Volume 269,
Issue 1,
2019
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【4月第1土曜特集】 更年期診療UPDATE
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医学のあゆみ 269巻1号, 1-1 (2019);
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総論
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医学のあゆみ 269巻1号, 4-10 (2019);
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オフィスガイネコロジー(office gynecology)という分野・概念は,女性の健康全般をみるプライマリケアのことを指し,入院診療や手術室で行われる手技を除いた診察室における診療すべてが含まれる.このなかで更年期診療の中核となるのはエストロゲン低下に伴う更年期障害であるが,それだけでは不十分である.臨床婦人科内分泌学を基礎に,ここから派生する病態を一手に引き受け女性の健康をサポートするのが真の更年期診療である.これからの更年期診療を考える際に,“人口減少にもかかわらず増加する更年期世代”,“労働力として期待され疲弊している更年期世代”,“さまざまな疾患の温床が出はじめる更年期世代”など,時代と社会と個人に関わるキーワードが抽出される.ここから将来への展望を考えることで,オフィスガイネコロジストの責務が見えてくる.
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医学のあゆみ 269巻1号, 11-15 (2019);
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性差医学・医療は男女共が対象で,疾患の背景にある性差に注目し診療を行うものである.女性は男性に比べエビデンスが不足しており,女性での性差医療が国内外で先行している.日本でも2001 年に性差医学に基づく「女性専門(専用)外来」が誕生し,数年の間に全国400 カ所以上に普及した.女性専門外来受診者の特徴は,更年期世代の割合が多い,多愁訴で受診,すでに複数の診療科を受診しても診断がつかず解決を求めての受診があげられる.東京女子医大では2007 年に女性専門外来が開設し,以来こうした女性達の鑑別診断に取り組んできた.報道などのバイアスがなかった開設後1 年間のデータによれば,受診者全体の68%が月経不順か更年期様症状を主訴に来院しており,うち26.7%は鑑別診断後に原因であるその他の器質的疾患を認めた.その内訳は,内分泌疾患(一般検査項目に内分泌検査が含まれていない)が多く,比較的若い世代での腫瘍性疾患(画像検査まで施行されていないことが多い)も少なくなく,示唆に富んだ症例を提示する.これらの結果から,女性は更年期や月経随伴症状により元の疾患の症状が修飾され,鑑別診断がより難しいことを各科の医療者が認識すること,女性診療での鑑別診断スキルを向上させるための取り組みやツール開発が望まれると考える.
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医学のあゆみ 269巻1号, 16-22 (2019);
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日本ナースヘルス研究(JNHS)は,全国の女性看護職を対象とした前向きの大規模女性コホート研究である.生活習慣,ホルモン剤使用歴などの保健習慣,身体状況,既往歴,家族歴のほか,初経年齢,不妊の既往,妊娠・出産歴,閉経状況といった生殖機能関連事象について経時的に調査が行われ,ベースライン調査を兼ねた断面調査に49,927 名,そのうち15,019 名が長期の継続観察調査に参加している.これまで,閉経年齢や影響を与える因子,閉経年齢と脂質異常症発症リスク,早発卵巣機能不全の割合,産科婦人科疾患(子宮内膜症,多囊胞卵巣症候群,子宮筋腫,妊娠高血圧症候群)と,その後に発症するさまざまな疾患との関係について報告してきた.今後,JNHS 研究から得られた結果は,わが国の女性におけるデータをもとに新たな更年期医療を確立し,安心で安全なホルモン製剤の適正使用に向けて取り組み,女性医学の発展や健康寿命の延伸をめざし,社会に貢献できる研究となるようにする.
