Volume 274,
Issue 4,
2020
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特集 外国人診療
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医学のあゆみ 274巻4号, 325-325 (2020);
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医学のあゆみ 274巻4号, 327-331 (2020);
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外国人を受け入れる医療施設にはハード面・ソフト面ともに一定の基準のもとに整備されていることと,その情報が開示されていることが必要となる.国際的な患者安全基準を満たしていることを担保するうえで,病院機能評価あるいは国際医療機能評価機関(JCI)を受審する医療機関が国内でも増加し,JCI のホームページ上で世界に向けてその情報が開示されている.また,わが国独自の取り組みとして,国内での第三者評価JMIP(Japan Medical Service Accreditation for International Patients)が行われており,また渡航受診者の受け入れに意欲と取り組みのある病院をJIH(Japan International Hospitals)として推奨する仕組みも作られている.その一方で,文化・社会制度の違いによる課題は依然として残されている.
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医学のあゆみ 274巻4号, 333-336 (2020);
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医療機関にとって,組織構造やさまざまなオペレーション,提供している医療,病院管理の結果(アウトカム)を第三者に評価してもらい,安全性に対する懸念事項,さらなる改善の機会を特定できることの価値はいうまでもない.その価値は,エンドユーザーである患者やその家族だけでなく,安全な環境で勤務することを望む職員,安定した経営をめざす病院管理者の三者にとっての共通価値である.世界に数多くある第三者評価機関のなかでもJoint Commission Internationa(l JCI,米国シカゴに本拠地を置く非営利団体)1)は,世界で最も多くのクライアントを持つ認証団体であり,その認定プロセスは最も厳しい認証のひとつだといわれている.最先端の医療技術や医療機器の保有,職員数,病床数を評価するのではなく,患者の安全や,提供している医療の質の向上をめざしエビデンスを取り入れながら病院運営を行っているかまで評価・認証する.そして,その認証プロセスを活用し,世界中の患者が“Zero harm”(世界中の患者が遭遇する医療アクシデントをゼロ)になることをJCI はミッションとして掲げている1).
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医学のあゆみ 274巻4号, 337-342 (2020);
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外国人診療への取り組みは医療安全と効率性に留意しつつ,自院の提供可能な医療サービスの範囲を設定し,それに向けて体制を構築することが必要である.外国語対応能力は外国人診療に対して最も重要な医療機能といえる.通訳の方法は対面通訳(病院職員・外部派遣),電話通訳,ビデオ通訳,翻訳機器通訳と多様化しており,それぞれの特徴を生かし組み合わせての利用が推奨される.外国人診療を専門にサポートする部署の設置は,外国人診療を負担なく円滑に進めるうえできわめて重要であり,当該部署が外国人診療へ向け体制整備の中心的役割を担い,具体的には外国人向け診療報酬体系の整備,スタッフの外国語能力把握と協力体制確立,診療フローの整備と説明,支払いに関する事項の制度設計と周知,各種文書や院内表示の多言語化,文化・宗教への対応など,その業務範囲は多岐にわたるものとなる.
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医学のあゆみ 274巻4号, 343-349 (2020);
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今世紀に入り医療の国際化が各方面で推進され,とくに2010 年以降,具体的な取り組みが進捗している.国際化にはいくつかの側面があるが,そのなかでも日本での外国人診療,日本発の医療機器・医薬品を含め日本式医療の国際展開が2 つの重要な要素である.2011 年には経済産業省の支援を受け,一般社団法人Medical Excellence JAPAN(MEJ)が設立され,まず外国人患者の受け入れ基盤整備(インバウンド)を中心に活動し,2013 年からは事業範囲を医療の輸出(アウトバウンド)まで広げた.また,2013 年には厚生労働省の支援事業として,外国人患者受入れ医療機関認証制度(JMIP)が制定された.これらにより,外国人が日本の医療サービスを安全・安心に享受できる環境の整備が促進されている.2020 年4 月現在,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の猛威が世界を危機にさらし,都市閉鎖や国境閉鎖など医療の国際展開を議論するのには不適な時期ではあるが,この早期解決を願ってその後の真の日本の医療の国際化を推進したい.
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医学のあゆみ 274巻4号, 350-354 (2020);
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医学の領域における国際共通語としての英語の重要性が高まっているなか,日本医学英語教育学会は「医学教育のグローバルスタンダードに対応するための医学英語教育ガイドライン」を発行し,“診察に関して医学部卒業時に全員が習得すべき内容”として“医療面接”と“身体診察”での英語運用能力を,そして“診察に関して医学部卒業時に習得が望ましい内容”として“患者教育”と“症例報告”での英語運用能力を設定している.この4 つの医学英語運用能力を獲得するためには,最低でもCEFR B1-B2(自立した言語使用者)以上の一般英語運用能力も獲得する必要がある.ただし,医療者がこういった高度な英語運用能力を獲得することが難しい場合や,外国人患者が英語以外の言語を話す場合,医療者には原則として医療通訳を使うことが求められる.
