できる範囲と定義しているが,それを都市計画的に説明すると半径3~5 km 程度の圏域単位に0~100 歳以上の人が安心して生活できるようリスクマネジメントすることである.一方,都市計画の分野では人口減少,少子化,高齢化の進展に伴い,近年大きな政策転換が行われている.「コンパクト+ネットワーク」をスローガンにして,都市域を適切に縮小する方向に舵を切り,各自治体が立地適正化計画を立案してよいこととなった.都市機能の再編や居住地の再編の鍵を握るのは,医療施設,福祉施設である.都市のスポンジ化を防ぎ,諸施策を包括的にとらえた合理的な都市経営を行うために,都市計画と地域包括ケアシステムは適切に連動しなければならない.
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医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及 8
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医学のあゆみ 268巻4号, 292-296 (2019);
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◎コンピテンシー・フレームワークに基づくアウトカム基盤型教育を構築するにあたって,高いレベルのコンピテンシーが求められるコアEPAs やマイルストーンズの出現により,学習者が次の学修を開始できる確かな能力を修得する教育の重要性が高まってきた.学習者全員が,それぞれの時間軸で次の学修に必要な高い能力の目標を達成するマスタリー・ラーニングは,このようなニーズに適合する教育である.マスタリー・ラーニングでは,目標とする最低合格基準を高いレベルのパフォーマンスを意味するマスタリー・レベルで設定し,目標の達成に焦点を当てる教育活動を行い,すべての学習者が目標を達成するまでユニット内での学修の継続が求められる.教育活動として,シミュレータを利用する計画的訓練が主要な教育法として位置づけられている.評価基準の設定では,患者ケアや患者の安心,安全に焦点をあてた新たな基準作成法が紹介され,患者ケアや患者の安心,安全のさらなる向上が期待される.
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TOPICS
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消化器内科学
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医学のあゆみ 268巻4号, 282-283 (2019);
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整形外科学
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医学のあゆみ 268巻4号, 284-285 (2019);
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耳鼻咽喉科学
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医学のあゆみ 268巻4号, 285-286 (2019);
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FORUM
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がん教育の現状と課題 11
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医学のあゆみ 268巻4号, 297-298 (2019);
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医療社会学の冒険 9
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医学のあゆみ 268巻4号, 299-303 (2019);
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書評
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医学のあゆみ 268巻4号, 304-304 (2019);
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医学のあゆみ 268巻4号, 305-306 (2019);
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医学のあゆみ 268巻4号, 307-309 (2019);
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