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更年期女性への対応
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医学のあゆみ 269巻1号, 24-28 (2019);
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心身医学とは,患者を身体面とともに心理面,社会面をも含めて総合的・統合的,すなわち全人的に診ていこうとする医学であり,また心身症とは「身体疾患のなかで,その発症や経過に心理・社会的因子が密接に関与し,器質的ないし機能的障害が認められる病態」と定義される.更年期障害が女性ホルモンレベルの低下に加え,心理・社会的要因が複合的に影響しあい発症する疾患であることを考えると,心身医学的な考え方は更年期障害を理解するうえで根幹となるもののひとつであり,更年期障害の女性に接する際にはつねに全人的な対応を心がけることが必要であるといえる.本稿では,心身医学的な考え方と,更年期障害患者に応用可能な心身医学的治療法として,①一般心理療法,②自律訓練法,③認知行動療法(CBT),④マインドフルネスについて,最近のエビデンスも含め紹介する.
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医学のあゆみ 269巻1号, 29-32 (2019);
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産婦人科四大領域(周産期,腫瘍,生殖,女性医学)のなかで更年期障害を扱う女性医学領域は,漢方薬の使用頻度が最も高いと思われる.オフィスギネコロジーを標榜する産婦人科医師にとって,更年期障害の患者を診察することは避けては通れない.ホルモン補充療法は非常に有効な治療であるが,副作用を説明するとホルモン補充療法の使用を躊躇する患者は多く,漢方薬を適切に処方することによって治療の選択肢が格段に広がると考える.漢方治療は病名投与でなく,“証”に基づき患者一人ひとりの体質を見ながら処方を決定することが重要である.
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医学のあゆみ 269巻1号, 33-36 (2019);
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ホルモン補充療法(HRT)は更年期障害(卵巣欠落症状も含む)ならびに閉経後骨粗鬆症・萎縮性腟炎などの治療をおもな目的として施行される薬物療法のひとつである.HRT を施行するにあたって,まずその目的を明確にするとともに,冠動脈疾患や脳卒中のリスクを増加させないために閉経後できるだけ早期からの開始が望ましく,また乳癌のリスク増加に留意しながら各症例に応じてその投与期間を検討していくことが望ましい.「ホルモン補充療法ガイドライン」においては,当初より「HRT 前・中・後の管理法は?」という項目を設けて,そのそれぞれの時期に対する見解を記載している.最新の2017 年度版においても大きな変更点はないが,HRT を安全に行うための指針としておおいに活用されることが望まれる.
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医学のあゆみ 269巻1号, 37-44 (2019);
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一口に“めまい”といっても種々の病態が含まれている.平衡機能障害をきたす内耳・前庭神経の末梢前庭疾患や,小脳・脳幹を中心とした中枢病変により生じるめまい,不整脈や立ちくらみなどの循環調節障害により誘発されるめまい,片頭痛や不安・抑うつが関連しためまいもある.めまいの発症時期,性状,契機,症状が増悪する場面,副症状について詳しく問診することが大切である.念頭に置くべきめまい疾患として良性発作性頭位めまい症,メニエール病,前庭性片頭痛,血圧異常によるめまい,椎骨脳底動脈循環不全がある.それらの臨床的特徴を概説する.女性では末梢前庭疾患に頭痛・頸部痛,不安・抑うつ,不眠,低血圧が併存するケースも多い.難治性めまいへの対応法である生活指導,漢方治療,前庭リハビリテーション,心理療法についても紹介する.
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医学のあゆみ 269巻1号, 45-49 (2019);
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更年期世代の女性には,のぼせ,ほてりなどのいわゆる更年期症状のほか,口腔乾燥感,味覚異常,舌痛,顎関節痛などの口腔に関する疾患が多く認められる1).実際,女性専用外来を訪れた患者から,口腔乾燥症,味覚障害,舌痛,顎関節痛などの訴えを聞いた経験がある医師は79.5%に上る2).その訴えに対して,専門診療科に紹介したことがある医師は58.5%,薬物療法を行った経験がある医師は15.0%であった2).Quality of life(QOL)低下をもたらす口腔の症状を改善することができれば,更年期症状の不定愁訴減少につながる可能性もある.本稿では,更年期の女性に多くみられる口腔乾燥症,味覚障害,舌痛症の原因や治療方法について概説する.