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医学のあゆみ 274巻4号, 355-358 (2020);
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日本のアスリートが国際大会に出場することも,また日本がオリンピック・パラリンピックやワールドカップなど国際大会を開催することも珍しくなくなった昨今,スポーツにおける医療の国際化が問われてきている.海外渡航するアスリートの健康を守るために,世界の医療体制や衛生状況の情報を得て,対策をはかること,世界のドクターや医療機関とのネットワークの構築すること,情報通信技術(ICT)の発達した現在では,タイムリーに,そしてスピード感を持ってそれを活用していくことが必要となっている.また国際大会の開催国としては,世界各国から集まるその競技能力,タレント性や年俸の高さから注目されるアスリートのことは当然,大会関係者,観客に安全・安心な競技環境・滞在環境を提供することは最優先事項であり,国際的レベルでマスギャザリングの対策をはかることが必須となっている.
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連載
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老化研究の進歩 17
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医学のあゆみ 274巻4号, 364-372 (2020);
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ヒトが生涯にわたって健康で自立した生活を営むためには,日常生活動作(activities of daily living:ADL)の基盤となる筋肉量を維持し,筋肉を動かすことが重要である.しかしながら,筋肉量は加齢に伴い減少する.こうした加齢に伴う筋肉量の減少や筋力の低下のことをサルコペニア(筋肉減弱症)とよぶ.サルコペニアによって,ADL やQOL が低下するのみならず,基礎代謝量や身体活動量の低下によって糖尿病をはじめとする生活習慣病や認知症にかかりやすくなるおそれがある.また,ロコモティブシンドロームやフレイルの主要因でもある.そのため,サルコペニアを早期に発見し,その予防・改善を適切にはかることは,超高齢社会を迎えたわが国において国民全体の大きな課題である.すなわち,サルコペニアの診断やメカニズムに関する理解を深めることは,QOL の改善や介護予防においても重要な意味を持つと考えられる.本稿では,サルコペニアを中心に,その表現型および細胞・分子レベルでの特徴について概説する.
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再生医療はどこまで進んだか 9
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医学のあゆみ 274巻4号, 373-378 (2020);
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骨格系統疾患は450 種類以上の多様な病態により構成される疾患群である.次世代シークエンス技術によって次々と原因遺伝子が明らかにされつつある一方で,大多数の病態において有効な治療法は存在していない.このような疾患群に対して疾患特異的iPS 細胞を活用したアプローチによって創薬への手がかりを得る研究が進められている.病態再現の鍵は標的となる細胞あるいは分化過程の選択と,それに応じた分化誘導法の選択である.分化誘導法は従来の発生過程を模した多段階誘導法に加えて,ドラッグスクリーニングを念頭において小数の増殖因子および化合物を用いた短期間の誘導法が開発されている.進行性骨化性線維異形成症では候補薬の同定から治験へと進み,その他の疾患においても創薬につながる可能性のある知見が得られており,今後は,より多くの疾患に対して病態解明から創薬へのアプローチが応用されることが期待される.
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臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学 2
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医学のあゆみ 274巻4号, 379-386 (2020);
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細菌壁の構成成分リポ多糖は,強力な免疫活性化物質として古くから知られていたが,1990 年代の終わりにその受容体がTLR4 とよばれる膜タンパクであることが明らかになった.以来,さまざまな病原体センサーが同定され,自然免疫が病原体をどのように認識し,応答しているのか,その分子基盤の解明が進んだ.また,病原体センサーが,宿主由来の内因性物質にも応答し,さまざまな非感染性炎症の病態や一見炎症とは見えない病態においても重要な役割を果たしていることが明らかになってきた.一方,次世代シークエンス技術など遺伝子解析技術の発展,普及により,炎症病態と関連する自然免疫系の遺伝子変異の同定も進んでいる.今,自然免疫が関与する非感染性炎症病態として,自然炎症と自己炎症性疾患が注目されている.
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TOPICS
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遺伝・ゲノム学
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医学のあゆみ 274巻4号, 359-360 (2020);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 274巻4号, 360-361 (2020);
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麻酔科学
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医学のあゆみ 274巻4号, 362-363 (2020);
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FORUM
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病院建築への誘い ─ 医療者と病院建築のかかわりを考える
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医学のあゆみ 274巻4号, 387-390 (2020);
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本シリーズでは,医療者であり,建築学を経て病院建築のしくみつくりを研究する著者が,病院建築に携わる建築家へのインタビューを通じて,医療者と病院建築のかかわりについて考察していきます.
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医学のあゆみ 274巻4号, 391-391 (2020);
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特別寄稿
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医学のあゆみ 274巻4号, 393-395 (2020);
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医学のあゆみ 274巻4号, 396-397 (2020);
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医学のあゆみ 274巻4号, 398-400 (2020);
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