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性成熟期疾患の周閉経期管理
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医学のあゆみ 269巻1号, 52-57 (2019);
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月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)は,精神面・身体面の双方に非常に多彩な症状を呈する精神科と産婦人科の境界領域疾患であり,有経女性のquality of life(QOL)や周囲の対人関係に重大な影響を与えているものであっても,疾患として気づかれていないことも少なくない.診断の根拠となる本人による症状記録はセルフケアのうえでも重要である.PMS/PMDD の管理としては適切な生活指導のうえに立って,低用量経口避妊薬(OC),低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)などの排卵抑制薬,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI),漢方薬など各治療薬の特徴を理解し,患者個々に合わせた治療のコーディネートを行う.適宜,診療科間のおよびプライマリケア医-専門家の間の連携を行うことが望ましい.各種薬物療法での長期的コントロールが難しい周閉経期症例で,かつ子宮・卵巣の器質的疾患が併存していれば,根治療法としての手術療法と,その後のエストロゲン補充療法も治療選択肢として検討する.
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医学のあゆみ 269巻1号, 59-64 (2019);
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子宮内膜症は疼痛と不妊を主徴とするエストロゲン依存性の慢性炎症性疾患で,性成熟期女性の6~10%に認められる,産婦人科臨床では遭遇する機会の多い疾病である.エストロゲン依存性であるため,これまで周閉経期女性での子宮内膜症にはかならずしも多くの注意が払われていなかった.子宮内膜症は手術や薬物療法による根治が困難な例もあり,術後も再燃・再発を繰り返すことが少なくない.また,閉経後であっても症状が持続する例が存在する.手術療法では根治性を高める工夫が必要である.近年,子宮内膜症が閉経年齢に影響し,卵巣癌のリスクが高まることが示され,低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤(LEP/OC),プロゲスチンあるいはGnRH アナログ製剤などによる内分泌療法や閉経後のホルモン補充療法(HRT)では,薬剤の特性と個々の症例の臨床背景に応じた薬剤の選択が肝要である.周閉経期以降の女性の健康における予防的な観点からのアプローチが望まれる.
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医学のあゆみ 269巻1号, 65-69 (2019);
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周閉経期女性における不正性器出血は,婦人科外来でしばしば遭遇する症状である.原因となりうる疾患は多岐にわたり,器質性疾患と機能性子宮出血を見極めること,なかでも子宮頸癌や子宮体癌などの悪性疾患を見逃さないことは必須である.まずは出血量,性状,持続期間,頻度,随伴症状,月経の状況や性交渉との関連性など,詳細な問診を行う.妊娠の可能性も否定できないため,月経周期の聴取も重要である.血液,肝疾患などの内科疾患,ホルモン剤や抗凝固薬,向精神薬などの薬剤性によるものもあるため,既往歴や内服薬の聴取,不正性器出血を引き起こす他疾患との鑑別にも注意が必要である.子宮以外にも外陰部,腟,尿道,肛門に出血が起因する可能性もあり,出血部位を確認し,出血原因を探ることは大切である.
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閉経後女性の疾患リスク管理
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医学のあゆみ 269巻1号, 72-75 (2019);
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過去の疫学研究において,妊娠高血圧症候群(HDP)が心血管疾患のリスクになることや,妊娠糖尿病(GDM)既往女性が将来高率に糖尿病を発症することが実証されてきた.なぜ,これらの周産期合併症がその後の慢性疾患発症と関連するのかについては明らかとされていないが,女性にとって多大な負荷を生じる妊娠そのものが負荷試験的役割を担っている可能性が指摘されている.妊娠時に将来の疾患発症リスクが明らかとなるのであれば,予防医学の観点からきわめて有益な情報となりうる.しかし,妊娠時に表在化したこれらの情報は見すごされることが多く,疾患の一次予防として活用とされていないことがほとんどである.その原因として,一般的に前述の周産期合併症と慢性疾患の関連性が周知されていないことや,リスク管理方法に各ガイドラインで明確な指針が示されていないこと,さらに分娩後に周産期合併症の情報が医療従事者間で共有されていないことなどがあげられる.すべての周産期合併症既往者を長期的に管理することは実臨床において難しいのが現状であるが,妊娠時に知りえた貴重なリスクを個々に伝えて健康管理をよびかけることは,多くの女性の健康増進に寄与すると期待できる.また,多くの女性が分娩後長期間保管している母子健康手帳は妊娠時の血圧値や尿所見を記載しており,HDP の発症など周産期合併症の情報を得るうえで有用である.
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医学のあゆみ 269巻1号, 76-79 (2019);
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早発卵巣不全(POI)は40 歳未満の卵巣性無月経と定義されている.発症頻度は女性の1%であり,40歳未満では100 人に1 人,35 歳未満では250 人に1 人と報告されている.また,2013 年に日本女性医学会主導で行われた卒後研修指導施設732 施設を対象としたアンケート調査では,わが国でのPOI 患者数はおよそ7,200 人と推定されている.診断は,40 歳未満の高ゴナドトロピン性無月経で,①40 歳未満の続発性無月経が6 カ月以上,②ゴナドトロピン高値,③エストロゲン低値,により診断がなされている.POI の病態は卵巣性無月経による低エストロゲン状態であり,身体と精神にさまざまな影響を及ぼす.診断後早期のホルモン補充療法(HRT)と骨量の評価,骨量減少の予防(すなわち適切な運動やカルシウム,ビタミンD の摂取,禁煙などの生活習慣の指導),必要であれば骨粗鬆症の治療を行うことが重要である.
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医学のあゆみ 269巻1号, 80-84 (2019);
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多くの悪性腫瘍の治療成績は飛躍的に向上しているなかで,治療後の患者(がんサバイバー)に対する長期的な観点からの予防医療はいまだ発展途上である.近年,若年婦人科がん患者は増加傾向にあり,婦人科治療により自然閉経前での両側卵巣摘出,つまり外科的閉経をきたすことが多い.閉経前の両側卵巣摘出によるエストロゲンの欠乏状態は,更年期症状だけでなく骨粗鬆症,脂質異常症,心血管障害の発症リスクを増加させることが知られている.それらの疾患リスク予防としてホルモン補充療法(HRT)が考慮されるが,婦人科がんはエストロゲンレセプター陽性の悪性腫瘍が多く,エストロゲン投与には慎重にならざるをえない.しかし,過去の報告では子宮頸癌(扁平上皮癌),卵巣癌,初期子宮体癌においてはHRT による再発リスク上昇はないと報告されている.われわれは若年婦人科がん患者を管理するにあたって,外科的閉経による疾患リスクとHRT による再発リスクを十分理解したうえで長期的なフォローを行っていかなければならない.
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医学のあゆみ 269巻1号, 85-88 (2019);
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がん診療のエンドポイントは“がん死の低減”であるが,女性においては集学的治療やリスク低減手術によって女性ホルモンの欠落をきたし,quality of life(QOL)低下を余儀なくされるケースがある.近年のがんゲノム医療の急速な進展は,実地臨床においてがん薬物療法の標的となる遺伝子病的バリアント(変異)のみならず,遺伝性腫瘍の原因となる生殖細胞系列バリアントも明らかにしてきている.2 人に1 人ががんに罹患するという今日,医療人はがんの“診断・予防・治療”のみならず,女性ヘルスケアについてもシームレスに行う体制を構築する必要がある.
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ウロガイネコロジー
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医学のあゆみ 269巻1号, 90-94 (2019);
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GSM はgenitourinary syndrome of menopause の略称で,日本語訳は“閉経関連泌尿生殖器症候群”になる予定である.閉経による性ホルモン分泌低下によって生じる尿路生殖器の萎縮などの形態変化およびそれに伴う不快な身体症状や機能障害の総称で,従来のvulvovaginal atrophy(萎縮性腟炎)という単語に比較して,症状・病態を包括的に説明する概念とされる.GSM は慢性かつ進行性の疾患であり,中年以降の女性の約半数が罹患していると報告されている.症状は外陰部乾燥感・灼熱感,排尿困難感・頻尿や,尿意切迫感・反復性尿路感染症,性交痛などである.外陰部所見としてはクリトリス包茎,尿道カルンクルス,小陰唇縮小,腟内点状出血などがある.予防は外陰・腟の保湿と性交渉の継続である.治療は,全身のホルモン補充療法(HRT)で症状が改善しない場合や,HRT ができない場合は,性ホルモン剤の局所投与とフラクショナル炭酸ガスレーザー照射などが行われる.
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医学のあゆみ 269巻1号, 95-100 (2019);
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骨盤臓器脱(POP)患者は高齢者のみならず,周閉経期にも多い疾患である.診断は最新のPOP-Q 法で行い,下垂症状のみならず排尿・排便・性機能に留意し,総合的に治療にあたる.腟壁びらんに対するエストリオール(E3)腟剤以外の女性ホルモン補充療法(HRT)の有効性は示されていない.骨盤底筋体操(PFMT)は自覚症状の改善に,ペッサリーは下垂に対して有効である.しかし,両者とも適切な外来指導を要する.手術療法として,周閉経期で性交の可能性のある年齢では性機能を温存できる腹腔鏡下仙骨腟固定術が第一選択となる.
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保険診療と医療政策
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医学のあゆみ 269巻1号, 102-107 (2019);
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更年期から閉経後の女性にはホットフラッシュなどの更年期症状のほか,不安感やうつ状態などの症状を訴える場合が多い.更年期症状の訴えは多岐にわたり,いわゆる不定愁訴といわれ,患者の病態の本質に迫るまで時間がかかることも多い.また,更年期の時期から高血圧症,脂質異常症など動脈硬化のリスクを増加する疾患も増えてくる.更年期診療を行う場合は婦人科的・精神科的・内科的視点から診療を行うことが重要となり,一人の患者に比較的時間を要するが,更年期診療には管理料などが存在しない.更年期診療に限らないが,安定した診療報酬確保には査定・返戻されないレセプトを作成することが必要であり,そのためには保険診療上のルールを知ることが大切である.さらに更年期の高血圧症,脂質異常症などの特定疾患を早期から婦人科で診療することで動脈硬化性疾患の予防もできるため,特定疾患指導管理料の算定できる診療を積極的に行うことで,更年期診療における診療報酬増加が見込まれる.
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医学のあゆみ 269巻1号, 109-115 (2019);
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「どうして,こんなに頑張って診療しているのに保険点数が低いのか」「大切な検査や治療法なのに日本では行えないのか」といった疑問は,臨床医はだれしも持ったことがあるだろう.本当に必要な医療については,さまざまな立場の関係者が日々努力を行いながら実現可能なエビデンスを構築しているが,それでも時間的なギャップに悩むこともある.わが国の医療がこれからどのように変化して,どこに向かっていくのか.それには,何を手当てしていけばよいのか.わが国が進む方向をイメージしながら,国民が少しでも安心した生活が送れるようにはどうすればよいのか.病院のなかの診療というひとつの点で見るのではなく,患者の人生や多職種を含めた地域といった線や面で医療を捉えるような視点で,今一度考えてみたい.女性医療を前面に押しだすのではなく,今まで論じられてこなかった女性医学を表舞台に出すことで,健康寿命の延伸や女性活躍の一助となる政策を展開できる可能性がある.